中国を中心としたアジア地域には春節と呼ばれる旧正月の行事が存在します。
年末年始に休暇をとる企業が多い日本のように、中国などでは春節に国民全体が休暇をとる慣わしがあります。

ただビジネスという観点で考えてみると、日本企業に勤めている方で海外拠点等とやり取りする際、気をつけなければないないことがあります。それは海外拠点等が休暇となることで、物流や生産がストップしてしまうため、その影響を加味してスケジュールなどを組み必要です。

中国をはじめ、海外拠点等と取引を行っている企業やネットショップの運営者にとっては、春節を意識した事前準備が不可欠でしょう。

今回は、行事である春節の概要とビジネスへの影響を解説します。
2017年の動向予測も見ながら、自社の対策を考えるきっかけとしましょう。
  

春節とは

春節とは旧暦の正月のことで、中国を中心としたアジア地域では国民の祝日として扱われています。
2017年の場合は1月27日(金)から2月2日(木)までの7日間が春節により、連休となります。

日本国内では明治6年から太陰太陽暦から太陽暦(グレゴリオ暦)に切り替わり、現在ではあまり旧暦での行事を見かけることはありません。

ですが、太陽歴に切り替わった現在でも、旧暦の文化が根付いています。
年の切り替わりを祝う春節の他にも、国慶節や端午節のような季節ごとの行事があり、国民の祝日として制定されています。

この機会を利用して、中国では上海などの都市部で働く労働者が地方に帰省したり、各地で新年のイベントが行われたりと、人の移動も多く発生する賑やかな祝日です。
日の並びによって、年ごとに期間が異なるので注意しましょう。

この文化は、中国以外にも中華圏の影響を受ける台湾・韓国・北朝鮮・ベトナムなどのアジア諸国でも同様に祝日として定められており、諸外国のチャイナタウンでもお祝い事が行われます。

参考:
中国春節(旧正月)2017|アラチャイナ
春節で大移動28億人、旅客殺到への安全対策強化|産経ニュース
江戸から明治の改暦|国立国会図書館
  

ビジネスにはどんな影響があるの?

GDP世界第2位の経済大国である中国の大型連休ということで、春節はビジネス面に大きな影響をもたらします。

企業間取引(BtoB)としての視点と、企業と消費者の取引(BtoC)としての視点から見ていきましょう。
  

BtoB:中国の物流・生産ストップ

大型連休中はほとんどの企業が休暇をとり、それに伴い国内外の商品の運送が行われなくなります。国の機関も例外ではないので、輸出入において品物のチェックを行う税関業務もストップします。

そのためアパレルや電化製品のメーカーのような、中国と取引の多い企業にとっては輸出入が行えないこととなります。

また、それだけではなく工場での生産が停止したり、国際郵便も影響を受けたりと様々な面で業務が滞る可能性があることを意識しましょう。

悪影響が出るのを防ぐには、海運会社や物流会社などの関連業者と相談して事前に準備しておくことが必要です。
通常とは異なる運送体制を行っている企業も多いので、最新の情報をチェックするようにしましょう。

参考:
JPSGLニュース/ 中国の正月“春節”のご案内|山九株式会社
中越瓦版第1号 2017年 中国連休スケジュールについて|中越運送株式会社
国务院办公厅关于2017年部分节假日安排的通知|中国国務院
アジア諸国における旧正月期間中の国際郵便等のお取扱いについて(2016年)|日本郵便