マーケティング業務において、法律面の知識が求められる場面が増えています。しかし、詳細については理解が追いついていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「不当景品類及び不当表示防止法景品表示法、景表法)」について、法律の専門家の視点で押さえておくべきポイントを解説します。消費者庁表示対策課への出向経験を持つ法律事務所ZeLo・外国法共同事業の伊藤 敬之弁護士に伺いました。

プロフィール

伊藤 敬之弁護士
法律事務所ZeLo・外国法共同事業 弁護士(第二東京弁護士会所属)
2011年京都大学法学部卒業、2013年京都大学法科大学院修了、同年司法試験合格。2014年弁護士登録(大阪弁護士会)。2015年弁護士法人色川法律事務所入所。2020年消費者庁表示対策課出向。2022年4月法律事務所ZeLo参画。主な取扱分野は、表示規制、M&A、パブリック・アフェアーズ、ジェネラル・コーポレート、事業再生/倒産、訴訟/紛争解決、データ保護、危機管理、人事労務など。

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マーケティング業務において必要な法律知識を、専門家の視点で解説します

ferret :
マーケターが、広告・LP制作・メルマガ配信などをする際に、景表法違反になっていないかは気を付けたい点です。押さえておくべきポイントを教えていただけますか。

伊藤弁護士:
景表法の規制内容は、大きく「表示規制」と「景品規制」に分かれます。今回は表示規制についてお話しします。

景品表示法の概要

出典:事例でわかる景品表示法(消費者庁)

不当表示には、「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の2つがあります。

  • 優良誤認表示:商品やサービスについて、著しく優良であると誤認される表示
  • 有利誤認表示:価格を安くみせかけるなど取引条件を著しく有利にみせかける表示

どちらも、表示している内容と事実の間に著しい齟齬があった場合に違反になります。一番大事なことは、商品の内容についても、価格についても、事実をねじ曲げずに伝えることです。