「アフターコロナ」を見据えたD2C戦略とは

とはいえ、SNSの活用拡大やECショッピングの利用増加などはコロナ流行前から続いていた現象です。D2Cビジネスも、コロナ流行前から様々なブランドが立ち上がって、盛り上がりを見せていたのは間違いようのない事実。

冷静に今の状況を見てみると、コロナ禍という状況が確かにブランドにとって追い風となっている一方で、この状況に頼っているだけではアフターコロナでも通用するD2Cブランドであり続けることは難しいかもしれません。コロナ禍の今こそ、アフターコロナを見据えて、どうブランド戦略を練っていくかが大切な視点です。

では、いったいどんな戦略でD2Cビジネスを展開していけば良いのでしょうか?キーワードを挙げながら、一緒に考えてみましょう。

キーワード1「顧客体験」

新しい商品を企画し、販売し、消費者のもとに届けるまで、全てが顧客体験と密接に関わっているのがD2Cビジネスの特徴です。

従来型のマーケティングであれば、売り場からの声や顧客アンケートなどを通じて消費者の声を把握。売れ行きなどもかけ合わせながら、次の企画や新商品開発をしていくのが一般的でした。顧客にとってこうした従来型マーケティングにおいて、「自分たちが関わっている」「私たちの声が反映されている」という意識を消費者に感じてもらうのは簡単ではありません。

一方で、D2Cビジネスは、SNSなどを通じて消費者の声を直接企業が収集でき、よりダイレクト活スピーディーに次の展開へと歩を進められます。消費者にとって、「自分ゴト化」できる商品は、他の商品と比べて思い入れも深くなり、より強固な固定客となってくれる可能性が広がります。

キーワード2「フラットなコミュニケーション」

もう一つ、D2Cビジネスにおいて大切なのが顧客(見込み客/潜在顧客を含む)とのコミュニケーションです。顧客体験の一部でもありますが、より重要となるファクターなので詳しくみてみましょう。

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画像出典:「PHOEBE BEAUTY UP」公式Instagram ストーリーズ

例えば、美容メディアとD2Cブランドコスメを展開する、株式会社DINETTEの運営する「PHOEBE BEAUTY UP」は、コスメのD2Cブランドとして有名です。「PHOEBE BEAUTY UP」では、Instagramのストーリーズ上で商品に関する質問などを募集。丁寧に答えていくことで、より親密な消費者とのコミュニケーションを図っています。

店頭で買い物をするのが難しくても、このように気軽に質問できる環境が整っていれば、消費者にとっても購入前に知りたいことを知れて安心です。新型コロナウイルス流行によって、不安要素となった店頭での接客販売に変わる手段として、D2Cビジネスの手法は多いに注目されているのです。

また、今回のコロナ流行は、これまでブランドとこうしたコミュニケーションをとってこなかった消費者が、今までになかったブランドとのコミュニケーションをとる方法を知るきっかけともなりました。店頭では「買わされるのでは……」と遠慮して、ショップスタッフになかなか質問しにくかった消費者にとって、手軽にSNS上でコミュニケーションをとりながら購入を検討できる仕組みは、便利なものとして受け入れられていくのではないでしょうか。