お客様アンケートや商品満足度調査などアンケート形式での調査を行う際に重要なのが調査票の設計です。

自社の求めているデータと結果にズレが出てしまったり、有効回答率が低くなったりと、調査票によって調査結果が左右されるでしょう。

今回は、アンケート調査に利用する調査票を構成する3つのポイントを解説します。
調査票はやみくもに聞きたい内容を並べはじめるのではなく、全体として矛盾なく回答しやすい内容として調整する必要があります。
調査票を作り始める前に、アンケート調査のポイントをつかんでおきましょう。

調査票を作る前の注意点

ネットでの調査であってもアンケート用紙による調査であっても、質問を並べた「調査票」と呼ばれるシートが必要となります。

調査票を作成するのに「聞きたいことを並べればいいや」と思ってはいませんか?
やみくもに質問したいことだけを盛り込むと、全体をみたときに矛盾する項目が出てきてしまったり、調査した結果が想像とは異なるものになってしまったりと失敗してしまうことがだります。
調査票を作成する前は、きちんと調査の目的を決めておきましょう。

どのようなデータを取りたいのかを決めておく

調査を行う前には、どのようなデータを求めているのかをはっきりとさせておく必要があります。
例えば「飼い犬のことについて聞きたい」というような曖昧なものにするのではなく、「小型犬向けの商品を仕入れる上で市場にどの程度小型犬を飼っているいる人がいて、飼い犬に対してどのような嗜好品を与えているのかを知りたい」のように明確な目的を持つようにしましょう。

目的によっては適したアンケートが異なる場合もあります。
例えば、「女性向け商品の満足度調査」を行う際に、全年代へアンケートを配信することは適切でしょうか?女性向けの商品であれば、特別な理由がない限りターゲットである女性により深い聞き取りを行いたいものでしょう。

どのように集計するのかを決めておく

アンケートで聞きたいことが決まったら、どのようにアンケートをまとめるかまで考えておきましょう。
集計方法には、アンケート結果だけを数値化した単純集計だけでなく、特定の項目同士を掛け合わせたクロス集計という方法が存在します。
クロス集計とは「”20代女性”のうち、問5でAを選択した割合」のように結果を絞った集計方法で、項目ごとの関連性を調べたい時に利用します。

作成前には集計する形を事前に決めておき、アンケート調査後になって欲しいもっと情報が欲しかったのようにならないように注意しましょう。

調査票構成のポイント1:回答者の負担を軽減する

アンケート調査の回答率を高めるには、回答者の「答えやすさ」を工夫するのがポイントです。
たとえどんなに充実した内容を聞いていても、回答者にとって最後まで答えるのが苦痛であれば調査協力を止めてしまうかもしれません。
回答者の負担を解消し、解答率が高くなるように工夫しましょう。

1-1.適切な設問の量にする

設問の数は、回答にどの程度の時間がかかるかを考慮して適切な数に設定しましょう。
あまりに多くの設問を設定してしまうと、回答に時間がかかって回答数が減ってしまうだけでなく、集計も煩雑になってしまいます。
多くの設問を行いたい時は、調査を自体を2回に分けるのも一手です。

1-2.回答者が疲れない画面構成にする

単語に関しての注釈やリンクの表示、画像の大きさなど、設問以外の部分を含んだ画面の構成も見やすくなっているか確認しましょう。
実際に想定できる回答者の環境と同じにして確認してみると、見えやすさが確認できます。

調査票構成のポイント2:設問の並び順を工夫する

調査票を作成する際に、思いついた質問から並べてしまうのは得策ではありません。
回答者にとって回答しやすい並び順を心がけましょう。

2-1.関連する内容はできる限り続けて設問項目を設定する

特に意図がない限り、関連する項目は続けて設問を設置するようにしましょう。
回答者にとって頭に入りやすく、スムーズに回答することができます。

2-2.回答しやすい項目から順に回答しづらいものを構成する

調査票の最初に回答しづらい設問が設定されていると、回答者が難しさを感じてそこから先に進まない可能性があります。

【例】
問1.以下の動物のうち、あなたが今までに自宅で飼ったことのあるペットを全てお答えください。
・犬 
・猫
・うさぎ
・ハムスター
・鳥
・その他
問2.あなたがペットを飼う理由を以下のうち3つお答えください。
・家族として共同生活を送りたいから
・日々の生活の癒しとして
・子供の情操教育のため
・その他(自由回答)

このように、選択肢で回答するような比較的取り組みやすいものから観念的な回答を求める難しい設問へと誘導するようにしましょう。

また、関連する項目から深めていくことで、具体的に想像しながら回答することが可能です。例のような設問順にすれば、「過去に飼ったペット」を想定しながら「ペットを飼う理由」を考えられるので、答えやすくなるでしょう。

2-3.回答を誘導する設問順にしない

正確な回答を得るためには、回答を誘導するような設問順にしないようにしましょう。

【例】
 問1.あなたは犬の中では、どの犬種が好きですか?
・柴犬(日本犬)
・チワワ
・コーギー
・ゴールデンレトリバー
・その他
問2.今後、ペットを飼うとしたらどんな動物を飼いたいですか?
・犬
・猫
・うさぎ
・ハムスター
・鳥
・その他

上記の例では、回答者の脳内には問1の「犬」という単語が残り、問2の飼いたいペットに関する質問であっても「犬」と回答してしまう危険性があります。
このような誘導を繰り返すと、調査を行う側にとって自由に結果を操作することになってしまいます。
事実を正しく調査するためには、誘導を行わないようにしましょう。

調査票構成のポイント3:全体の調整を行う

複数の設問を含んだ調査票は、設問同士での統一感を持たせることも大切です。
「単語の名称を統一する」「語尾を統一する」など、一定のルールを持たせるようにしましょう。

3-1.重複なく、漏れもない調査項目を設定する

似たような内容について回答を求める設問を複数設置しないようにしましょう。

【例】内容が重複した設問 
問1.あなたが日頃、使用しているパソコンを以下のうち2つお答えください。
・デスクトップパソコン
・ノートパソコン
・タブレットPC
・その他
・使用していない
問2.あなたが日頃、使用している情報通信機器はなんですか?
・スマートフォン
・デスクトップパソコン
・ノートパソコン
・その他
・使用していない

上記の例では設問文は異なっているものの、回答内容はほぼ同じです。
このような場合は設問を統合するなど、シンプルな構成を心がけましょう。

また、聞くべき内容の抜けにも気をつけます。
自社の求めている情報と設問が含んでいる内容にズレがないか確認しましょう。

3-2.複数の設問の中で、矛盾する選択をできないようにする

すべての回答者が矛盾なく全て回答してくれるとは限りません。
設問と設問の間に、矛盾が発生しないようにしましょう。

【例】
問1.あなたが日頃、使用しているパソコンを以下のうち2つお答えください。
・デスクトップパソコン
・ノートパソコン
・タブレットPC
・その他
・使用していない
問2.あなたが過去に一回でも利用したことのがあるパソコンを以下のうち全てお答えください。
・デスクトップパソコン
・ノートパソコン
・タブレットPC
・その他
・過去に一度も利用したことはない

この設問では問1で「デスクトップパソコン」と回答した場合、現在すでにデスクトップパソコンを使用しているため、問2でも必ず「デスクトップパソコン」と回答があるはずです。
ですが、回答者によって投げやりに回答してしまい「過去に一度も利用したことはない」と答える場合もあります。
問1の回答に合わせて問2で選べる選択肢を変えるようにアンケートシステムを組んだり、設問自体の見直しを考えましょう。

また、問1で「使用していない」と答えた人は、「デスクトップパソコン」や「ノートパソコン」などの他の選択肢を選ぶことはありえません。
「使用していない」という選択をした時点で他の選択肢を選べないようにするなどの工夫をしましょう。

3-3.回答不要な設問には回答しなくても良いように設定する

下記の設問を読んでみてください。

【例】
問1.あなたが過去に飼ったことのあるペットを以下のうち3つお答えください。
・犬
・猫
・うさぎ
・ハムスター
・鳥
・その他
・ペットを飼ったことはない
問2.ペットのエサ代には月平均でいくらかかっていますか?
・1000円以下
・1001円から1999円以内
・2000円以上

この例の場合、問1で「ペットを飼ったことはない」という人は、問2のペットのエサ代について回答できるはずはありません。

設問を飛ばせるようシステムを組んだり、「問1で◯◯を選んだ方のみお答えください」といった案内文を掲載するようにしましょう。

参考:
[調査票チェック項目|NTTコムリサーチ]
(http://research.nttcoms.com/service/check.html)
[調査票の作成|なるほど統計学園高等部]
(http://www.stat.go.jp/koukou/howto/process/proc2_2.htm)

まとめ

調査票を作成する際にポイントとなるのは、以下の3点です。

・回答者の負担を軽減する
・設問の並び順を工夫する
 ・全体の調整を行う

また、細かい設問の言い回しを工夫することでより良いアンケートに仕上げることができます。こちらの記事では、言い回しののポイントを解説しているのでよかったら合わせて参照してみましょう。

参考:
[正しいデータは正しい質問から!アンケート調査における言い回し7つのポイント]
(https://ferret-plus.com/6079)

調査の内容や規模などは異なっていても、アンケートの基本には共通のものがあります。
集計結果をまとめたり、レポートを作成したりと、工夫を凝らして結果をまとめたとしても元データが正しくなければ意味がありません。
まずは基本的なポイントを押さえて、作成を行うようにしましょう。