新型コロナウイルス蔓延防止によりリモートワークが推進され、さまざまな企業がリモートワークを導入するようになりました。しかしながら社員同士のコミュニケーションや労務管理など、課題点もあります。そんななかメンバー数700人全員がリモートワークを実践している企業、株式会社キャスター 代表取締役 中川祥太氏にキャスター設立に至る経緯からリモートワークをする上での心得について伺いました。

プロフィール

中川祥太氏
株式会社キャスター 代表取締役
ネット広告代理店のオプト社に入社し、社内ベンチャーのソウルドアウト社への出向を経て、2012年に退職し帰阪。 イー・ガーディアン社の大阪営業所立ち上げに従事。同社では主にソーシャルメディア関連事業を担当。ソーシャルリスクの専門家として、各種テレビメディアへの出演、連載を持つ。その後新設された事業企画部立ち上げの過程でクラウドソーシングと出会う。日本の市場におけるオンラインワーカーの発展途上な環境にもどかしさを覚え、28歳で起業を決意。 2014年9月に株式会社キャスターを創業。創業時よりフルリモートワークで組織を運営し、現在700名以上のリモートワーカーが在籍している。

キャスター設立の経緯

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ferret:株式会社キャスターを設立するに至った経緯を教えてください。

中川氏:前職で所属していた会社がアウトソーシング事業がメインで、全国で人を雇っていたんです。しかし2012年頃から人口減少で地方での採用が難しくなってきました。クラウドソーシングで働いている人たちの中には、リモートワークを望む人が多かったんです。それと、リモートワークはクラウドソーシングで依頼された仕事をする人が多かったんですが、時間給に換算すると100円になるほど低賃金でした。これはどうにかしなきゃいけないと思いました。

また、旦那さんの転勤などで地方に行くことになって、都市部でバリバリ働いていた奥さんが望むような仕事がないということも課題として捉えていました。それで2014年にリモートワークをしたい人たちを集めて仕事ができるようにしたいと思い、キャスターを設立したんです。

最初に当たった壁は“疑心暗鬼”

ferret:全社員をリモートワークで雇用する上でぶつかった壁はありましたか?

中川氏:組織を大きくしていく上でぶつかった大きな壁は、結論から言うとありませんね。あえて言うなら、最初にぶつかった壁は疑心暗鬼です。社員が今日出勤していて仕事を本当にしているかも分からないですし、当時は仕組みもなくある程度社員たちに任せていたので、手を抜いて仕事をしているんじゃないかという考えが頭をよぎったことはありますね。

そうなると、社員にマイクロマネジメントを強いてしまいました。マイクロマネジメントを行った結果、働く側も「信用されていないんじゃないか……」となるのでお互いの信頼感が薄れてしまいます。そのため、始業前に挨拶するとか、実際に行った業務をスプレッドシートに記入してもらうと、きちんとみんなが仕事をしていることが分かりました。今は始業前に「おはようございます○時〜○時(働く時間)よろしくお願いします」という挨拶をチャットで行うようにしています。

ferret:リモートワークだとサボる人が出てくるとよく言われますがどうお考えですか?

中川氏:実際にオフィスでも他の人がどんな業務をやっているか細かく見ていないじゃないですか。だからサボる人はリモートでなくてもサボっていると思います。