アンケート調査を行う際、調査票をどのように作成していますか?
自社の知りたい内容を正しく聞き取るためには、調査票の設計は念密に行う必要があります。特に調査結果が今後の施策に関わってくる場合、その責任は増してくるでしょう。

今回は、アンケート調査の設問文作成における7つのポイントを解説します。

設問文ひとつとっても聞き方を間違えれば自社の欲しい回答結果は得られません。
どんな内容であってもアンケート調査を行う上で、質問文は重要な要素のひとつです。
調査を実施したいと考えている方は、適切な設問文を作れるスキルを身につけておきましょう。

回答の形式

調査票作成時には、それぞれの設問に対して調査対象がどのように回答するのかを決めておく必要があります。

設問の言い回しを考える前に、まずは回答の形式について学びましょう。

1.選択的回答方式

いくつかの選択肢を用意して、その中から回答してもらう形式です。
回答数に応じて「単一回答方法(シングルアンサー)」と「複数回答方法(マルチプルアンサー)」に分かれます。

単一回答方法(SA:シングルアンサー)

複数の選択肢から1つだけを選んで答える方法です。集計が容易である一方、調査対象から見て回答が絞れない危険性があります。

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複数回答方法(MA:マルチプルアンサー)

複数の選択肢の中から、数個を選んで回答する方法です。
例えば「『電車』を利用すると答えた人は、『自家用車』を利用している率が平均よりも低い」のように回答の傾向を分析することができます。

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2.自由回答方式

調査対象から自由に回答してもらう形式で、詳細な内容や細かなニュアンスを把握することができます。
回答の中からキーワードを抜き出してまとめたり、回答内容をすべてデータ化したりなど、集計に手間がかかることがデメリットです。

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このように回答形式によって設問文は異なります。
聞きたい内容の性質や求める情報量に合わせて回答形式を決定し、それに合わせた設問文を用意していきましょう。

設問文作成7つのポイント

設問文を作成する時に「聞きたいことは決まってるんだから、あとは質問をするだけ」と考えていませんか?
確かに聞きたいことを決めておくことはもちろん大切ですが、質問する文章が適切かどうかも意識するようにしましょう。

例えば、以下の設問文をみてください。

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この場合、あなたならどのように答えるでしょうか?
なかには「今まで利用したことのある交通機関を全て書けばいいのかな」と考える人もいますし、「この場所にくるまでに利用した交通機関を書くのかな」と思う人もいるでしょう。

このように設問文が適切でないと、回答者によって回答の質が変わってしまう場合があります。実態にあった正しい調査結果を導くためにも設問文の言い回しは重要な要素と言えるでしょう。

参考:
統計の落としアナ|なるほど統計学園 

1.答えを誘導するような質問にしない

回答者の感情を揺さぶり、答えを誘導するような質問は事実と間違った回答を導いてしまう可能性があります。

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例えば、この文章の場合「市営バス=安い価格で利用できる」という良い情報が含まれてしまっています。この設問文では回答者の気持ちが「廃止すべきでない」という方法に向いてしまうでしょう。

また、下記のように事前に回答の見本を記載しておくのも、答えを誘導してしまう可能性があります。一部の回答を大きくしたり、回答ボタンを遠ざけたりなど、不平等な表記になっていないかも確認しましょう。

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2.調査対象にとって理解しやすい言葉を使う

設問内容を正しく理解して回答してもらうためには、回答者の理解できる言葉を使うことが大切です。

専門用語や業界用語は除き、わかりやすい言葉へ書き換えるようにしましょう。

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3.すべての世代、地域共通の言葉を使う

一部の世代にのみ通じる言葉や、世代間で認識の異なる言葉は使わないようにしましょう。
また、地域により認識の異なる言葉を使用することも控えましょう。

例えば「本土」という言葉を聞いた時、多くの北海道民は本州を思い浮かべますし、その他の地域の場合は「日本全土の事?」と疑問に思ってしまいます。

自分では意識しないままに使用している場合もあるので、設問文は複数の人にチェックしてもらうようにしましょう。

4.1つの質問項目では1つしか質問しない

1つの項目の中に複数の質問を含んでしまうと、回答者の混乱をまねき、正しい回答が得られない場合があります。

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このような設問文では「運転手のサービス」には満足しているけれど、「バスの乗車料金」には満足していない人は回答できません。
シンプルな構成を心がけるようにしましょう。

5.一般的な行動なのか、一定期間の行動なのかを明らかにする

設問では一般的な行動について聞いているのか、一定期間のみに絞ったものなのかを明らかにするようにしましょう。

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例えば「あなたは路面電車を利用しますか?」という質問では、聞きたい内容が「普段から路面電車を利用しているか」なのか「最近利用しているか」なのか、わかりません。
自社が聞きたい内容に合わせて、どちらを指し示しているのかを明確にしましょう。

6.選択肢の漏れをなくす

選択的回答方式の場合、どんな人であっても回答できるよう選択肢に漏れがないように気をつけましょう。

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例えば上記の設問では、職業についていない人が選択できる項目がありません。
「その他」のような選択肢を設置することで、回答がこぼれてしまうのを防ぎましょう。

7.重複した項目を作らない

選択肢は重複してもいけません。
例えば、以下の例では公立学校の「教職員」は「公務員」に含まれます。

その場合、回答が分散してしまい、正しい結果が得られないでしょう。

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参考:
[調査票チェック項目|NTTコムリサーチ]
(http://research.nttcoms.com/service/check.html)
[調査票の作成|なるほど統計学園高等部]
(http://www.stat.go.jp/koukou/howto/process/proc2_2.htm)

まとめ

設問文を考えるときは、調査対象によって用語の認識にズレが生じるものや理解できないものは除くようにします。また、選択肢は「漏れなく・ダブリなく」を意識して設定しましょう。このような思考方法はMECEと呼ばれ、設問文の作成だけでなくマーケティング分野においても役に立ちます。

調査を行う際には自社どのようなデータを求めているのかをはっきりとさせた上で、その要望とズレが生じないように設問文まで細かくチェックするようにしましょう。

こちらの記事ではMECEについて詳しく解説しています。調査設計にも役にたつ思考方法なので、ぜひ活用してみましょう。

参考記事:
[MECEって?ロジカルシンキングの基本的考え方を理解して思考の抜け漏れを防ごう]
(https://ferret-plus.com/4387)