自社のオウンドメディアやブログで記事を制作するとき、まず迷うのが執筆テーマではないでしょうか。大まかな方向性は決まっていたとしても、ユーザーが具体的にどのような内容に関心を持っているのか、悩んでしまう方も少なくないでしょう。

ユーザーの情報ニーズを調べる手がかりのひとつが、「サジェストキーワード」です。Googleなどの検索サービスでキーワードを入力した時、そのキーワードと一緒に検索される可能性が高いキーワード(サジェストキーワード)が自動的に表示されます。サジェストキーワードは、ユーザーのニーズ予測に役立ちます。

今回は、Googleのサジェスト機能を中心にサジェスト機能について解説し、サジェストキーワード抽出ツールを7つご紹介します。

サジェストとは

サジェストとは、「予測変換」を意味します。検索エンジンやネットショップなどの検索欄にキーワードを入力したとき、そのキーワードと関連性の高いキーワードが自動的に表示されることがあります。この機能を「サジェスト機能」といい、自動的に表示されるキーワードを「サジェストキーワード」といいます。

サジェスト機能はGoogleだけでなく、Yahoo!JAPANやBingなどの検索エンジン、Amazonや楽天市場などのネットショップ、YouTubeなどの動画サイトでも導入されています。

サジェストキーワード

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入力した「フェレット」というキーワードと一緒に表示されているのが、「サジェストキーワード」です。

Google(グーグル)独自のサジェスト機能

Google(グーグル)オートコンプリート

Googleのサジェスト機能は、「Googleオートコンプリート」といいます。Googleオートコンプリートは、ユーザーが検索キーワードを入力中にも、そのキーワード候補を表示します。例えば「フェ」と入力すると、「フェイスブック」「フェニックス」などの候補が表示されるように、キーワードの自動補完を行うのが特徴です。

検索で求められている答えも予測して表示

Googleオートコンプリートでは、ユーザーが検索で求めている答えも予測して表示します。

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3+5」と入力すると、サジェストに「8」と表示されます。

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千代田区 天気」と入力すると、サジェストに天気のマークと気温が表示されます。

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社名 株価」と入力すると、その企業の現時点の株価が表示されます。

Googleはユーザーが検索したいキーワードだけでなく、その検索の先に求めている情報まで予測して答えを表示しています。2012年に導入した「ナレッジグラフ」も含め、ユーザビリティを高めるための機能を積極的に取り入れているといえるでしょう。

画像検索では関連タグが出現

Google画像検索でも、サジェスト機能が導入されています。

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「フェレット」というキーワードで画像検索をすると、検索結果である画像の上に、「かわいい」「ベビー」「茶色」などのキーワードが並んでいます。これらのキーワードは「タグ」と呼ばれ、検索したいイメージに合ったタグを選択することで、更に希望に近い画像を表示させることができます。

サジェストキーワードの選定基準

Googleによると、サジェストキーワードの選定基準は大きく以下の3つが挙げられます。

1.検索ボリューム

検索ボリュームとは、そのキーワードがユーザーに検索された回数のことです。多くのユーザーに何度も検索されているほど、情報ニーズの高いキーワードであると判断します。

2.ユーザーの居住地・使用言語

検索するユーザーの居住地使用言語によってもサジェストキーワードは変わります。

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日本の東京で「ラーメン」と検索してみます。すると、サジェストには日本語で「ラーメン 東京」「ラーメン 新宿」などのキーワードが表示されます。このとき、キーワードが英語であったり、「ラーメン 福岡」と表示されたりする可能性は低いといえます。

3.ユーザーが直前に検索したキーワード

検索するユーザーが直前まで検索していたキーワードも、ユーザーが求めている情報である可能性が高いとしてサジェストに表示されやすくなります。これは、Google検索の特徴のひとつである「パーソナライズド検索」にもつながります。

Googleは、ユーザーにとって使いやすい検索エンジンを目指して日々アップデートを重ねています。そのため、サジェストキーワードの選定基準においても、よりパーソナライズ化されていくことが考えられます。

参考:
グーグルの「検索サジェスト」の仕組みとSEO的注目点 | Web担当者Forum
Googleオートコンプリートのサジェストキーワードが作られる要因 | 海外SEO情報ブログ

サジェスト汚染に注意

サジェスト汚染とは、サジェスト機能がネガティブなキーワードで埋まってしまうことです。例えばある企業名を検索したときに「ブラック」「著作権侵害」「詐欺」などというサジェストキーワードが表示されてしまうような状態を指します。

事実かそうでないかに関わらず、前述したように検索ボリュームなどが原因で汚染されてしまう場合があります。検索ユーザーの悪意がなくても、インターネット上での炎上の真相を確かめたい検索が増えることで汚染されることもあります。

サジェストキーワードの削除方法

事実と異なるサジェスト汚染が起きてしまった場合は、以下の2つの対処方法があります。

1.Googleにサジェストキーワードの削除申請を行う

下記参考URLから、Googleに対してサジェストキーワードの削除申請を行えます。ただ、Googleにとってはユーザーの「知る権利」に抵触する可能性もあるため、申請したからといって必ず削除されるとは限りません。

参考:
法律に基づく削除に関する他の問題を報告する|Google

2.誹謗中傷・風評対策業者に依頼する

事実と異なるサジェストキーワードは、風評被害につながりかねません。悪質であると判断した場合は、対策業者に依頼するのも一手でしょう。

サジェストキーワード抽出ツール7選

サジェストキーワードは、特定のキーワードを実際に検索欄に入力してみて知ることはできます。ただ、検索している本人の普段の検索傾向が反映されてしまう可能性もあり、また多くのキーワードを調べるには時間がかかってしまいます。

今回は、簡単にサジェストキーワードを抽出する7つのツールをご紹介します。

1.サジェストキーワード一括DLツール

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サジェストキーワード一括DLツール

サジェストキーワード一括DLツールは、サジェストキーワードを一度に確認できます。表示されたキーワードはCSV形式でダウンロードすることも可能です。サジェストキーワードは短期間で変わることもあるため、定期的に変化なども把握しておきたいときにデータとして蓄積しやすいため便利です。

同じシリーズで、「Yahoo!」「Bing」「Amazon」「YouTube」のサジェストキーワードも抽出できます。

参考:
ヤフーサジェスト キーワード一括DLツール
ビングサジェスト キーワード一括DLツール
ユーチューブサジェスト キーワード一括DLツール
アマゾンサジェスト キーワード一括DLツール

2.goodkeyword

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goodkeyword

goodkeywordは、抽出したキーワードをまとめてコピーでき、そのままテキストエディタやスプレッドシートに貼り付けることができます。「Googleトレンド」のデータも確認できるため、そのキーワードがどのくらい流行しているのかも同時に確認できます。

参考:
Googleトレンドとは?気になるキーワードの人気度がわかる無料ツール!|ferret

3.KOUHO.jp

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KOUHO.jp

KOUHO.jpは、Googleなどの検索エンジンだけでなく様々なサジェストキーワードを抽出できます。「Amazon」「楽天」「Bing」「はてな連想語」「Twitter共起語」の抽出が可能です。全てのキーワードリストはコピーできるようになっています。

2020年9月現在、Googleサジェストの調整作業が行われているため、Googleサジェストの利用はできません。

4.Keyword Tool

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Keyword Tool

Keyword Toolは、「Google」「YouTube」「Bing」「Amazon」「eBay」「Google Play App Store」「Instagram」「Twitter」のサジェストキーワードを検索できます。日本だけでなく国ごとの検索ができるため、対象ユーザーを細かく絞れます。また、CSV形式Excel形式での出力に対応しており、データ活用が簡単なことも特徴です。

5.ラッコキーワード(旧:関連キーワード取得ツール(仮名・β版))

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ラッコキーワード(旧:関連キーワード取得ツール(仮名・β版))

ラッコキーワード(旧:関連キーワード取得ツール(仮名・β版))は、「Google」「Yahoo!知恵袋」「教えて!goo」の関連キーワードを同時に抽出できます。抽出結果のキーワードをクリックすると、そのキーワードで検索した場合の結果が表示されるため、気になったキーワードをその場で検証することができます。

6.Ubersuggest

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Ubersuggest

Ubersuggestは、国ごとのサジェストキーワードを抽出できる海外のツールです。検索したいキーワードを入力後、言語を選択するとすぐに抽出できます。抽出したキーワードにはチェックボックスがあり、選択したキーワードのみをダウンロードすることもできるので便利です。

7.keyword.io

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keyword.io

keyword.ioは、「Google」や「Amazon」などを始めとして、「eBay」や「Alibaba」など海外の大手サービスのサジェストキーワードも抽出できる海外ツールです。抽出したキーワードを選択してダウンロードできます。また、大量のキーワードの中からフィルタリングもできるため、ニーズごとに分類してダウンロードすることも可能です。

ユーザーの「知りたい」が詰まっているサジェストキーワード

サジェストキーワードは、ユーザーが今「知りたい」と思っていることを把握するための重要な手がかりです。絶え間なく変化しているため、対策したいキーワードについては定期的にチェックしておきましょう。

自社の企業名やサービス名でも調べてみて、ユーザーからどのようなイメージ・評価を受けているか調べてみることもオススメします。

また、コンテンツSEOについての資料をご用意しています。よろしければご覧ください。
コンテンツマーケティングを始める前に知っておきたい!BtoB向け・9つのコンテンツ手法

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