資生堂がスキンケアのサブスクサービス「Optune」を開始。スキンケアをデジタル化する狙いとは?
「Optune」だけで完結するスキンケア。月額1万円の決め手とは?
ferret:月額1万円(税抜)という金額はどういう点から決められたのでしょうか?
川崎氏:β版では1本ずつカートリッジを購入していただいていたんです。カートリッジがだいたい2,800円くらいで5本使用します。β版の1本1本買っていただいていたときよりは安くなっています。
また、スキンケアの価格もピンからキリまでありますから、安いものと比較すると少々割高に感じるかもしれません。しかし、だいたい資生堂の商品の平均価格だと、1ヵ月に3,500円の化粧水と乳液、1万円の美容液を使用すると17,000円になります。1万円の化粧水と考えると高いかもしれませんが、「Optune」一台でその人にとって最適なスキンケアを朝と夜に提供し、短時間でスキンケアを完結させることができる利便性がある。なので、1万円というのが割高ではないというつもりで価格設定をしています。
マシンについても無償でお客様に貸与する形式です。マシンがリニューアルしてもお客様が無償で切り替えられるようにしています。その方が、メンテナンスも柔軟に対応できますし、販売すると「保証期間は無償だけど、保証期間を過ぎると有償で修理します」となりお客様にご不便をおかけしてしまいます。
対話型からデジタル化へ。「Optune」で資生堂のパーソナライゼーションの形が変化
ferret:「Optune」は使用する人ごとに最適なスキンケアを提供するとのことですが、パーソナライゼーションした狙いとは何なのでしょうか?
川崎氏:資生堂は何十年も前から、パーソナライゼーションをしています。それは、店頭の美容部員がお客様と直に接することで肌の状態を確かめて、その人に合ったスキンケアを提供してきました。
人と人との対話という形でこれまでパーソナライゼーションを行ってきましたが、「Optune」によってパーソナライゼーションの形が対話型から、テクノロジーの力でデジタル化された。パーソナライゼーションの形が変わっただけだという認識です。
Beauty as a Serviceの分野で美容サービスをリードしていきたい
ferret:今後はどのような目標を持たれていますか?
川崎氏:まずは、「Optune」を日本市場で根付かせることが目標です。もしかしたら、「Optune」はまだまだ一般の人にとっては新しいサービスなので、ある意味キワモノ的な存在として認識されているかもしれません。「Optune」が当たり前に使用される環境を早くつくっていきたいと思っています。
日本市場で一定の軌道に乗ってきたら、海外の方にも展開していきたいですね。資生堂としては、IoTを活用した化粧品を開発していき、Beauty as a Serviceの分野で、リードしていきたいと思っています。
ferret:ありがとうございました。
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