「使いやすさ」の意味を含む「アクセシビリティ」「ユーザビリティ」「ファインダビリティ」

アクセシビリティ

アクセシビリティは、どんなユーザーでもアクセスしやすい、使いやすい状態を指します。
Webではもちろん、施設や交通の利便性など、オンライン・オフライン関係なく使われる概念です。

利用者の層が幅広いサービスは、アクセシビリティを重視するべきでしょう。

国籍や言語、身体能力や年齢などに左右されない使いやすさの実現を目指すという意味では、「ユニバーサルデザイン」や「バリアフリー」に通じるものがあります。

ユーザビリティ

ユーザビリティは、日本語では「有用性」と訳されます。
ISO規格では、「ある製品を特定の利用者が特定の目的を達成しようとするにあたって、特定の状況でいかに効果的に、効率的に、満足できるかの度合い」と定義しています。

引用:
ユーザビリティ・HCDの定義|U-Site

ユーザビリティは「特定のユーザー」が「特定の目的」を達成しやすくするための方法論です。
例えば、若年層の女性向け化粧品を販売しているネットショップが、ターゲット層の女性に向けて広告を配信したとします。
広告経由で商品ページに訪れた女性に、商品に関心を持ってもらい、購入を完了してもらうための情報や操作のわかりやすさを追求するのが「ユーザビリティ」です。

女性向けの化粧品なので、対象となる女性にとってわかりやすく、使いやすければ良いのです。
ターゲット外のユーザーに対しての使いやすさはそれほど考慮する必要はないでしょう。

ファインダビリティ

ファインダビリティは「情報の見つけやすさ」という意味で使われます。
Webに限らずあらゆるシーンに適用されますが、特にWebの場合は情報量が膨大なため、ファインダビリティが重視されます。

ファインダビリティは、ユーザーが普段から慣れ親しんでいるモノの情報に大きく左右されます。

例えば、普段Macパソコンを使っているユーザーが、パナソニックのレッツノートを利用する際、電源ボタンがどこにあるのかすぐに見つけることは難しいでしょう。
Macはキーボード上に電源ボタンがあるのに対し、レッツノートの場合はキーボードの側面部分にあります。
Macユーザーにとっては「電源ボタンはキーボードの右上にあるもの」ということが当たり前になっているため、それ以外のどこに電源ボタンがあるのか想定しづらいのです。

ファインダビリティを考慮するなら、対象となるユーザーが普段どのようなモノを使い、どのような情報に触れているかを把握したうえで情報を配置します。
対象ユーザーが幅広い場合は、誰にとってもわかりやすい普遍的な設計にする必要があります。

アクセシビリティ・ユーザビリティ・ファインダビリティの違い

ユーザビリティが「特定のユーザーにとって製品やサービスが使いやすいか」を指すのに対し、アクセシビリティは「すべてのユーザーにとってアクセスしやすいか」どうかを指します。対象とするユーザーが違うことを覚えておきましょう。

情報の見つけやすさを指すファインダビリティは、「誰にとっても見つけやすい」「特定のユーザーにとって見つけやすい」双方の意味合いがあるので、アクセシビリティとユーザビリティどちらにも通じる概念と言えるでしょう。