取引先や社内でデータのやり取りをする時、どのようなツールを利用していますか?
容量の小さなものであれば、メールにそのまま添付する方法をとる方が多いでしょう。
ですが、大量の画像や動画のようなデータ量の大きなものはやり取りにも気を使います。

そのような際に使える方法の1つがデータの圧縮です。
特定の操作を行うことで内容を保持した状態でデータの量を減らすことができるのがデータ圧縮の特徴です。
複数のファイルを1つにまとめることもできるため、メールで送信する際にも1つずつ添付する必要がなく、手間がかからないでしょう。

今回は、データ圧縮を利用する際の注意点と無料の圧縮・解凍ツールを紹介します。
わずらわしいデータのやり取りをなくすためにも、圧縮・解凍を活用していきましょう。

※解凍と近い使われ方をしている言葉に「展開」がありますが、今回は「解凍」に統一して記載しています。ご了承ください。

データ圧縮を利用する際の注意点

画像や動画、文書など、様々なデータを取り扱うなかで気になるのがデータの容量です。
含んでいるデータの量が大きすぎるとメールなどのシステムが利用できなくなるだけでなく、データを扱っているシステムが遅くなってしまうこともあります。

取り扱うデータの数を減らすのが一番シンプルな方法ではあるものの、パソコン内にどうしても残しておきたいファイルや相手に一度に送りたいファイルなどは多いでしょう。

そんな時に便利なのが、データ圧縮ファイルを作成する方法です。
ZIPやLZHなどのファイル形式に「圧縮」して相手先に送り、相手は「解凍」することで元のデータを確認することができます。

データのやり取りの際に圧縮・解凍によって齟齬を生まない様に、以下の点に注意するようにしましょう。

1.圧縮の種類に注意する

データの圧縮には大きく分けて2つの種類があります。

可逆圧縮(かぎゃくあっしゅく)

圧縮したデータを解凍することにより、元のデータを復元できる形式のものです。
この形式の場合は、数学的な置き換えを行うことにより圧縮を行います。

簡単に言うと「aaaaaaa」というデータを数字でまとめると「a7」のようにまとめられるでしょう。この時、双方を表す文字数は7文字から2文字へと減っているため、データとして軽くなります。

データを送る相手側の環境によっては、元のデータに復元できない場合もあるので注意しましょう。

例:ZIP、EXE、SITなど

不可逆圧縮(ふかぎゃくあっしゅく)

不可逆圧縮とはデータを解凍しても、元のデータを完全には復元できない形式のものです。
数学的な置き換えを行う可逆圧縮に対して、不可逆圧縮では消去しても問題があまり大きくないと思われる部分を消去する方法をとります。

そのため高い圧縮率を実現することが可能なのがメリットです。
画像や動画の場合は画質や音質といった、品質が下がるので注意しましょう。

例:JPEG、GIF、MP3、DivXなど

参考:
[データ圧縮のしくみ - 可逆圧縮と非可逆圧縮|セザックス株式会社]
(http://www.sezax.co.jp/monthly_up/vol_84.html)

2.相手が解凍できる環境にあるかを意識する

圧縮したファイルをやり取りする際に気をつけたいのが、送る相手側の環境がどのようになっているかです。
圧縮したファイルは解凍することで確認することができるので、相手のパソコン内に対応している解凍ソフトが入っていないと送っても確認することができません。

WindowsXP以降のWindows同士なら、標準機能として搭載されているZIPを利用すれば比較的トラブルなくデータをやり取りできます。
MacでもZIPは使用できますが、Windowsとやり取りする際に文字化けが発生してしまいデータが開けない可能性があるので注意しましょう。

参考:
[ファイルを圧縮する方法と展開する方法を教えてください。|富士通Q&A]
(https://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?PID=9105-8222)
[OS X El Capitan: ファイルやフォルダを圧縮する/展開する|Appleサポート]
(https://support.apple.com/kb/PH22194?locale=ja_JP)