マーケターや開発担当者は商品を企画する際、ヒットを狙ってあれこれと考えますが、全て机上で考えたもの。
世に出してからでなければ、どこにどのようにヒットするかは分かりません。
マーケティングにおいてSNSが無視できないレベルになった現在、口コミが発端となり思わぬヒットが生まれることがあります。

今回は企業側が想定していなかったターゲットに売れた商品・サービスの事例を集めました。

ガリガリ君

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画像引用:
ガリガリ君ソーダ(棒)|商品情報|赤城乳業株式会社

アイスの代表的存在のガリガリ君。もちろん、本来は「食べるもの」です。
それが、ランニングや喉を使う仕事をしている人の間で「アイシング」として使われているのです。
100円以内という手軽な値段と、スーパーやコンビニなどいつでもどこでも手に入る入手性の良さが、よく使われる理由の一つになっています。

下痢止め

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下痢止めはお腹が冷えたときによく使われるため、本来は秋〜冬の商品でした。
近年は夏にも売れるようになっています。
昨今は外と室内の温度差が激しく、エアコンや扇風機でお腹を冷やすことや、アイスの食べ過ぎ、ビールなどの飲み過ぎで冷えすぎて、下痢をする人がいるためです。

ジッパー付き袋

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もともとは食品を保存するのに使われていましたが、一部の女性の間では整理ポーチ代わりにも使われています。
必要最小限のものしか持たない「ミニマリスト」は、ポーチを持たずジッパー付き袋を代用品としているのです。
これを逆手にとって、企業側からはおしゃれなプリントがされた袋が発売されるようになりました。

マイレージ

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飛行機に乗ると「マイル」というポイントが貯まるのが「マイレージ」という仕組みです。
本来は飛行機利用客がターゲットでしたが、ポイント好きの主婦やビジネスマンたちにも大ヒット。
飛行機に乗らずに陸でマイルを貯める人を指す「陸マイラー」という言葉も生まれるほどになりました。

家庭用プラネタリウム

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本来は、部屋を暗くしてから、スイッチを入れると、室内に夜空が映し出される機械です。
もともとは、子供の学習用のはずが、星座好きや癒しアイテムとして使われるようになりました。
大人向けの高級機も発売されています。

電子書籍端末

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元々のターゲットは20代〜40代くらいまでの男性サラリーマンでした。
発売された当初は、ガジェット好きのデジタル愛好家が多く購入していましたが、現在は老眼の高齢者にも受け入れられています。
拡大や文字の大きさを変えることができて、紙の本より読みやすいということが理由です。
ブルーライトをカットした、より文字が読みやすいモデルも発売されています。

軍手

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誰しも思い浮かべる使い方は、草取りや荷物運びなどの作業をするときに手にはめるものですが、お掃除特集でテレビや雑誌に取り上げられ、主婦の間では「ほこりがよくくっつく雑巾」として使用することが増えています。

窓のサッシや壁の隅、ドアの隙間など、雑巾では入らない場所も、軍手のほうが入りやすいく、10枚数百円〜購入できるため、人気となっています。

食器乾燥機

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洗い終わった食器を乾燥させるための家電ですが、近年プラモデル用として人気になっており、塗装後のプラモデルを早く乾燥させるために利用されています。

プラモデル用には「模型乾燥機」というものがありますが、値段は数万円程度と高め。
食器乾燥機なら5,000円前後で購入でき、乾燥ができるかつ埃がつかないので、プラモデル乾燥にも使われるようになりました。

コックシューズ

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画像引用:
靴・長靴・厨房靴 | コックシューズ・厨房靴・衛生長靴| 作業着のワークマン公式オンラインストア

その名の通り、厨房で働くコックさんが履く靴のことです。
油汚れや水などで汚れた床の上を歩くこともあるので、滑りにくいソールがついています。
かつ、長時間立ち仕事をしていても疲れないよう、インソールにこだわったモデルも発売されています。

これらの機能が、雨の中でも滑りにくいとしてレインシューズ代わりに、女性の間でヒット。
ツイッターの投稿でバズってから、雨の日にコックシューズを履いている女性を見かけるようになりました。

SNSを活用して口コミを集めよう

これらの事例は、全て発売後の口コミから生まれたものです。
思わぬところからヒットが生まれたら、ウェーブに乗るとさらにヒットにつなげることができます。
ウェーブに乗り遅れないために、発売後も定期的に自社製品でエゴサーチをするなどして、利用者の声を集めておくようにしましょう。