日々の活動の中で、メールや企画書の作成、SNSでの発信やブログの執筆など、ライティングを必要とする行為は複数挙げられます。
情報を発信するための手段として考えた場合も、文章、画像、動画といくつかありますが、その中でも画像や動画の作成と異なり、「書く」ことはより身近な行為と言えます。

ビジネスシーンにおいて、これから情報発信を始めようとする方にとっては身近な行為である「書くこと」、つまりライティングを通じた情報発信がシンプルかつ相手に想いを伝えやすい手法だと言えそうです。
  
とはいえ、いきなり書き始められる人は多くありません。

そこで今回は「ライティング」を始めたいと考える人の背中をちょっと押す方法をお伝えします。ビジネス上、記事コンテンツ制作やブログ制作を業務とされている方、ぜひ一読ください。
  

文章は書く前の準備が大事

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文章をいきなり書き始めると、書いているうちに「自分は何を伝えたかったのか」がわからなくなることがあるはずです。

ブックライターの上阪徹さんの著書『文章は「書く前」に8割決まる』では、「文章を書けるようになるための秘訣は、文章を書く行動そのものにあるのではなく、『書き始める前』にある」と語っています。

記事を書く前に、誰に、何を伝えたいのかといったことを整理しましょう。「なぜこの記事を書くのか」を考え、記事を書く目的を明らかにします。「誰に届けたい記事なのか」を考え、具体的な読者を想像します。

記事の目的と読者像を整理したら、記事のアウトラインを考えていきます。アウトラインとは文章における骨子や構成案のことで、文章を書き始める前にアウトラインをつくる際は、人に何かを話して説明する時のことをイメージすると情報を伝える順番が整理しやすくなります。
  

人に話すように書く内容を考えてみる

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人に話をするように考えることは、アウトラインを作るため以外にも書くハードルを下げることにも役立ちます。

ブックライターの上阪徹さんは、著書『職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法』の中で、すらすらと文章を書くノウハウの1つとして「人に話すように書く」を挙げています。

人に話をすることは、誰もが日常的に行うことです。どんな話から入ると興味を持ってもらえるだろうか?この人の知識に合わせるには、どう伝えるといいだろうか?どう話に落ちをつけようかなど、色々と考えながら話をしているはずです。

なぜか話すことはできるのに、書くことはできないと思ってしまう人がいますが、「人に話すように書けばいいんだ」という気持ちをまず持つようにしましょう。「書く」ことを特別なことだと考え過ぎないように気を付けてみてください。
  

考えたことを文章にすることに慣れる

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書くことのハードルを下げるためには、「上手な文章」を書こうとするのをやめることも大切です。最初から完璧な文章を書ける人はいません。完璧な文章を書こうとすると、なかなか書き始めることは難しいものです。文章を書き始めるために、まずは上手く書こうとするのをやめる必要があります。

もう1つ、書くハードルを下げる上でオススメの手法を紹介しましょう。その手法とは「ノンストップ・ライティング」です。

「ノンストップ・ライティング」は制限時間を決めて、とにかく書き続ける手法で、誤字・脱字や文法の誤りがあっても修正せずに、思いつくままに書き続けることが大切です。「何も書くことが思い浮かばない... ...」という時も、「何も書くことが思い浮かばない」と書き進めていきます。

まず、考えていることを文章にすることに慣れることで、「完璧に考えを整理した上で、上手い文章を書こう」という心のブレーキを壊し、書くことに対するハードルを下げることができます。

「ノンストップ・ライティング」には、書くハードルを下げるだけではなく、新しいアイデアを見付けたり、思考を整理したりすることにも活用できます。書くテーマが見つからなくて書けない時も、とりあえず書いてみることで、テーマを見付けられることも決して珍しくありません。
  

まとめ

「書くための準備」と「書くハードルを下げる」について紹介してきました。これで書き始める最初の一歩を踏み出すことができます。

ライティングのスキルを磨いていくためには、日常的に書き続けることが必要です。一歩を踏み出しただけに留まらず、歩き続けてください。

書いて、人に見てもらって、フィードバックを受け、また書く……。このPDCAサイクルを小さく回すことが大切です。このサイクルを回していくと、ライティング力も次第に上達していきます。

自ら日常的に文章を書いて発信する状態「ライティング体質」になることを目指して、文章を書いていきましょう。