ユーザーとのトラブルを避けるため、ホームページによっては著作権や免責事項についてユーザーへ案内を行う「利用規約」を設置しています。
利用規約は法的に掲示を義務付けられているものではなく、運用する側の任意で作成するものです。ですが、特にネットショップやWeb上でサービスを提供しているサイトにとっては、ユーザーとのトラブルを防ぐために設置することもあるでしょう。

今回は、ホームページの利用規約の法的な立ち位置と参考となる事例を解説します。
他社の事例を参考にしながら、自社のホームページに含むべき内容を洗い出していきましょう。

ホームページ利用規約の法的立ち位置

利用規約はホームページの運営者側がユーザーに対してホームページを利用する上でのルールを提示しているものです。
ページの最下部からアクセスできるようにしたり、会員登録時に目を通すようになっていたりとホームページによって設置されている箇所は異なります。

このような利用規約は法律によって掲載が義務付けられているものではありません。

例えば、会員情報などの個人情報を取得するホームページでは個人情報保護法に則った個人情報の取り扱いが求められ「プライバシーポリシー(個人情報保護方針)」としてまとめて掲示します。また、ネットショップのような販売活動が発生するホームページは「特定商取引法に基づく表示」が必要となります。

このような法的に掲載する必要があるページとは異なり、あくまで運営者側からの案内にすぎません。

利用規約の法的拘束力

では、掲載が義務付けられていない利用規約を掲載するメリットはどこにあるのでしょうか。
メリットの1つには、万が一ユーザーとのトラブルが発生した場合、運営側の主張を行える法的根拠となることが挙げられます。

利用規約に対して同意が得られている場合、保険契約の「約款」のように運営側とユーザー側に法的な拘束力の発揮するものとなります。
そのため運営側の責任の範囲を明確にした「免責事項」やユーザーに対して禁止行為と行為を行った際の罰則を記載するなど、企業のリスクを軽減する内容を記載するのが一般的です。

ただし利用規約を掲げているからといって必ずしもユーザーがその全てを守るとは限りません。利用規約はあくまでルールです。
同意を得るタイミングなく掲示だけ行っている場合は法的な拘束力を持たない場合もあるので注意しましょう。

そのようなトラブルの防止やトラブルが実際に発生した際の法的根拠となるだけでなく、ユーザーに利用方法を案内する意味でも利用されています。
例えば商標登録や著作権に関する表示など正しい利用方法を促す記載を行うことでユーザー自身にとっても利用しやすいホームページとなるでしょう。

近年では利用規約だけでなく、ソーシャルメディアポリシーと呼ばれるSNSを通じた情報発信について方針をまとめたページの掲載も見かけるようになりました。
ホームページだけでなくSNSでもこういったトラブルの防止に関わる規約は重要視されています。

こちらの記事ではソーシャルメディアポリシーについて詳しく紹介しています。よかったら参考にしてみてください。

参照記事
[コカ・コーラ社のソーシャルメディアポリシーがすごい!参考にしないと勿体無いレベル]
(https://ferret-plus.com/291)

参考:
[Webサイトの利用規約]
(http://kiyaku.jp/)
[利用規約書き方講座|塩坂行政書士事務所]
(http://netkiyaku.com/kakikata/)
[サイト利用規約の作成の仕方|井藤行政書士事務所]
(http://www.itoh.fullstage.biz/webbusiness/topics/020.html)
[エンジニアも避けては通れない「安全な利用規約」の作り方|@IT]
(http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1302/05/news091.html)

利用規約の掲載事例

では、実際に利用規約をホームページで掲げている企業の事例について見ていきましょう。
提供しているサービスごとに3種類紹介します。

Web上でサービスを提供している場合:Google

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https://www.google.com/intl/ja/policies/terms/

Web上での検索サービスを提供しているGoogleでは、以下のような利用規約を掲げています。

Google利用規約構成(一部)
【本サービスのご利用】
サービスの立ち位置や禁止事項の案内
【プライバシーおよび著作権の保護】
プライバシーポリシーへの案内及び著作権侵害に関する通報について
【本サービス内のユーザーのコンテンツ】
Google上で扱うコンテンツへGoogleがどのような扱いを行うか
【本サービス内のソフトウェアについて】
Googleが提供するソフトウェアのライセンスについて
【本サービスに対する責任】
責任及び補償の範囲
【本規約について】
規約自体の追記・修正について

Googleではサービスの内容や責任の範囲を明確に明示しているのが特徴です。

ユーザーは、本サービスを利用することにより、本規約に同意することになります。以下を注意してお読みください。

また、規約の冒頭ではこのようにサービスを利用した時点でユーザーは規約に同意していると注意書きをしています。

ネットショップ:Amazon

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https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html/ref=jp_surl_conditions?nodeId=201909000

ネットショップ最大手であるAmazonでは利用規約の他にも以下のように特定商取引法や薬事法に基づく表示、プライバシー規定の掲載を行っています。

Amazon.co.jp プライバシー規約
特定商取引法に基づく表示
一般用医薬品、動物用医薬品に関する表示

利用規約自体も商品の返品および返金に関する記載や商品購入時の契約の発生するタイミングなど、内容が細かく定められています。

商品の販売には金銭のやり取りが発生するので、トラブルが発生しやすい分野です。
規約を設定する際は、行政書士や弁護士といった専門家の意見を元にするなど慎重に規約をまとめるようにしましょう。

コーポレートサイト:味の素グループ

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https://www.ajinomoto.co.jp/terms/

食品メーカー大手の味の素グループでは、企業の情報を掲載したコーポレートサイトにて以下のようにホームページの利用規約を定めています。

1. ご利用にあたって
2. 禁止事項
3. 著作権等について
4. 免責事項について
5. 個人情報の取り扱いについて
6. 推奨環境
7. 新しい商品の開発等に関するご提案について
8. リンクサイトについて
9. クッキー(Cookie)
10. 準拠法・管轄裁判所について
* WEB解析ツールについて

利用する上での禁止事項だけでなく、Web特有の機能に関しても言及しているのが特徴的でしょう。

  • クッキー(Cookie)やWEB解析ツールによって情報取得を行っている旨を事前にユーザーに通知するだけでなく、推奨環境やリンクについて明記することでユーザーへの利用案内を行っています。*
    また、商標や著作権に関する取り扱いなどを明記することで、ホームページ内のコンテンツや商品名の無断使用を禁じています。

まとめ

利用規約は、ユーザーへホームページを利用する際のルールを案内する手段として使われています。案内することにでトラブルを防ぐだけなく、実際にトラブルが起こった際の法的根拠としても利用できます。しかし、ただ掲載するだけでは法的根拠とならない場合もあるので注意しましょう。

業種やホームページ上で提供しているサービス、企業の方針によって内容が異なります。
自社にあった記載方法はどのようなものなのか、他社の事例や専門家の意見を参考にしながら作成するようにしましょう。