企業のマーケティングにおけるオウンドメディア活用はすっかり浸透し、メディア運営に携わるマーケターの人数も増加してきています。ferretを運営する株式会社ベーシックが2019年11月に行った調査によれば、BtoBマーケティングを行う企業の約4割が自社でオウンドメディアを運営し、その他2割も前向きに検討中という結果が出ており、今後ますます活用が進んでいく見通しです。

オウンドメディアを運営する担当者が誰しも直面する悩みといえば、サイトトラフィックの伸び悩みでしょう。立ち上げた当初はコンテンツの増加とともにPVも増えていたのに、ある時を境に新規記事をどれだけアップしてもサイトPVが足踏みしたり、むしろ下がってしまったり。

不安を抱えながらも「いつか再び伸びはじめる」ことを信じて新規記事の制作に打ち込んでいる、という場合に検討すべきなのは、これまで制作した記事をブラッシュアップする「リライト」という作業。実は、ferret編集部でも新規記事の制作と同じくらいこのリライト作業を重視しており、順調にサイトトラフィックを拡大させています。

サイト成長が行き詰まった場合は新規記事を制作してサイトの更新性を高める以外に、既存コンテンツの見直しによって読者が求める内容に改善していくことで再び伸ばす方法があります。伸び悩みの要因に合わせて「正しい努力」を注ぐことで、結果的に安定的なサイト成長が実現できます。

リライトの利点は、既存コンテンツのブラッシュアップなので要点を押さえて作業すれば新規記事の制作よりもはるかに少ない労力で大きなインパクトが得られる可能性があるということです。そこで、本記事ではサイト成長の足踏みに直面した時の「正しい努力」としてのリライトの要点についてご紹介します。

正しい努力 STEP①:伸び悩んでいるキーワードを発見する

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正しい努力の基本は、対策すべき記事を的確に発見し、適切な改善を加えることです。それを判断するには「IMP(表示回数)×検索順位」という尺度でコンテンツを並べてみましょう。上図のように、検索のボリュームは多いのに順位が低い場合は、ユーザーのニーズを取り逃がしているということになります。まずは検索順位を上げることでサイトトラフィックを大きく伸ばせそうな記事をピックアップすることがリライトの第一歩です。

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また、バブルチャートの「円」の大きさはCTRを表しているのですが、検索ボリュームも検索順位も高いのにCTRが低い(円が小さい)場合は、記事のタイトルやディスクリプションを見直すだけでクイックに対策可能。そのキーワードを検索するユーザーの検索意図を改めて考え、知りたい内容を盛り込むことで流入増加につなげられます。

リライト作業の最初の一歩である対策する記事の見極めは、この「IMP(表示回数) × 検索順位 × CTR」が基本になります。

正しい努力 STEP②:記事をブラッシュアップする

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対策すべき記事を見極めたら、記事内容をブラッシュアップします。CTRを上げればトラフィックが伸びる場合はタイトル/ディスクリプションの改善で済みますが、検索順位を上げる場合は記事の中身をブラッシュアップする必要があります。

最近の検索エンジンの傾向として、「専門性」の高いコンテンツを評価する流れにあるため、同じテーマの記事が複数あれば「情報の網羅性」が高い記事の方がより評価されます。そのため、検索順位で自サイトの記事よりも上位の記事と見比べて、情報要素で抜けているところはないか、もっと詳細に記述できるところはないかを分析します。

記事全文を比較するのは困難なため、まずは見出しを見比べて情報差を把握するのがコツです。

正しい努力 STEP③:コンバージョンが出るキーワードから逆算する

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STEP①②はリライトの基本ですが、もう一つ成果がビビッドに出やすい方法があります。それは、コンバージョン基点でキーワードの評価をすることです。サイトの最終的な目的がリードの獲得などのコンバージョンにある場合、コンバージョンにつながりやすいキーワードを見極め、そこから順に対策をすることで成果に向けて最短でアプローチすることが可能になります。

上図では、円の大きさ=CV数になります。CVがある程度とれているのに、CTR(横軸)が低い場合は「タイトル改善」をして流入を増やせばさらにCV獲得を狙うことができます。また、順位(縦軸)に課題があれば記事本文をリライトして順位を上げることでCV増を狙えます。

幅広い潜在客を取り込んで、コンテンツ接触によってナーチャリングしていくための記事と、最終的な成果から逆算してピンポイントで刺していく記事の両軸から対策を施していくことで、成果を挙げながらサイト成長を成し遂げることが可能になります。

STEP①~③がワンタッチでできるツール『SEARCH WRITE』

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ここまで紹介した各プロセスの図は、実は株式会社PLAN-Bが提供する『SEARCH WRITE』というSEOツールの操作画面をそのまま抜き出したもの。たとえばSTEP①の「IMP(表示回数) × 検索順位 × CTR」の分析もワンタッチで表示され、順位やIMPの粒度も直感的に調整が可能です。

ツールなしでもこれらの分析は可能ですが、毎回Google Analyticsからデータを抽出し、スプレッドシートで分析する……という作業が必要になります。『SEARCH WRITE』は5万円/月額という「ちょうどいい」価格で、使いやすさ(UI)も含めて非常に高性能なツールなので、作業の手間を最小化してサイト改善に集中できます。

初めてのリライト作業でも、専門知識なしに迷わず打つべき打ち手に辿りつける。使い方がわからない場合はサポート対応もあるため、安心してサイトグロースに取り組みたいマーケターには最適のSEOツールといえるでしょう。