プライステックとは

プライステックとは、値段を決める際にITやAI・ビッグデータを利用して最適な額を決めるものです。

つまり、ダイナミックプライシングはプライステックの一つ。

他にもプライステックには種類があり、プレプライシングとポストプライシングがあります。

プレプライシングは、定価を定めず購入前に価格が決定されるものです。
代表的なものとしては、モバオクやヤフオクといったオークションサイトが該当します。
一方のポストプライシングは、日本で取り入れられてからまだ日が浅く、これから広まると考えられているものです。商品やサービスの利用後にユーザーが価格を決定し、非対面での価格の決定や評価が可能になっています。

ユニークな事例だと、法事の終了後に利用者が自らの範囲でお坊さんへの支払いを決定し、後払いをするといったものがあります。

もちろん、規定の金額はありますが、それに加えてお布施のような決済方法を可能にした、今までにはないプライステックです。

ダイナミックプライシングを活用した事例

ここからは、ダイナミックプライシングを活用した事例について3つ紹介していきます。
これらの事例を見ていくと、ダイナミックプライシングは私たちの生活にかなり溶け込んでいるものと言えそうです。

ローソン

コンビニ大手のローソンでは、実験店舗にて電子タグを活用した実証実験を行いました。これは、食品ロスの削減の取り組みの一つとしてダイナミックプライシングを試験導入した事例です。

商品に貼り付けられた電子タグが賞味期限が近い商品を特定し、LINEアカウントでその商品情報の通知を行います。そこで通知された商品を購入すると、LINEポイントの還元が行われ実質10円の値引きが行われるといった仕組みです。

参考:
<参考資料>電子タグを用いた情報共有システムの実験|ローソン公式サイト

コスモエネルギーホールディングス

コスモエネルギーホールディングスでは、2019年8月に割引サービスを提案するアプリを導入しています。

この割引サービスは、利用状況や顧客ごとに適したクーポンの配信を実施。実際のクーポン利用状況をもとに、来店頻度・給油量のデータを集めました。その結果から、来店頻度によって値引き額を調整するといった、顧客の行動に応じた値引き額を提供しています。

参考:
値引き幅、利用者ごとに コスモHD、個別提案型の給油所アプリ  :日本経済新聞

横浜F・マリノス

Jリーグのサッカーチームである横浜F・マリノスは、ホームグランドを2つ持っています。7万人を超える動員が可能な日産スタジアムと、15,000人の導入人数であるニッパツ三ツ沢競技場です。

ここでの課題は日産スタジアムでいかに動員を増やすか、満席になりやすい三ツ沢競技場ではどのように収益を増やすかでした。この課題の解決策として、ダイナミックプライシングを活用し、集客が見込める人気カードの時は料金を高く、反対にあまり人気のない試合の場合は料金を下げるといった施策を行いました。

これにより、値上げと値下げを組み合わせた観客誘導に成功しています。

参考:
価格変動制「ダイナミックプライシング」によるチケット販売開始のお知らせ | ニュース一覧 | 横浜F・マリノス 公式サイト