2018年から動画ブームが到来し、動画プラットフォームであるYouTubeが盛り上がりを見せています。

最近では、YouTuberが増えていく中で「VTuber(ブイチューバー)」と呼ばれる人たちも注目され始めました。今回はVTuberとは何か?その特徴や活躍、有名なVTuberなどを紹介します。

VTuber(ブイチューバー)とは?

「VTuber」とは、「Virtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)」のことを指します。

YouTuberは、自身がカメラの前に立って動画を撮影したり、顔出しをしない場合でもカメラを構えて周りの様子を撮るという撮影スタイルが多く、また、アニメや漫画を制作しそれを投稿するスタイルも流行しました。

VTuberの場合、仮想キャラクターが本物の人間のように喋ったり、動いたりするのが特徴です。特に、美少女の容姿をしたキャラクターが人気で、仮想上の3DCGキャラクターではありますが、声は人間が吹き替えることがほとんどです。

仮想キャラクターが動く仕組み

仮想キャラクターは、イラストレーターに制作をお願いする場合もあれば、自分でデザインする場合もあります。しかし、そのキャラクターが動かなければ意味がありません。

そこで、仮想キャラクターを動かすために、モーションキャプチャの技術を活用します。生身の人間である演者(いわゆる「中の人」)の腕や足、頭などに装置を取り付け、演者の動きをそのまま仮想キャラクターに反映させて動かすのです。

この技術は、ゲームや映画などの制作ですでに活用されているので、目新しいものではありません。しかし、YouTubeにこの技術が取り入れられたことで、新たな価値を生み出したのです。

参考:モーションキャプチャーとは??モーションキャプチャーの原理|アーカイブティップス株式会社

VTuber(ブイチューバー)が提供するコンテンツはどんなもの?

では、VTuberと従来のYouTuberが提供するコンテンツには違いがあるのでしょうか?

アニメとの違い

仮想キャラクターを制作し映像の中で動かすなら、アニメを作るという手段もあります。しかし、アニメは少しずつ違った絵を繋げて、まるでパラパラ漫画のように動きを出す2Dの仕組みを活用しています。つまり、事前に制作した通りにしか動きません。

一方VTuberは、仮想キャラクターの中に必ず「中の人」がいます。人間の動きを3DCGに反映することで、見た目はアニメキャラクターのようであっても、リアルな動きを表現できます。

エンタメ色の強いネタ動画

VTuberが提供しているコンテンツは、次のようなネタ動画が多いです。

・歌ってみた
・〇〇やってみた
・ゲーム実況
・雑談配信              など

動画の中は、まるでそのVTuberの部屋のように演出されており、その中で動き回りながら、それぞれのエンターテインメントを提供しています。

同じ内容を生身の人間が画面に映って披露するだけでは、VTuberほどヒットしないでしょう。すでにYouTuberの先駆者たちがやり尽くしたネタであればなおさら、有名YouTuberの方に視聴者が流れます。

しかしVTuberは、人間のYouTuberにはない要素を持っています。仮想キャラクターの容姿の良さや、顔出しをしないゆえの大胆さ、モーションキャプチャによる違和感のないリアルな動き、など個性を出しやすいからこそ、見たことのあるような動画のネタであっても、新鮮で面白いと取り上げられるのです。

VTuber(ブイチューバー)としての仕事

人気のVTuberは、事務所契約をしていることが多いです。そのため、企業と連携した商品紹介や、イベントの盛り上げ役などのコンテンツも提供しています。

また、より多くのファンを獲得するために、TwitterなどのSNSの運用や、17ライブなどライブ配信サービスの活用など、複数サービスを利用していることもあります。

VTuber(ブイチューバー)の活躍が広まっている

チャンネル登録者数は150万人を超え、海外ファンもいるほど人気の有名VTuberも出てきています。

人気ゆえに、グッズ販売やテレビ出演、コンサート、CDデビュー、写真集の出版、さらには自分のテレビ番組を持ったりなど、タレントやアイドルのような活動をするVTuberもいます。

YouTube、ひいてはインターネットの域を超えて活躍することで、ファンに身近な存在だと感じてもらう。「会えるバーチャルアイドル」として、どんどん活躍の幅を広げているんです。

有名VTuber(ブイチューバー)3選

では、実際にどんなVTuberがいるのでしょうか?

キズナアイ

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参考:A.I.Channel|YouTube

最も有名なVTuberといえば、キズナアイ。チャンネル登録者数は250万人を超え、雑談からゲーム実況などのコンテンツを投稿しています。テレビへの出演経験もあるほど。

ゲーム用チャンネルは「A.I.Games」、中国語のチャンネルは「A.I.Channel China」と分けており、多言語の字幕をつけて海外ファンにも上手くアプローチしています。

輝夜月(カグヤルナ)

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参考:Kaguya Luna Official|YouTube

特徴的な声と面白いネタ動画で人気のVTuber、輝夜月。コンサートの開催やCDの販売なども行っており、YouTubeの域を超えて活躍することも多いです。

普通の雑談動画も多いですが、ただ話すだけでなく、声とモーションを使ったパフォーマンスでどの動画もクスッと笑ってしまうような動画になっています。

ミライアカリ

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参考:Mirai Akari Project|YouTube

輝くような金髪と衣装は、まるで一時期大ブレイクした「ボーカロイド」を思わせるミライアカリ。「記憶喪失」というキャラクター設定も徹底しているのが特徴です。

大衆ウケしやすいアニメ声でオリジナルソングを歌ったり、ゲーム実況をしたり、他のVTuberと積極的にコラボしたりなど、様々なコンテンツを提供しています。

VTuber(ブイチューバー)の今後の動向に注目

仮想キャラクターに魂を吹き込まれた、VTuber。現在もVTuber人口やチャンネル登録者数は増加傾向にあり、まだまだ人気は続きそうです。

主にYouTubeを活動の場としていますが、人気者になるほどYouTubeという枠を飛び出し、アイドルやタレントのようなリアルの活動もしています。これからYouTuberを目指す人でも、顔出しをしないという点において、VTuberはスタートのハードルが低いのかもしれません。

ますます活動の幅が広がっていきそうなVTuberの活躍を、今後も見守っていきましょう。

YouTubeを活用したマーケティング

話題のインフルエンサー・マーケティング YouTubeの活用方法とは?初心者でも分かる成功の秘訣

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その昔、文字は情報を伝える手段であり、瓦版がメディアとしてパワーを持っていました。それが今、情報はインターネットにより発信され、その手段は動画や写真など多岐にわたる時代に進化を遂げました。 特に若年層のメディア接触はインターネットが大半を占めており、これまでのマスを軸としたマーケティング戦略からパラダイムシフトを受け入れざるを得ない状況と言えるでしょう。事実テレビCMの出稿費は下がっており、東京オリンピックを境に全体金額の5割を下回ると噂されています。