『鬼滅の刃(きめつのやいば)』はなぜ人気?『ONE PIECE(ワンピース)』を超える異例の売上、大ヒットの理由に迫る
『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された、吾峠 呼世晴(ごとうげ こよはる)による漫画『鬼滅の刃(きめつのやいば)』が、異例の大ヒットを遂げています。
2016年から連載された本作の累計発行部数は、2019年11月時点で2500万部を突破。2019年12月4日発売の第18巻は初版100万部を超える勢いで、これは2013年の「黒子のバスケ」と「暗殺教室」以来の快挙。また『オリコン年間コミックランキング 2019「作品別」』では、期間内の売上が1,205.8万部を記録し第1位となりました。
参考:【年間本ランキング】アニメ人気で売り切れ続出『鬼滅の刃』が初の年間1位
では、この『鬼滅の刃』は、*いつ、どのようにして、*このような大ヒットとなったのでしょう?
今回はGoogleの検索ボリュームをもとに、ヒットの要因を探ります。
ONE PIECE(ワンピース)との比較
まず、同じく『週刊少年ジャンプ』の看板作品であり、12月発売の95巻をもって全世界累計発行部数が4億6000万部を突破すると言われる『ONE PIECE(ワンピース)』と比較し、『鬼滅の刃』がどれだけヒットしているのかを探ってみます。
鬼滅の刃とONE PIECEの発行部数と売上
『ONE PIECE』のコミックスの2019年年間累計売り上げは、推定1270万部*で、同年の国内コミックスで1位を記録。『鬼滅の刃』は、コミックスの同年年間累計売り上げが推定1080万部で、『ONE PIECE』に続く2位を記録したことは、近年のコミックス業界では異例の快挙と言えます。
※2018年11月19日~2019年11月17日に集計、集英社調べ
参考:鬼滅の刃:今、最も勢いのあるマンガ 人気の理由 世界感、命のやりとりをリアルに描く
どちらも初版300万部の発行部数を達成
2020年の7月に発売された『鬼滅の刃 21巻』は、初版の発行部数が300万部(特装版含む)となりました。この記録は、『ONE PIECE』が57巻以降達成している、国内出版史上最高の数値です。
ONE PIECEはこの数値を10年以上にも渡って達成していることを考えると、まさに圧巻の人気。しかし、鬼滅の刃はわずか21巻にしてこの記録に並んだことになり、どちらも異例の人気作だと言えるでしょう。
参考:『鬼滅の刃』コミックス21巻発売 初版300万部、累計8000万部突破 “ONE PIECE級”の大台(オリコン) - Yahoo!ニュース
鬼滅の刃とONE PIECEの検索ボリュームの推移
▲『鬼滅の刃(青線)』と『ワンピース(赤線)』の検索ボリュームの変化
Googleトレンドに見る検索ボリュームからも、『鬼滅の刃』の急激な人気上昇が見て取れます。直近の1ヶ月ではONE PIECEを凌ぐ検索ボリュームがあることがわかります。
なお、『ワンピース』に関する検索数は通年を通して大きいですが、この検索の中には、ワンピースのIPを使ったゲームやCM放送に関連するものが多いです。今後、IPヒットにともないゲームやグッズ、その他コラボによって『鬼滅の刃』の検索ボリュームがさらに上昇・維持する可能性は大いにあります。
時系列で探る『鬼滅の刃(きめつのやいば)』大ヒットの理由
ここで、検索ボリュームの推移と『鬼滅の刃』の2019年の動きをみていきましょう。
アニメ放送をきっかけに検索数が上昇
漫画連載が開始されたのが2016年2月15日。この時点では大きな検索数上昇はみられません。
検索ボリュームが急増したのが2019年4月。ここでの人気爆発の要因となったのが、2019年4月から放送されたテレビアニメです。制作したのは、「空の境界」や「Fate」シリーズなどを手掛ける映像制作会社ユーフォーテーブル有限会社(ufotable)。
演出や作画に定評のあるufotableが手掛けた『鬼滅の刃』は、特に戦闘シーンの躍動感や世界観の演出への評価が非常に高く、“神作画”と話題に。美しい映像描写も一役買い、少年漫画ジャンルではあるものの女性ファンが多いのも特徴です。
また、テレビアニメの主題歌『紅蓮華』を歌うLiSAの存在も大きく、人気アニメのタイアップ曲の多いLiSAのファンが本作品の人気を後押ししたとも考えられます。
主題歌の『紅蓮華』は、2019年10月に「Newtype×マチ★アソビ アニメアワード2018 - 2019 主題歌賞」を受賞し、また中国最大のソーシャルメディア「WEIBO(微博)」で活躍する著名な日本人を表彰する『WEIBO Account Festival in Japan 2019』では、アニソンロックシンガー賞にLiSAが選出されていて、今後日本国外のファンも増えそうです。なお、LiSAは2019年の『第70回NHK紅白歌合戦』にも出場。歌の背景としても『鬼滅の刃』の映像が使用され、さらに作品への注目が集まりました。
人気をさらに加速させた「インフルエンサーの発信」
テレビ番組に関連して、『鬼滅の刃』ファンの芸能人による発信も注目したいところ。原作連載開始当初からのファンだと語る椿鬼奴さんの、何気ない鬼滅の刃アピールもファン心をくすぐっています。
複数のテレビ番組にて、登場した椿鬼奴さんのピアスが主人公・竈門炭治郎のつける花札の耳飾りにそっくりと話題に。後日、椿鬼奴さんご本人がInstagramで「炭治郎とお揃い」と公表しました。
以降も『鬼滅の刃』ファンとしてたびたび作品の魅力を発信しています。
本作品は2020年1月に、舞台上映も決定しています。それに合わせて、11月25日からJR池袋駅にて広告ポスターを掲出。12月9日からは渋谷駅前のシブヤテレビジョンにて舞台公演CMが放映され、作品ファンがSNSで発信する姿もみられています。
【広告掲出情報】
— 舞台「鬼滅の刃」公式 (@kimetsu_stage) November 25, 2019
本日11/25(月)〜12/1(日)までJR池袋駅オレンジロードに広告ポスターを掲出中です!お近くにお立ち寄りの際はチェックしてくださいね!#舞台鬼滅の刃 pic.twitter.com/EutyHgNbib
『鬼滅の刃(きめつのやいば)』人気爆発のカギはどれだった?
検索ボリュームを時系列で見るとわかるように、2019年のコミックスの販売売上が急増し多くのファンを獲得した要因は、やはりテレビアニメ化の影響が非常に大きいと考えられます。
テレビアニメがここまで広く認知された裏には、地上波だけでなくVODでも同時並行で配信されたことも大きいです。『鬼滅の刃』は4月のTOKYO MXでのアニメ放送開始に合わせてAbemaTVやdTV、Amazon Prime Video、FOD、GYAO! ニコニコチャンネル、Huluなど多くのインターネット動画配信サービスで配信されました。
地上波最終回では、テレビシリーズに続く劇場版として、2020年内での『「鬼滅の刃」無限列車編』の公開を発表。検索ボリュームもさらに上昇しました。
連載終了後も注目され続ける『鬼滅の刃(きめつのやいば)』
大ヒット作品へと成長した『鬼滅の刃』ですが、5月18日発売の「週刊少年ジャンプ24号」で最終回を迎え、約4年3ヶ月の連載が終了しました。人気が出ると長期連載化する作品が多い中、人気が爆発している最中に幕を下ろしたことに驚いた読者も多かったことでしょう。
▲『鬼滅の刃』と『ワンピース(赤線)』の検索ボリュームの変化
上記は、連載終了後を含めた期間(2019年8月〜2020年8月上旬)で、『鬼滅の刃』と『ONE PIECE(ワンピース)』の検索ボリュームを比較したものです。5月18日に連載が終了してからも、以前と『鬼滅の刃』に高い注目が集まっていることがわかります。2020年10月には映画の上映も控えており、今後も『鬼滅の刃』の人気はまだまだ続いていくと予測できます。
多メディアの活用により大ヒットに
『鬼滅の刃』がヒットした要因として、作品の世界観やキャラクターの魅力、作家の言葉選びの巧みさなど作品のクオリティが非常に高かったことは言うまでもありません。
その一方で、早期のVOD配信により、テレビアニメ放送だけでは取り込めなかった層のファンを獲得したことも大きいでしょう。ブルーレイディスクやグッズ販売も非常に好調で、来年にかけても話題の絶えない『鬼滅の刃』、今後さらなるヒットの記録を塗り替えるかもしれません。
単一の出面ではなく、マスメディアやWebメディア、SNS、交通広告等を活用した多面的なアプローチがこの大ヒットの裏側にあると言えるでしょう。
ヒットの裏側をもっと知る
8年連載に幕を下ろす『ハイキュー!!』に魅了される人が多い理由とは?
人気コミック雑誌「少年ジャンプ」誌上で連載されているスポーツ漫画「ハイキュー!!」。このたび、2020年7月20日発売の同誌上で8年の連載に幕を下ろし、世間の大きな関心が集まっています。この記事では、人々が「ハイキュー!!」に魅了される理由は一体何なのか、そのヒットの背景をWeb上での検索動向や、コンテンツマーケティングの観点から読み解きます。
King Gnuはなぜ売れた?ブームを巻き起こした「非常識」な戦略
「突如として現れた、音・ビジュアル共に圧倒的オリジナルセンスと完成度を誇るトーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルバンド」と呼ばれるKing Gnu。2019年のブレイクは凄まじく、YouTubeの楽曲は1億再生を突破し、紅白初出場も果たしました。東京藝術大学出身の常田大希さんが前身となる「Srv.Vinci」を2015年に立ち上げ、メンバーチェンジを経て、現在の常田大希さん、勢喜遊さん、新井和輝さん、井口理さんの4名体制になり、2017年4月にバンド名をKing Gnuに改名。それからわずか2年ほどで日本のトップバンドへと上り詰めた理由は何でしょうか?
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
- ソーシャルメディア
- ソーシャルメディアとは、インターネット上で不特定多数の人がコミュニケーションを取ることで、情報の共有や情報の拡散が生まれる媒体のことです。FacebookやTwitterなどのほか、ホームページ上の掲示板もこれにあたります。
- シェア
- シェアとは、インターネット上で自分が見つけて気に入ったホームページやブログ、あるいは、Facebookなど自分自身が会員登録しているSNSで自分以外の友達が投稿した写真、動画、リンクなどのコンテンツを自分の友達にも共有して広めたいという目的をもって、SNSで自分自身の投稿としてコンテンツを引用し、拡散していくことをいいます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
おすすめ記事
おすすめエントリー
同じカテゴリから記事を探す
カテゴリから記事をさがす
●Webマーケティング手法
- SEO(検索エンジン最適化)
- Web広告・広告効果測定
- SNSマーケティング
- 動画マーケティング
- メールマーケティング
- コンテンツマーケティング
- BtoBマーケティング
- リサーチ・市場調査
- 広報・PR
- アフィリエイト広告・ASP
●ステップ
●ツール・素材
- CMS・サイト制作
- フォーム作成
- LP制作・LPO
- ABテスト・EFO・CRO
- Web接客・チャットボット
- 動画・映像制作
- アクセス解析
- マーケティングオートメーション(MA)
- メールマーケティング
- データ分析・BI
- CRM(顧客管理)
- SFA(商談管理)
- Web会議
- 営業支援
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング
- フォント
- 素材サイト
●目的・施策
- Google広告
- Facebook広告
- Twitter広告
- Instagram広告
- LINE運用
- LINE広告
- YouTube運用
- YouTube広告
- TikTok広告
- テレビCM
- サイト制作・サイトリニューアル
- LP制作・LPO
- UI
- UX
- オウンドメディア運営
- 記事制作・ライティング
- コピーライティング
- ホワイトペーパー制作
- デザイン
- セミナー・展示会
- 動画・映像制作
- データ分析・BI
- EC・通販・ネットショップ
- 口コミ分析・ソーシャルリスニング