DIESELが導入する広告評価の新指標。「CPA」が持つ70%のリスクと、これからの広告効果測定とは?
広告担当の皆様は、Web広告の成果を適切に評価できているでしょうか。
複数の広告媒体を出稿している場合、適切に広告の評価を行う事は、年々困難になっています。
その大きな理由のひとつとして、ユーザー行動の複雑化が挙げられます。
近年、インターネットへの接続が身近になった事で、「様々なサイトへ訪問し、複数の広告に接触しながら比較検討したうえでコンバージョンする」という行動をとります。
ユーザーは複数の広告に接触しているので、コンバージョンの直前に接触した広告だけでは、各広告の成果を正しく評価出来ているとは言えません。本来であれば、そこに到るまでの流れを作った広告も評価するべきです。
しかし、現状は広告媒体ごとのレポートの直接コンバージョン数だけを見て効果をみているという企業がほとんどです。
今回は、アドエビスを提供する株式会社イルグルム様監修のもと、広告を横断して評価する必要性と具体的な手法について解説します。
そもそも、なぜ複数のWeb広告を扱う必要があるのか
まず、なぜここまでWeb広告が多様化し、複数広告を同時に運用する必要が出てきたのでしょうか。
背景として、大きく3つの要因が存在します。
・デバイスの多様化
・プラットフォームの多様化
・購買に至るまでのユーザー行動の変化
1.デバイスの多様化
総務省が2016年7月に発表したデータによるとスマホの普及率は70%を超え、パソコンの普及率とほぼ変わらない水準に到達したようです(※1)。
Web上でのほとんどの作業はスマホで完結できるぐらいにスマホの利便性は高く、利用者は今後も増加していくでしょう。
従来のようにパソコン向けの広告を出稿するだけではリーチ数増加を見込めないのは明らかです。
今はパソコン、スマホ、タブレットだけでなく、スマートデバイスやIoT製品も普及しつつあります。
ユーザーがあらゆるデバイスを利用するようになった今、デバイスごとに最適化された広告出稿を考える必要があります。
2.プラットフォームの多様化
Web上での企業とユーザーとの接触ポイントといえば、数年前までは検索エンジンがほとんどでした。
検索エンジン以外に、多くのユーザーが集まるようなプラットフォームがほとんどなかったからです。
当時であれば、SEOやリスティング広告だけに注力していれば一定の成果をあげることができました。
しかし今は検索エンジンに加え、SNSやキュレーションメディアなど、様々なプラットフォームが生まれています。
リーチ数を増やしたいのであれば、各プラットフォームへ広告を出稿する必要があります。
3.購買に至るまでのユーザー行動の変化
アドエビスの顧客データを見ると、コンバージョンユーザーのうち初回訪問でコンバージョンするユーザーは全体の3割程度にとどまり、ほとんどが2回目以降の訪問でコンバージョンする傾向にあることがわかります。
コンバージョンしたユーザーのうち、1回目の接触でコンバージョンする割合は全体の約3割。7割近いユーザーが2回以上の接触でコンバージョンしている。
スマホの普及によりWebに触れる頻度が増え、様々なプラットフォームを利用することが一般的となった今、ユーザーはあらゆる情報を収集し、比較検討したうえで意思決定します。
Webにおけるユーザーの購買行動を表すフレームワークの1つに「AISCEAS」があります。
AISCEASは以下の7つの言葉の頭文字を取ったものです。
- Attention (注目)
- Interest(興味)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購買)
- Share(共有)
Web上のユーザーは自然に「検索」「比較」「検討」のプロセスを踏みます。
1.目当ての商品を検索
2.商品ページを見た後に比較サイトや口コミサイトを訪れる
3.他の類似商品と比較・検討した結果、購入
この流れは、ネットショップを利用されたことがあれば誰もが一度は経験されているのではないでしょうか。
比較検討が前提となっているのであれば、初回訪問で購買するユーザーが少ないのも頷けます。
この状況の中、今後狙っていくべきなのは既に購入する意思を持った顕在層と、すぐのコンバージョンには繋がらないけれども見込み顧客となり得る潜在層の2つです。
リスティング広告で顕在層を確実におさえつつ、同時にアドネットワークや記事広告などで潜在層向けのアプローチも行うべきでしょう。
運用するWeb広告が増えるにつれ、効果測定の難度も上昇
扱う広告が増えてくると、担当者は様々な問題に直面します。
実際、広告運用の現場ではどのような課題を持っているのか、どのように解決するべきなのかを、株式会社イルグルムでマーケティングを担当する吉本氏に窺いました。
吉本 啓顕氏(株式会社イルグルム セールスマーケティング本部 本部⻑)
新たなデバイスやプラットフォームが登場し、ユーザー行動が多様化した結果、運用しなければいけない広告は年々増加しています。
運用するWeb広告が増えると、課題としてお客様からよくお聞きするのが「効果測定」です。
現状、Web広告の効果測定において以下のような問題点が挙げられます。
・広告媒体ごとでしか成果を追っていないため、総合的な評価ができない
広告媒体ごとのレポートは上がってくるものの、各広告単体の効果を見ても、適切な評価はできません。
例えば、1つのコンバージョンに複数の広告媒体が触れていた場合、各広告媒体のレポートには「1」コンバージョンとしてカウントされてしまうため「コンバージョンの重複」が起こってしまいます。
1つのコンバージョンに対し、どの広告がどのような役割を果たしたのかを把握しなければ正しい評価はできないでしょう。
・潜在層向け広告の指標をどこにおけばいいのかわからず、わかりやすいCPAを判断基準にしてしまう
これまで運用されてきた顕在層向けの広告はCPA(1コンバージョンあたりのコスト)で計測できていましたが、今は必ずしもCPAで判断できない広告媒体が増えています。
例えば、アドネットワークの場合は最終的にコンバージョンへつながる潜在層にどれだけリーチできるかが鍵となる広告媒体です。
間接的な効果を生み出す役割を持つアドネットワークに対して、直接コンバージョン評価のCPAを判断基準として採用してしまうと適切な評価ができているとはいえません。
しかし、担っている広告媒体の役割に沿った成果指標がわからず、CPAで評価している企業が多いのが現状です。
広告効果は「TCPA(トータルCPA)」で計測する時代へ
すべての広告媒体をCPAで判断し、広告単体の成果しか見ないままでは、「顕在層向けの広告は効果が良く、潜在層向けの広告媒体は効果が悪い」という判断となるでしょう。
結果、顕在層向けの広告に注力し、潜在層向けの中長期的な取り組みはないがしろにしている、という企業は少なくないのではないでしょうか。
1つのコンバージョンが発生する時、大半は複数の広告が関わっています。
それは、「初回訪問でコンバージョンに至るのは全体の3割」というデータからも明らかです。
直接コンバージョンを決めた広告だけを評価していると、アシストとして大きな役割を担った広告には十分な投資がされません。
配分バランスが崩れ、理想的な広告投資配分からは乖離してしまう可能性が高いでしょう。
この状況を解決するためには、運用しているすべての広告媒体を統合的に評価し、「CPA」ではなく「TCPA(トータルCPA)」で計測することが肝となります。
「TCPA」とは:直接効果と間接効果を合算したCPA
TCPA(Total Cost Per Action)とは、直接効果だけでなく、間接的な効果も含めた効果測定の指標です。
CPAとの違いは以下の点にあります。
CPA:コンバージョンを決めた広告のみを評価
TCPA:1つのコンバージョンに関わったすべての広告を評価
TCPAを計測指標として持つことで、1つのコンバージョンを生み出すのにどの広告がどのような役割を担ったのかが可視化されます。
各広告媒体の役割と成果を把握することで、広告投資を最適化に繋がります。
TCPA機能が実装されたマーケティング効果測定プラットフォーム「AD EBiS」
広告効果測定ツールは「AD EBiS」は、2016年10月11日よりTCPA測定機能を実装しました。
TCPAを実現するにあたり導入されたのが、CPAの「再配分」機能です。
TCPAを実現するための「再配分」機能とは?
(引用:https://www.ebis.ne.jp/function/)
1コンバージョンに到達するために関わった広告すべてに予算を再配分することで、直接効果、間接効果を合わせた広告成果の可視化を実現します。
例えば、直接コンバージョン2件、間接コンバージョン1件の広告Aと、直接コンバージョン1件、間接コンバージョン4件の広告Bがあったとします。
通常のCPAで見ると、直接CVを2件獲得した広告Aの方がBより評価が高くなります。
しかし、間接CVも評価するTCPAで見た場合、直接、間接合わせて5件のコンバージョンを生み出している広告Bは大きな成果を上げているといえます。
【事例紹介】広告効果の不透明さを払拭したDIESEL社
(引用:http://www.store.diesel.co.jp/jp)
イタリアのアパレルブランド「DIESEL」ではオンラインストアの運営において以下のような課題・要望を抱えていました。
課題
・出稿している広告媒体が多岐に渡る為、成果評価が断片的になっている。
・各Web広告媒体の役割を可視化したい。
・重複コンバージョンを排除したい。
要望
・投資対効果の高い広告を可視化したい。
これらを解決するため、「AD EBiS」を導入しました。
導入後、実施した施策は大きく2つです。
1.保持しているデータの整理
まず行ったのが、データの整理です。
出稿している広告、自然検索からの全流入ユーザーにマークを付け、コンバージョン(購入)に至るまでのプロセス・接触ポイントを100回まで遡ってすべて記録しました。
データを整理することでコンバージョンしたユーザーがどの広告にどれだけ接触しているのか、履歴が追えるのはもちろん、各広告がどういった役割を果たしているのかを把握できます。
結果、間接コンバージョンに強い媒体・直接コンバージョンに強い媒体が明確となり、重複コンバージョンを排除したレポーティング体制を実現しました。
2.データから、投資対効果の高い広告を抽出
先にお伝えしたとおり、DIESELではコンバージョンに至るまでの全接触履歴を保持しており、「受注金額」もアドエビスで取得しています。
それらのデータを活用して、投資対効果の高い広告を調べました。
具体的には、受注金額を接触した広告で分配する手法をとりました。
例えば、3回の広告接触で、1件のコンバージョン(9000円)が発生した場合、各広告には3000円の成果として分配します。
これを広告毎に集計して、広告コストを入れる事で、「間接コンバージョンを加味した、投資対効果の高い広告」を単一指標で見つける事ができます。
この分析結果を広告評価に取り入れる事で、どの広告媒体にどれだけの費用を配分すればどれだけの受注が作れるのかが明確となり、広告配分最適化のためのPDCAを開始することができました。
Web広告効果測定の難しさに悩まれている方へ。ノウハウが詰まった資料を無料でプレゼント
AD EBiSは、DIESELのようなアパレルに限らずどのような業種でも広く活用いただけるツールです。
「複数のWeb広告を運用しているけど、実際どのような成果が出ているかわからない」
「アドネットワークを扱ってはいるが、CPA以外の成果指標はよくわからない」
Web広告の効果測定にまつわる悩みをお持ちの方はぜひ、AD EBiSが提供するホワイトペ-パーを一読されることをオススメします。
ホワイトペーパーは無料でダウンロード可能です。
【参考】
※1:統計調査データ:通信利用動向調査:報道発表資料
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- インターネット
- インターネットとは、通信プロトコル(規約、手順)TCP/IPを用いて、全世界のネットワークを相互につなぎ、世界中の無数のコンピュータが接続した巨大なコンピュータネットワークです。インターネットの起源は、米国防総省が始めた分散型コンピュータネットワークの研究プロジェクトARPAnetです。現在、インターネット上で様々なサービスが利用できます。
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- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- フォーム
- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- タブレット
- タブレットとは、元々「板状のもの」「銘板」といった意味の単語です。パソコンの分野で単にタブレットといえば、「ペンタブレット」や「タブレット型端末」などの板状のデバイス全般を指します。ここでは主にタブレット型端末について説明していきます。
- デバイス
- デバイスとは「特定の機能を持つ道具」を表す語で、転じてパソコンを構成するさまざまな機器や装置、パーツを指すようになりました。基本的に、コンピューターの内部装置や周辺機器などは、すべて「デバイス」と呼ばれます。
- デバイス
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- 広告
- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
- 検索エンジン
- 検索エンジンとは、インターネット上に無数に存在するホームページのデータを集め、ユーザーにそれらを探しやすくしてくれるサービスのことです。「検索サイト」とも呼ばれます。代表的な検索エンジンとしては、Yahoo! JAPANやGoogleなどがあります。また、大手検索エンジンは、スマートフォン向けのアプリも提供しており、これらは「検索アプリ」と呼ばれています。
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- SEO(Search Engine Optimization)とは、GoogleやYahoo!などのサーチエンジン(検索エンジン)で、特定キーワードで検索が実行されたとき、ホームページが表示される順位を上げるためのさまざまな施策のことです。
- リスティング広告
- リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、有料で表示するサービスのことです。ユーザーの検索結果に連動した形で広告が表示されるため「キーワード連動型広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。
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- フォームとは、もともと「形」「書式」「伝票」などの意味を持つ英単語です。インターネットの分野では、パソコンの操作画面におけるユーザーからの入力を受け付ける部分を指します。企業のホームページでは、入力フォームが設置されていることが多いようです。
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- フレームワーク
- フレームワークとは、アプリケーションソフトを開発する際によく必要をされる汎用的な機能をまとめて提供し、アプリケーションの土台として機能するソフトウェアのことです。 元々は枠組み、下部構想、構造、組織という意味の英単語です。アプリケーションのひな形であり、これを開発に利用することで、大幅な効率の向上が見込めます。
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- マーケティング
- マーケティングとは、ビジネスの仕組みや手法を駆使し商品展開や販売戦略などを展開することによって、売上が成立する市場を作ることです。駆使する媒体や技術、仕組みや規則性などと組み合わせて「XXマーケティング」などと使います。たとえば、電話を使った「テレマーケティング」やインターネットを使った「ネットマーケティング」などがあります。また、専門的でマニアックな市場でビジネス展開をしていくことを「ニッチマーケティング」と呼びます。
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- オンライン
- オンラインとは、通信回線などを使ってネットワークやコンピューターに接続されている状態のことをいいます。対義語は「オフライン」(offline)です。 現在では、オンラインゲームやオンラインショップなどで、インターネットなどのネットワークに接続され、遠隔からサービスや情報などを利用できる状態のことを言う場合が多いです。
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- PDCA
- PDCAとは、事業活動などを継続して改善していくためのマネジメントサイクルの一種で、Plan,Do,Check,Actionの頭文字をとったものです。
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- ホワイトペーパー
- ホワイトペーパーは、もともとは政府や公的機関による年次報告書つまり「白書」を意味しました。しかし近年ではマーケティング用語としても用いられており、特定の技術や商品について売り込む目的で、調査と関連付けて利点や長所をアピールする記載がなされることが特徴です。
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