「Instagram」で広告を配信しようとして、予算をつけて出稿したものの、審査でNGになって配信ができなかった経験はありませんか?「Instagram」の広告審査でNGになるケースは、画像や動画のクリエイティブに原因がある例が多々あります。

そこで今回の記事では、企業のWeb担当者、SNS担当者に向けて、Instagram広告が配信できないケースにまつわる疑問を、具体的な事例とともに分かりやすく解説していきます。

Instagram広告には「テキスト20%ルール」がある!

[画像]Instagram広告のクリエイティブ事例

Instagramの広告審査は、Facebook広告の審査ガイドラインに準拠しています。その中で、*「テキスト20%ルール」*というレギュレーションが存在します。

[画像1]について
①=本文
②=広告画像(動画またはサムネイル
③=画像テキスト
をそれぞれ指していますが、
ここで「③=画像テキスト(動画またはサムネイル内に含まれるテキスト)」の量が多すぎると、広告審査でNGとなって配信ができなくなったり、リーチが低下する原因になったりしてしまいます。

ただし、「①=本文」は「20%ルール」の対象外です。

FacebookおよびInstagramの広告では、「一般ユーザーと出稿企業の双方に最大の価値をもたらすことを目指している」と明言されています。また、Facebook社は、自社の調査により「広告のパフォーマンスは、画像に占めるテキストの割合が20%未満のときに高くなる」と公表しています。

そのため、Facebookでは、FacebookおよびInstagramで配信される広告内で使用されている画像テキストの量を調査しています。
その中で、文字が多すぎる広告画像や広告動画は、低品質とみなされるのです。

「テキスト20%ルール」のOK例とNG例

テキストがほとんど(または、まったく)含まれない

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こちらの例はそれぞれ、「テキストがまったく画像に重なっていない」か、「ほんの少しだけ、センターや左肩にロゴやエンブレム程度のものを重ねている」という事例です。
こういったスタイルが、広告クリエイティブとして望ましいものとされています。

少量のテキスト

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画像の上に数行のテキストが重なっている事例です。
こういったタイプでは、広告のリーチがやや減少する可能性があります。
リーチを伸ばすためには、画像に重なるテキストを減らしたり、テキストのサイズを小さくしたりするか、テキストベースのロゴの使用をやめることを検討してみてください。

テキストが中程度

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画像の上に大きめの文字サイズで数行のテキストが重なっていたり、さらにはテキストベースのロゴも含まれていたりする場合です。こういったケースでは、広告リーチが大幅に低下する可能性があります。こちらも先述した「少量のテキスト」の場合と同様、対策としては、画像に重なる文字量を減らすか、文字サイズを小さくする、あるいは、テキストベースのロゴを外してみてください。

テキスト量が多い

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このように、大量のテキストが画像を覆い隠してしまっていると、「テキスト20%ルール」に抵触し、広告が配信されない可能性があります。画像に重なる文字量を減らすか、文字サイズを小さくする、テキストベースのロゴを外して出稿手続きを再度やり直す必要が出てきます。ただし、文字サイズを小さくして視認性が低下すると今度はその「視認性」の観点でNGになる場合も考えられるため、注意が必要です。

##「テキスト20%ルール」には本の表紙、イベントのポスターなど例外もある

ただし、この「テキスト20%ルール」には例外もあります。具体的には「本の表紙」「商品画像」「ゲーム画面」「イベントのポスター」など、情報としてもともとテキストが多く含まれている場合です。

本の表紙

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商品画像

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ゲーム画面

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イベントのポスター

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そのほか、公共サービスの広告についても、その広告が公共の利益に寄与するもので、販売、宣伝を意図した商品を含まない場合は、例外として認められることがあります。

チャート、グラフ、雑誌や新聞の紙面、映画やテレビ番組のポスターも例外と考えられます。

また、「利用規約」などの法的記述も例外とみなされます(※広告内の商品と認められるため)。

公式のテキスト量チェックツール「テキストオーバーレイツール」を活用しよう

この「テキスト20%ルール」に抵触してしまわないために、広告を出稿する前に画像内のテキスト量をチェックすることができるFacebook公式ツールが存在します。

それが「テキストオーバーレイツール」です。
https://www.facebook.com/ads/tools/text_overlay

[画像]Facebook公式「テキストオーバーレイツール」の操作画面
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広告出稿しようとしている画像をアップロードするだけで、画像内のテキスト量を評価してくれるというツールです。テキストを含む画像を出稿しようとする場合には、「テキスト20%ルール」への抵触を回避するためにぜひ、活用しましょう。

広告画像内のテキストが多くならないようにするためのアドバイス

画像内にテキストを入れる必要がある場合は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 文字数を減らす
  • テキストフォントサイズを小さくする(ただし、小さすぎて、読みにくくならないよう視認性に注意が必要)
  • テキストを、広告画像上に直接配置するのではなく、本文で伝えるようにする
  • テキストで画像全体を覆ってしまわないようにする

ストーリーズ広告は例外

この「テキスト20%ルール」は、ストーリーズには適用されません。よって、テキスト訴求したい場合には「ストーリーズ広告」での出稿がおすすめです。

参考・画像出典:ビジネスヘルプセンター|Facebook for business

テキスト20%ルールの他にも、クリエイティブが要因で広告審査NGとなってしまう例

故意に情報を隠している

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情報を故意に隠し、リンクをクリックしないとすべてのコンテンツを見られないようにした広告は審査段階で「低品質または邪魔なコンテンツ」と判断されやすく、広告出稿が却下される可能性が高くなります。いわゆる「クリックベイト(釣り)」に当たるもので、クリックを誘引するためにユーザーの興味をかき立て、故意にその先のページ内容を隠しているような見せ方が該当します。

扇情的表現

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*必要以上に大げさな見出しを付けたり、ユーザーの動揺を煽るような見出しを付け、クリックしてその先のページを開いたときに期待を裏切られたと感じさせるものを指します。*こちらも「クリックベイト(釣り)」に該当し、ユーザーの期待度を煽ってクリックを誘引するものの、その先のページの内容が広告クリエイティブと関連性が薄い、乏しいといった場合が該当します。こちらも広告審査の段階で「低品質また邪魔なコンテンツ」と判断された場合には、広告出稿が却下されます。

エンゲージメントベイト

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こちらも「釣り広告」と見なされる事例の一種です。「いいね!」「コメント」「シェア」を稼ぐために広告を通してユーザーに訴求するようなものは、ユーザーがコンテンツそのものに共感・賛同してエンゲージメントを行うことと本質的に異なるため、「スパム」扱いされる可能性が高くなります。こちらも、広告審査段階で「低品質または邪魔なコンテンツ」と判断された場合には広告出稿が却下されます。

参考・画像出典:広告の品質とパフォーマンスを高めるために避けるべき広告の特徴|Facebook for business

ユーザー視点を第一に考えてクリエイティブ制作をしよう

Instagram広告を出稿する際には、クリエイティブが原因で広告審査NGになるケースがいくつかあることを述べてきました。*総じて言えることは、「視認性は良いか」「釣りやスパムのようになっていないか」「誘導先のLPと広告クリエイティブの品質が合致しているか」など、とにかく「ユーザー視点で不快・邪魔・低品質な広告になっていないか」ということに尽きます。*自社の広告パフォーマンスを最大化し、より多くのユーザーにリーチして一人でも多くのファンを獲得するためには、「ユーザー視点」を第一に考えることが重要です。

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