ライター歴20年の人から聞いたインタビューする際にやってはいけない5つのこと
雑誌やネット上には芸能人やアーティストら著名人のインタビュー記事が多く掲載されていますが、興味のある有名人の記事を読んでも、なんだか納得がいかなかったり、読み終えても不完全燃焼だったりすること、ありませんか?
インタビューで魅力ある言葉を引き出せるかは、インタビュアーにとって大きな醍醐味であり、実力が試されるところです。
しかし、読者の立場に立った上で相手の心に訴えなければ、せっかく手にしたインタビューの機会を100%活かすことはできません。
そこで、そんな失敗をしてしまうことのないよう、ついついインタビュアーがやってしまうこと、これをやってしまってはいい言葉を引き出せない、というポイントを5つ、ライター歴20年の方からお聞きしたのでご紹介します。
【やってはいけないこと1】事前に相手を知り過ぎる
取材対象となる方の基本的な情報を事前に頭に入れておくことは当然ですが、必要以上に情報を頭に詰め込んでしまうと、取材の本質を見失ってしまいます。
概論は抑えつつ、各論まで掘り下げないぐらいの準備をしましょう。
インタビュアーに課せられる使命は、読者に代わって、取材対象者の声を拾い上げることです。
「私は知ってるんだけどね」というスタンスでは、読者が本当に知りたい情報にはたどり着けません。場合によっては、
「そんなことも知らずに取材に来たのか」
という顔をされることもありますが、そんな場合にも「不勉強ですみません」という立ち位置で聞くことが大切です。
【やってはいけないこと2】録音機器に頼る
会話を一字一句メモに取るのは、余程の速記の達人でもなければ不可能です。
そんな時、ICレコーダーは大きな力を発揮します。
メモに注力しないぶん、会話と質問に集中できることは、録音の大きなメリットでもあります。
しかし、「後で聞き直せるから」といって油断してはいけません。
インタビューはライブです。その場の雰囲気を作るのはインタビュアーの役割であり、その臨場感をどれだけ原稿に封じ込めるかが腕のみせどころです。
乱筆でもいいから、できるだけメモを取りながら取材を進めること、そして、取材から時間を置かず、取材の時の熱が冷めないうちに、できれば最初は録音に頼らず原稿を形にすることをオススメします。
どうしても確認したい部分については、録音でチェックしましょう。
そうすれば、文字起こしの憂鬱さも解決し一石二鳥です。
【やってはいけないこと3】会話で沈黙を埋めすぎる
質問に詰まってしまうことは、インタビュアーにとってひとつの窮地です。
しかし、会話の間延びを嫌って相手に無意味な質問をぶつけてはいけません。
無意味な質問で中身のない答えを得るよりも、相手に考える時間を与えるぐらいの余裕が必要です。
会話に空白が生まれることで、これまでどんな記事でも目にしたことのない意外な名言が引き出せることもあります。
【やってはいけないこと4】誘導尋問
取材対象者がインタビュー慣れしている方の場合はいいのですが、しゃべることに慣れていない方の場合、なかなか答えを頂けなかったり、思ってもいない方向に話が逸れてしまうことがあります。
極端に言えば、「イエス」を「ノー」と言ってしまうようなことも、決して無いとは言えません。
しかし、そうした原因の多くは、実はインタビュアー側にあります。
「○○なんですよね?」「○○だと思うんですが」
といった質問をつい投げかけてしまうことがありますが、いい質問だとは言えません。
無意識にインタビュアーの意見や思考を押し付けてしまう可能性を含んでいるからです。
対象者がインタビューに慣れていないケースであればあるほど、相手に考えさせる時間を作る勇気が必要です。
【やってはいけないこと5】「あなたにとって○○とは?」という質問
TVのインタビューなどでよく耳にする質問です。例えばミュージシャンに対して
「あなたにとって音楽とは?」
と聞くような質問です。
インタビュアーにとってはキメの一言を頂くためのとっておきの質問のように思われるかもしれません。
しかし、もし自分が取材される側の立場で、同じことを聞かれたと想像して下さい。
即座にドラマチックな答えを口にすることができることができる人は、そうはいないでしょう。
「あなたにとって○○とは?」という質問は、周到に答えが用意された場面でなければ、まったく機能しません。
つまり、TVやラジオのように、今日はこういう質問をしますよ、と事前に打合せができている時ではなければ成立しない場合がほとんどです。
先程も言いましたが、インタビューはライブです。
「あなたにとって○○とは?」の答えを知りたいのなら、30分なり1時間なりの取材の中でいくつも頂いた言葉の中から、それを浮かび上がらせるのが、インタビュアーの一番の仕事です。
与えられた時間の中でその答えを導き出せなかったとしたら、それはインタビュアーの力量不足です。
【番外編】編集者や版元がやってしまいがちなミス
インタビューの場はたいてい、そのインタビューを記事にするメディアの担当者、あるいは取材対象者側のスタッフが同席して進められますが、取材当日に至る過程の中で、取材対象者側と編集者の間では周知の話が、インタビュアーにまで伝わっていないことが間々あります。
それに対してインタビュアーが質問した際に、編集者が横から割ってきて「それはですね」と話し始めることがありますが、インタビュアーからすれば、本人の言葉で聞きたい!というのが本音です。
編集の立場として、伝えていなかったことに負い目を感じるのでしょうが、一度取材が始まったらすべてをインタビュアーに委ねるつもりで、同席をお願いしたいところです。
まとめ
ネットがなかった時代は、なけなしの情報をかき集めて、なんとか取材の体裁を整えるということもありました。
例えば、取材を行うビルの1階で編集者と待ち合わせて、5階にある取材用の部屋に上がるまでのエレベーターの中、わずか数秒間だけ資料に目を通して取材に臨んだりと、かつての取材は綱渡りでした。
今は情報があふれる時代です。逆に、有り余る情報から正確で有効なものを選り分け、全読者を代表して話を聞いているんだ、という誇りをもって臨むことが必要です。
それが、限られたインタビュー時間を密度の濃いものにするためには大切なことです。
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