Googleが所有する人工知能「アルファGo」が、碁の世界チャンピオンに勝利したニュースは、全世界に衝撃を与えました。

参考
グーグルの人工知能「アルファ碁」、韓国イ・セドル九段に3連勝 無傷で勝ち越し|HuffPostJapan

特筆するべき点として、これまでなかった手をアルファGoが対局のなかで編み出してしまったことでしょう。
そのような手を生み出したのは、アルファGoに搭載されている「ディープラーニング」によるものです。

感情を持つものも登場し、ここ数年で著しく発達している人工知能は、マーケィングにおいても活用されることが期待される一方、接客の現場に人工知能を投入すると、ディープラーニングにより企業側が予測できない発言をしてしまう可能性もあります。

接客の現場においては、予測できない発言をする可能性がほぼ無い「チャットボット」を利用しようという動きが広まっています。

今回は、チャットボットの基本解説と、実際の利用事例をご紹介します。

チャットボットとは「学習機能を持たない」会話プログラミング(チャットボット)

ディープラーニングとは、人間の脳神経の動きを模した「ニューラルネットワーク」というアルゴリズムを利用した深層学習機能を指します。
ディープラーニングは通常の機械学習と異なり、得た情報を自分で分析し、カテゴリ分けも行えます。

参考:
今要注目のテクノロジー「ディープラーニング」とは?|ferret [フェレット]

そして、自ら学ぶディープラーニングとは対極に位置するのが、人工無脳とも呼ばれる「チャットボット」です。
チャットボットは人と対話することを前提に構築されており、ユーザーが発した言葉を要素分析し、最適な返答を自動的にアウットプットされるようにできています。
一見自然な会話が行われているように見えるかもしれませんが、あらかじめプログラムされた言葉を組み合わせて返しているだけです。

チャットボットの場合、事前に登録された言語の数や傾向によって会話の精度が決まります。

チャットボットが活躍できる場は?

学習機能を持たず、登録された言語の組み合わせでのみ会話するチャットボットは、運営側が予測できないような発言をする可能性はほぼありません。
そのため、店頭やネットショップなどの接客の現場にはチャットボットの方が運用面では安心できます。

実際、LINEやFacebookといった多数のユーザーを抱えるプラットフォームが続々とチャットボットを導入しており、あらゆるシーンでの利用が広がっています。

参考:
ソーシャルメディア上のビジネスコミュニケーションはチャットボットが担うこととなる | TechCrunch Japan
LINEでのチャットボット活用の強化へ~オプト、Jetrunテクノロジと業務提携:MarkeZine(マーケジン)
カスタマーサポートでチャットボットの普及が見込まれる理由|ニューズウィーク日本版

まとめ

人件費をおさえつつ、快適な購買行動を促進するためのツールとして注目が集まっているチャットボットは、簡単な接客であれば問題なく対応できるレベルにまで進化しています。
しかし、接客の現場全てにおいて適しているかというとそうでもないでしょう。

インドでチャットボット搭載サービスを提供していた「Helpchat」は、20億円近い資金調達を行っていたにもかかわらず、チャットボットの提供を停止しました。
CEOはその理由を以下のように語っています。

CEOのアンカー氏によれば、その理由は「メッセージのやりとりが複数回必要となるチャットUIは、ユーザーに最適なサービスを最短で提供できない。ボットとのコミュニケーションに戸惑い、離脱するユーザーが多かったから」だという。

参考:
インドで揺らぐチャットボットの将来性--「Helpchat」がボット機能を中止 - CNET Japan

ユーザーの目的が会話ではなく情報である場合、チャットボットではなく詳細な検索機能をつけた方がユーザビリティは高いでしょう。
チャットボットを導入する意味とユーザー体験を考えて導入を検討しましょう。