リベンジ消費って?アフター・コロナで「爆買い」される商品・サービス予測
新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着くにつれて、中国では新しい買い物パターン「リベンジ消費」が生まれ、さまざまな商品の売り上げが大幅にアップしました。生活者が爆買いをするリベンジ消費は、中国だけでなく韓国でも起きています。
そこで今回は、これから日本でも起きる可能性のあるリベンジ消費の基本知識を解説。実際に中国で起きたリベンジ消費の事例を踏まえ、リベンジ消費されるであろう商品・サービスを予測します。
リベンジ消費とは
リベンジ消費とは、コロナ・ショックにより外出を制限され、不要不急の買い物を我慢してきた人々の購買意欲が爆発的に高まること。これまで我慢してきた反動で、爆買いしたくなる人は少なくないでしょう。
このリベンジ消費は、中国で生まれた消費行動です。買い物の大チャンスである春節の期間、自宅で過ごしていた中国の人々は、まず生活必需品や食品の買い溜めを行いました。中国国家統計局発表のデータによると、2020年1、2月分において、売上は前年同月比で食品が10%増、飲料は3%増。反対にレストランや車、家具などは軒並み売り上げが大きく下がっています。
新型コロナウイルスが猛威をふるい、しばらくは買い物を控えていましたが、感染拡大が少し落ち着いてきた3月頃より、リベンジ消費が見られるようになりました。3月8日は中国のネット商戦期「女王祭」で、大型のセールが開催されます。「天猫(Tモール)」の売り上げは前年同期比で倍増、「淘宝(タオバオ)」のライブ配信での売り上げは264%増になったとのこと。5月1日~5日の「メーデー連休」には、5日間の取引総額が1兆5,700億元になり、4月の週末と比べて16%増加しました。
このように、外出自粛明けはリベンジ消費による売上増が期待されています。
リベンジ消費されやすい商品・サービスとは
それでは、リベンジ消費されやすい商品・サービスは何でしょうか。実際に中国で起きているリベンジ消費の実例を踏まえながら、需要増が見込まれる商品・サービスについて予測します。
ファッション
緊急事態宣言に合わせて多くの商業施設などが休業になり、リアル店舗で洋服を買うことが難しくなりました。年々、ECサイト利用者は増えていますが、試着ができないというデメリットがあり、全てをオンライン購入に繋げることはできません。先行き不透明な状況を不安視して、買い控えをしていた人も少なくありませんでした。
緊急事態宣言が解除されだんだんと外出しやすくなるにつれて、洋服などファッションに気を遣う人が増え、今まで我慢していた購買欲求も掛け合わさり、大幅な売上増に繋がるのではないでしょうか。
化粧品・美容グッズ
スキンケアなどの化粧品や美容グッズも、中国のリベンジ消費が顕著に現れたカテゴリーです。外出自粛中は人に会う機会が減るため、美容へのモチベーションが維持しにくくなります。しかしながら、しばらく家にこもる生活を続けて体重が増加した人は多いでしょう。
また、外に出て人に会う生活を再開すれば、今までよりも外見が気になります。肌の露出が増える夏を迎えることもあり、スキンケアや美容にお金を使う人が増えると思われます。ただし、コロナショックにより経済状況が不安定になったため、今までよりも単価が下がる可能性が高いです。高価格帯の商品よりも、リーズナブルでコストパフォーマンスが高い商品が人気になるのでは、という予測が出ています。価格帯を維持するにしても、何らかの「お得感」をアピールしたほうがいいでしょう。
レジャー
外出自粛明けに伸びるだろう、と言われているのがレジャーです。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、ありとあらゆる屋外イベントやアクティビティが中止になりました。人々が活動的になる春先に自粛期間が重なり、アウトドアを好む人は外出したい気持ちを長く抑え込んでいた状態です。その反動で、レジャー系サービスには大きな揺り戻しが起き、人気が集まると予測されています。海外旅行よりも国内旅行のニーズが高まりそうです。
とはいえ予断を許さない状況なので、感染予防の取り組みが求められます。アルコールを設置したり、こまめな消毒を行ったりと安全面の配慮を行い、周知徹底を行いましょう。
宿泊施設
中国の検索サイト「百度(バイドゥ)」によれば、中国における5月初旬の連休の旅行者数は、4月の連休と比較して約50%も増加したとのこと。実際に中国におけるホテルの消費件数は増えており、リベンジ消費の典型と言えるでしょう。レジャー同様に、新型コロナウイルスの拡大により旅行を控える人が急増し、多くの人が旅行を我慢している状況が続いていましたから、今後状況が落ち着くにつれて宿泊施設の利用者も見込めるのではないでしょうか。
宿泊施設でも感染予防の取り組みが欠かせません。実際に営業を再開している宿泊施設では、宿泊できる部屋数を少なくして宿泊者の部屋が隣り合わないようにするなど、さまざまな取り組みを実施しています。
スポーツ・ヘルスケア
中国では5月の連休におけるスポーツウェア店の消費件数が、4月の連休と比較して20%以上増加しました。自粛期間は自由に外に出かけられず、スポーツジムなども休業しているため健康面でのケアが難しい状況でした。「運動したい」と考える人は多く、直近数ヶ月でフィットネス系のインフルエンサーのSNSに人気が集まり、フォロワー数を一気に伸ばしたインフルエンサーもいます。
新型コロナウイルスの拡大により、健康管理の重要性を再確認した人は少なくありません。これから健康志向の人がさらに増え「この機会に」とスポーツ・ヘルスケア商品に手を伸ばす人が増加し、リベンジ消費に繋がるでしょう。
家電
家電は中国で特に消費件数が増加していて、リベンジ消費されています。不要不急のアイテムなので、不安感が強い感染拡大期には買い控えが起きていたと思われますが、自粛期間中は家で過ごす時間が増え、日々の暮らしを見直すきっかけになり、ライフスタイルのアップデートに向けて「こんな家電が欲しい」という購買欲求が生まれ、リベンジ消費に繋がったのでしょう。
家電は生活に密着したアイテムで、不要不急ではありますが生活必需品でもあり、コロナショックを経て財布の紐が硬くなった生活者でも、買う意味が感じられる商品です。特に自宅での時間を豊かにする家電は自粛期間に強く求められたアイテムですから、今までより人気が出やすくなるでしょう。
リベンジ消費は経済活性化のカギ
リベンジ消費はこれから日本でも起きるであろう消費行動です。リベンジ消費がコロナショックを吹き飛ばす起死回生の一手となるかもしれません。生活者の価値観の変化にもアンテナを張りながら、ニーズに合った商品・サービス・キャンペーンを展開するのが理想的です。
コロナによる経済的打撃は大きいものでしたが、こうした消費の揺り戻しを売上増に繋げていきましょう。
参考:リベンジ消費に備えていま小売店舗がすべきこと
「リベンジ消費」とは?中国発、コロナ抑圧からの"報復"的消費が爆発的拡大へ:収束見据えたインバウンド対策も解説
「消費行動」について知る
【2020年版】インスタ消費に巣ごもり消費… アフターコロナ時代に注目の消費行動
時代の変化に合わせて生まれた消費トレンドをいち早く察知して、現場での販売戦略や広報活動に活かすことはマーケターにとって必須です。2019年であれば「プレ増税消費」「サブスク消費」などという言葉が流行りましたよね。2020年は新型コロナウイルスの流行により、自宅で過ごす時間が増え、インターネット通販やSNSキャンペーンが活性化するなど消費トレンドの様相も大きく変化しています。アフターコロナに注目したい、2020年の消費トレンドについてまとめてチェックしてみましょう。
- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- キャンペーン
- キャンペーンとは、インターネット上のサイトにおいて、ファン数を増やし、購買行動を促すためにおこなう懸賞キャンペーンなどのマーケティング活動のことです。キャンペーンにはファン数を増やすだけでなく、ファン獲得以上のリアル店舗の来店者数を増やす、資料請求者を増やす、実際の購買を増やすなどの目的があります。
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