皆さんは、今までネットを通じて「アニメーション広告」を目にしたことはありますか?実写とは異なり、絵のタッチなどで世界観を出しやすいアニメーション広告。もしかしたら1つ、2つ、心に残っている広告があるのではないでしょうか?

では一体どんなアニメーション広告が、観るものの心を捉え、印象に残るものになるのか。マーケターや広報担当者なら知っておきたい、印象に残るアニメーション広告の特徴を紐解いてみましょう。 「これから当社サービスや商品をアニメーション広告で訴求したい……」と思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

話題を生むアニメーション広告の特徴とは?

アニメーション広告のメリットは、わかりやすさや世界観を表現しやすいこと、しっかりと作り込めば、感動が伝わりやすいことなどが挙げられます。

観るものを引き込むアニメーション広告は、テレビCMなら、放映されてもチャンネルを変えずそのまま見てもらえる可能性が高まります。また、動画サイトの広告として流れても、スキップせずに最後まで見られる割合も高くなるでしょう。

さらに、話題を作り出すことで、SNSなどでも広告がポジティブな意見とともに拡散することが期待されます。

こうした話題になるアニメーションに共通して言えるのが、「クオリティの高いアニメーション」「印象に残るストーリー」の2つです。過去に話題になったアニメーション事例を紐解きながら、見ていきましょう。

事例1:日清食品 カップヌードル HUNGRY DAYS

『ONE PIECE』や『魔女の宅急便』『ハイジ』『サザエさん』などの国民的人気作品とコラボした日清食品「カップヌードル HUNGRY DAYS」のCM。それぞれのアニメーションCMに登場するのは、ゾロ(ONE PIECE)やナミ(ONE PIECE)、キキ(魔女の宅急便)、ハイジ、サザエさんなどのアニメの登場人物たち。一様に17歳の高校生という設定です。

多数のファンがいる作品のパラレルワールドを描いた日清食品のCMは、賛否両論を巻き起こしましたが、印象に残る、という点では成功。また、CM総合研究所が毎月発表しているCM好感度ランキングでは、2019年6月度の1位を獲得しています。

参考:CM総研「2019年6月度 CM好感度 【新作1位】」

事例2:大成建設

著名なアニメーション映画監督・新海誠氏が手掛けていることでも話題となった、「大成建設」のアニメーション広告。記憶に残るストーリーと、丁寧に描かれた世界各国の風景描写などが特徴です。これまで、シンガポール編、スリランカ編、トルコ編、ベトナム編などを放映。

実際、大成建設の公式YouTubeチャンネルでは、2020年3月にアップされた「ミャンマー」編のアニメーション広告が、2020年7月7日時点で48万回近く再生されています。

また、2020年春の千葉科学大学入学試験でも、地理の問題に取り上げられました。

『地図に残る仕事。』というコーポレートキャッチコピーの世界をそのまま表現したかのように、世界各国で海峡トンネルや空港、高速道路、病院などを作る社員を主人公としたストーリーをはまるで映画の予告のようです。

事例3: Z会『クロスロード』

「Z会」の受験生応援ストーリー動画『クロスロード』も、大成建設のCMを手掛けた新海誠氏とのコラボレーション。受験を控えた高校生たちの受験勉強を頑張る日常を描いたストーリーのアニメーション広告です。

地上波では30秒CMを放映、また、Web上でさらに長い120秒CMを放映することで、テレビからWebへの誘導にも一役買っています。

参考:新海誠監督×Z会 クロスロード

事例4:マルコメ

味噌で有名な「マルコメ」のCM。絵のタッチは異なるものの、マルコメのCMもお味噌汁をめぐる心温まるストーリーをアニメーションで表現しています。登場人物は、介護が必要になった妻と夫、上京して一人暮らしを始めた新社会人、母1人・子1人で奮闘する親子、無口な職人の父親と国際結婚した娘、など。

どのストーリーも、家族の絆を味噌汁がつないでいく、という展開になっています。こちらも思わず最後まで見たくなる、感動的なストーリーが特徴です。

参考:マルコメ 料亭の味 液みそ 上京篇 90秒
YouTubeマルコメ公式チャンネル「料亭の味シリーズCM」