プレゼンテーションに使えるエレベーターピッチの基本&上達ポイント4つ
ビジネスでは、規模の大小はさておき、プレゼンテーションはつきものです。
しかし、要点が伝わりやすいプレゼンテーションができる、という方は少ないのではないでしょうか。
プレゼンテーションは回数をこなすことである程度上達させることができます。
しかしむやみにプレゼンテーションを行うだけでは、なかなか上達しません。
そこでさまざまな手法を駆使することで、少しでも早く「伝わる」プレゼンテーションを習得することができます。
今回は、わかりやすいプレゼンテーションを行うために知っておきたい「エレベーターピッチ」という手法をご紹介します。
「なかなか自分の伝えたいことを端的に伝えられない方はこの手法を利用することで、プレゼンテーション能力が向上するでしょう。
エレベーターピッチの基本と、最低限知っておきたいポイント4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
エレベーターピッチとは
エレベーターピッチとは、30秒を目安とした短時間でプレゼンテーションを行うことを指します。
エレベーター内にいる約30秒間に、自己紹介や企画・商品・サービスなどの説明をし、相手に理解してもらうこと、ということが語源です。
エレベーターピッチの発祥は、起業家やスタートアップ企業などが密集する、アメリカのシリコンバレーです。
忙しい相手に対して、どれだけ短時間でシンプルかつわかりやすく伝えるか、ということに重点が置かれる場所でだからこそ、エレベーターピッチが求められます。
このプレゼンテーション方法は、シリコンバレーだけで使われるものではありません。
相手に端的に要点を伝える方法として、普段から取り入れることができます。
エレベーターピッチをマスターするために最低限知っておきたいポイント4つ
1.GTCメモの作成
GTCメモとは、エレベーターピッチを使ったプレゼンテーションに欠かせないメモです。
G:Goal(自分が望む結論)
T:Target(相手が望むもの)
C:Connect(自分と相手の要望を結びつけるもの)
出典:美月あきこ 著(2014)「15秒で口説く エレベーターピッチの達人――3%のビジネスエリートだけが知っている瞬殺トーク」(祥伝社)
・Goal
Gは、自分の望む結論や目的などを指します。
エレベーターピッチは、短時間にわかりやすく要点を押さえたプレゼンテーションを行うことがポイントとなりますので、ゴールを明確にしておく必要があります。
例えば、パソコンを販売している営業マンのAさんがいるとします。
営業マンである以上、お客さんのニーズに応えつつ、販売成績をあげなければなりません。
よって彼にとってのゴールは「お客さんが満足できるパソコンを販売して、販売成績を上げる」となります。
・Target
続いてTは、相手のニーズを指します。
相手のニーズを理解しないまま自分の目的を話しても、相手にとっては他人事ですので行動喚起にはなりません。
強い行動喚起を期待するのであれば、自分のゴールが相手にとって「自分のこと」として捉えられるように工夫する必要があります。
先ほどのAさんの例におけるターゲットは、いくつか考えられます。
これまで使用していたパソコンよりも高性能なものがほしい、スタイリッシュなものがほしい、持ち運びできる軽くて小さいものがほしい、大きな画面のデスクトップ型がほしい、などです。
ターゲットの部分は相手によって変化します。
プレゼンテーションを行う相手がなにを望んでいるのかを、あらかじめ詳しくリサーチしておくようにしましょう。
・Connect
最後に、Cは自分と相手の要望を結びつけるアプローチ方法を指します。
自分のゴールは1つでも、相手のニーズがなにか、によってアプローチする方法も変わってきます。
Aさんのお客さんであるBさんが、持ち運びできる軽くて小さなパソコンを求めているとします。
別のお客さんであるCさんは、大きな画面のデスクトップパソコンを求めているとします。
Aさんのゴールである「お客さんが満足できるパソコンを販売して、販売成績を上げる」は、Bさん・Cさんのどちらを接客する際も変わりません。
しかしそれぞれ求めているものが異なるため、アプローチ方法は変わってきます。
Bさんに販売する場合はパソコンの軽さや小ささについて、Cさんに販売する際は画面の見やすさや大きくても邪魔に感じさせないデザインなどについて、ぞれぞれ説明することがポイントとなります。
2.プレゼンテーションを構成する3ポイント
エレベーターピッチで簡潔にプレゼンテーションをする際は、短時間で相手に強い印象を与える必要があります。
作成したGTCメモを活用するためにも、3つに構成されたプレゼンテーション方法を使用することをオススメします。
1.相手を惹き付けるフック
2.ポイント
3.行動喚起につながるクロージング
・相手を惹き付けるフック
話を聞いてもらうためには、まず相手が興味を持つような話のフックが必要です。
相手の反応を見ながら、ここから後の話を聞いてもらうための準備をしましょう。
特に有効的なフックは、質問形式の会話です。
例えば「現在お使いのパソコンに問題はありませんか」「非常に人気で残り2台のみご用意があるパソコンをご覧になりませんか」というような質問です。
・ポイント
作成したGTCメモのうち「T」を参考にしながら、相手のニーズに適した訴求ポイントを探します。
ここで重要なのが、3〜5個程度のポイントをピックアップすることです。
訴求ポイントが多すぎると話の時間が長くなってしまい、ダラダラとした印象を与えてしまうおそれがあるからです。
・行動喚起につながるクロージング
相手が今すぐにでも行動を起こしたくなるようなフレーズで、クロージングを行います。
例えば、希少性を持たせる、行動しないと損をすると感じさせる(損失回避の法則)、専門家などの意見を紹介する(権威への服従原理)、返金保証制度を紹介する(保有効果)など、行動心理学を応用することでクロージングできる確率を上げることができます。
3.専門用語を使用するかしないかは、相手に合わせる
基本的に、専門用語は使用しないことがポイントです。
相手が言葉を理解できなかったときに言葉の説明をしなければならず、話の勢いや集中力が途切れてしまうおそれがあるからです。
また、専門用語を多用すると相手に対して「上から目線」である印象を与えてしまう場合もあります。
ただし、同じ業界で仕事をしていて、自分と同じかそれ以上の知識・経験のある相手にプレゼンテーションを行う場合はこの限りではありません。
そのような場合に限り、専門用語を使用することでより時間を短縮したプレゼンテーションが可能になるケースもあります。
専門用語を使用するかしないかは、相手を見極めるようにしましょう。
4.具体性を持たせる
短時間で相手の印象に残るプレゼンテーションをするなら、数字を示して話に具体性を持たせることも重要です。
例えば、以下の2つの例文をみてください。
A:このパソコンは、お客様がお使いのものよりもバッテリー寿命が長いです。
B:このパソコンは、お客様がお使いのものよりも約40%バッテリー寿命が長いです。
どちらの説明のほうが、印象に残りやすいでしょうか。
答えは明白で、Bの説明です。
約40%という具体的な数字を出すことで、どれくらいバッテリー性能が上がっているのか専門家でなくても想像しやすい、単純に長く充電が持つことがわかりやすい、などの理由からです。
このように、可能な限り数字を使った具体的な説明ができるようにしておきましょう。
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