ネットショップの運営では、販売だけでなく梱包や発送も大切な要素です。商品の発送の際には、適切な梱包資材を選び、お客様に満足してもらえる梱包を心がけましょう。

梱包材は商品が傷つくのを防ぐだけでなく、お客様に対して商品をいかに丁寧に扱っているかを示すものでもあります。
商品の破損や粗悪な梱包は、顧客とのトラブルの原因になることもあり、決して手を抜いてはいけない部分と言えるでしょう。

今回は、ネットショップの担当者や個人でネットショップを運営している方に向けて、梱包材を選ぶ際のポイントと梱包材の種類をご紹介します。
年末商戦がひと段落した今こそ、利用している資材を見直してみるのはいかがでしょうか。

参考:
インターネット通販に関するアンケート|マクロミル

2017年2月21日本文中に一部表記の誤りがありましたので、訂正を行いました。

梱包資材を選ぶポイント

商品をお客様に渡す際には、商品が破損したり、汚れたりしないように梱包します。
なかでもネットで注文を受け付けて商品を発送するネットショップでは、実店舗の販売とは異なり、顧客の手に渡るまでの過程が長く、損傷や水ぬれなどのリスクが高まります。

ですので、隙間を埋めつつ、商品を保護するには新聞紙や発泡スチロールなどの梱包材は不可欠です。

梱包材は用途によって2つ「商品を包むもの」と「商品を固定する=箱の隙間を埋めるもの」があります。

材質や形状によって、どちらか片方の用途に特化したものや両方利用しやすいものがあるので、用途によって使い分けましょう。
また、梱包材を選ぶ際には顧客の求める梱包レベルに対応するだけでなく、自社の予算や作業量を見込んで選択をすることが大切です。

・商材の特徴…ワレモノ、精密機械、かさばるもの等
・配送方法…レターパック、ダンボール等
・予算…商品の売り上げのうち、梱包にどれだけお金をかけられるのか
・作業量、作業内容…梱包にかけられる人員の量、梱包に求められる技術の高さ
 ・顧客の求めるレベル…「綺麗に梱包されていてほしい」「壊れないようにしてほしい」など

このように、梱包材を選ぶ上で意識しなければいけない要素は多数あります。
自社が優先するべき要素はどこなのか、顧客が特に見ている部分はどのような点なのかを考えましょう。

梱包材の種類

材質や形状によって、梱包材には様々な種類があります。価格の安いものやクッション性の高いものだけでなく、環境性能の良いものまで、その特徴は多岐にわたります。

今回はその中でも広く利用されている11種類について特徴を掴んでいきましょう。

1.エアキャップ(プチプチ)

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商品を包み、衝撃から守るのに適した梱包材です。
シート状になっているため、形のいびつな商品でも包むことができます。
CDや書籍、雑貨類など、多くの商品に利用されている資材と言えるでしょう。

※プチプチは川上産業株式会社の登録商標です。

2.エアークッション

ビニールでできた袋状のクッションで、中身は空気のため軽いのが特徴です。
細長く連なる形で形成されているのが一般的で、好きな長さに切り取って利用します。

エアキャップとは異なり商品にぴったりと寄り添う形の梱包はできませんが、箱の中の大きなスペースを埋めるのに役立ちます。

3.クッション封筒

エアキャップなどの梱包材が最初から封筒の内側に貼り付けられているものです。
商品を入れて、そのまま封筒を閉じるだけなので、梱包の手間を減らすことができます。

紙と梱包材をはり合わせる加工がされているため、個別に購入するよりも単価が上がることがネックと言えるでしょう。

4.更紙(新聞紙)、詰め紙

上質紙のようなオフィス用紙とは異なる、詰め物用の紙です。
配布されなかった新聞紙の残りを利用する場合もあります。

商品を包むだけでなく、丸めて箱の隙間を埋めることもできます。紙質によっては手で切れるので、梱包作業を行う人にとっても手間が少なく済むでしょう。

価格が安く、調達しやすい一方で、見た目がよくなかったり防水性やクッション性がエアーキャップよりも劣ります。顧客によっては嫌がられることもあるので気をつけましょう。

5.紙パッキン

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紙を細く切ったもので、ギフト商品の梱包にも利用されます。
細かい隙間にも入り込めるので、小物類の梱包に向いています。
エアークッションのように空気を抜いたり、更紙のように畳むこともできないため、大量に使用すると捨てる際にかさばります。
また、作業中に散らばると掃除の手間がかかるため、食品の取り扱いがあるなど清潔さを重視する場所には向いていません。

6.クッションペーパー

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紙を網目状に切ったもので、形がいびつでも包みやすいのが特徴です。
主に飲料や食器類などのワレモノを包む際に利用されます。

クッション性は少ないので、発送する際には別の資材を使って商品を固定することが求められます。

7.ダンボール、巻ダンボール

厚紙と、波打った紙で構成された強度の高い紙です。
電化製品などの大きめな商品であれば商品に合わせて箱を形作り、商品を固定できます。シート状にした巻ダンボールであれば商品の形にあわせて包み込むことも可能です。

Amazonの梱包方法のように、ダンボールを支えにして商品をビニールで貼り付ける方法もあり、汎用性の高い梱包材と言えるでしょう。

参考:
アマゾンのような梱包方法|三和包装荷材

8..ミラーマット

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発泡ポリエリレンをシート状にしたもので、柔らかく曲げやすいので食器や瓶などの梱包に向いています。
薄い素材なので、大きな隙間を埋めるにはあまり向いていません。

9.バラ緩衝材

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まゆ状に加工された梱包材で、大きな隙間を埋めるのに利用されます。
クッション性にすぐれ、衝撃を吸収することで商品を守ります。

発泡スチロール製のほか、発泡スチロールよりも燃焼カロリーが低く、燃焼炉を傷めないコーンスターチ製のものもあります。

10.発泡スチロール

発泡スチロールを利用すれば商品の形状に合わせて成形することも可能です。
電化製品のように商品の規格が統一されていて、かつ固定する必要性が高い商品に向いています。
保温・保冷効果もあるの食品の配送にも利用しやすいでしょう。

11.ストレッチフィルム

家庭用のラップよりも大型で破れにくいフィルムです。
ものを固定し、荷崩れを防ぐことができます。

手で切ることができ、テープを利用しなくてもフィルム同士でくっつくので手間を少なく抑えられるでしょう。

参考:
株式会社アースダンボール
梱包と包装資材のお店|アスクル
緩衝材|株式会社ノーサン
包装・梱包資材|株式会社もりや
緩衝材って?輸送を支える緩衝材の種類|工場タイムス