全世界がパンデミックで混乱に陥ったコロナ禍。ワクチン接種の普及により重症患者の大きな発生が抑えられ、観光等の緩和で人との交流も増えてきています。

しかし、コロナ禍前とワクチン接種後の現在では、人々の生活意識は大きく変わっているのが実状です。マスマーケティングを考えるとき、こうした意識の変化をすばやくとらえ、情報分析し効果的にビジネスに生かしていくことが重要です。

アフターワクチンのいま、あらためて消費者のニーズがどのように変化したのか検証し、どのようにビジネスに取り込んでいくのか、解説します。

目次

  1. コロナ前・後の消費者意識をつかむ重要性
  2. アフターワクチンのいましたいこと【アンケート結果】
  3. アフターワクチンのいましたいこと【WEBログで深掘り】
  4. 生活者の意識調査はマーケティングに不可欠
  5. アフターワクチンの消費者意識は多面的に調査を

▼アフターワクチンでの意識変化のデータを知りたい方はこちら

コロナ2年目のいま調査【アフターワクチン展望編

コロナ2年目のいま調査【アフターワクチン展望編

アンケート調査とWEBログで知る“コロナ2年目のいま”~アフターワクチン展望編~

コロナ前・後の消費者意識をつかむ重要性

2020年4月に緊急事態宣言が発令され、コロナ禍による生活様式の変化が急激に起こりました。それまで通常に行われていた他の人との接触が、一気に制限されることになったのです。人との交流は自由で個人的な営みのみならず、経済にも大きく影響を与える重要な行動指標です。

人的交流から発生する「ミクロ経済」が、コロナ禍によって「マクロ」経済にも大きな影響を与えました。社会の中で、コロナ前・後の消費者の意識が実際どう変わったのかをつかむのは、変化を認識し客観的に分析するための重要な資源なのです。

消費者意識の変化をデータ分析で可視化

コロナ前・後で消費者の意識がどのような変化をしたのかを、文字や数字で情報集積するのは重要なことです。さらにそうした情報を詳細に分析し、グラフなどでビジュアル化することで一目で分かりやすく、効果的です。プレゼン資料にも使用でき、新規商品やサービスを推進する場合に強力な助けとなるでしょう。

的確な運用で業績アップに生かせる

アフターワクチンの消費者意識は、いま、何がもとめられているかを示す指標にほかなりません。あるいは、近い未来に成し遂げたい希望・展望でもあります。その思いが強いほど、人は実際の行動に移しやすくなるため、希望・展望の強さに着目する情報運用で、業績を上げる一因とすることができます。

アフターワクチンのいましたいこと【アンケート結果】

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ワクチン接種後、行動制限やマスク着用の緩和がされつつあるいま、「外出への抵抗感」「これから行いたいこと」「これから行いたいことはいつやるか」について回答を得ました。

1.外出への抵抗感について

外出への抵抗感を感じているか、という質問では、「やや感じている」と答えた割合は36.1%で一番高くなっています。次いで多いのは20.7%で「感じている」と「あまり感じていない」と答えた層です。また、強弱はあれ、「感じている」と答えている層は全体の66.1 %となり、コロナ1年目と比較すると7.1%減っています。

「あまり感じていない」層は、コロナ1年目と比べると、3.3%上昇しています。行動制限などが緩和され、外出もある程度気兼ねなく行けるようになると、人々の外出への抵抗感も少しづつ薄れてきていることが分かります。

2.これから行いたいことは?

これから行いたいことは、49.9%で「国内旅行」、41.9%で「外食」の二つが40%超となっています。「映画館での映画鑑賞」が25%、「遊園地・テーマパーク・動物園などへのお出かけ」が22.4%、「コンサート・ライブに行くこと」で19.7%の人々が行いたいことを挙げています。実はこれらの行いたいことは、コロナ1年目でも変わらない結果でしたが、1年目と比べて「コンサート・ライブに行くこと」が、約2%高くなっており、そのほかは割合自体は減っています。コンサート・ライブに行くことがまだまだハードルが高いことが窺える結果といえるでしょう。

3.これから行いたいことはいつやる?

この設問からは、「関心が高まっている」ことが何なのかが分かります。「パート・アルバイトの開始」が最も多く65.9%の人が早いうちに始めたいと感じています。次いで「国内旅行」「遊園地・テーマパーク・動物園などへのお出かけ」となります。住宅のリフォームや結婚など、資金の必要な事案についてはまだ先のこと、ととらえている人が多くいるようです。アフターワクチンを楽しむための資金を得ることが先決と考える割合が多いことが分かります。

アンケート回答者の「ワクチン接種状況」「回答者属性」については、PDF資料をご覧ください。回答者の属性や環境から、効果的なターゲティングが可能となります。成果を上げるための助けとなるので、是非ご一読ください。

▼アンケート回答者の「ワクチン接種状況」「回答者属性」はこちらをチェック

コロナ2年目のいま調査【アフターワクチン展望編

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アンケート調査とWEBログで知る“コロナ2年目のいま”~アフターワクチン展望編~

アフターワクチンのいましたいこと【WEBログで深掘り】

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アフターワクチンのいま、「これから行いたいこと」で回答が多かった「旅行」「外食」「映画館での映画鑑賞」について、実際どういった行動がとられていたか、WEB行動ログで深堀りした結果を紹介します。

1.旅行

深掘りをする場合に重要なのは、単に「旅行」だけで追うのではなく、関連する他のキーワードを掛け合わせること、そして旅行に関心を持つ見込み客の動向をチェックすることです。旅行=宿泊と考えた場合に、宿泊アプリなどのユーザーの検索数などで指向をチェックしました。

ワード掛け合わせで見えた感染状況時の意識変化

検索数の多い掛け合わせワードが徐々に変化していきます。コロナ1年目では、「GOTOキャンペーン」などの掛け合わせが多く関心の高さが窺えます。コロナがまだ蔓延している最中は「お出かけ先・予約先」の検索が多く、実際はいけないけど関心があるという意識が見えます。2年目になると、「ワクチン接種後」など、アフターワクチンの旅行についての関心が高くなっているようです。

宿泊アプリ検索ユーザー数はゆっくり回復

じゃらん、楽天トラベル、トラベルコなど宿泊アプリの検索ユーザー数を調査すると、いずれも2020年4月以降ユーザー数が減少。GOTOキャンペーンにより持ち直したが、楽天トラベル以外は度重なる行動制限により、2021年9月の時点でコロナ前の19年同月までには戻っていないことが分かります。コロナ罹患者数が多くなればなるほど、宿泊アプリ検索ユーザー数が減少する反比例の状況が続きました。しかし、ワクチン接種も4回目を数えるアフターワクチンのいまでは、検索数もゆっくりと回復し、予約者数も増加。観光業界も活性化が期待できそうです。

2.外食

外食産業も、コロナ禍の影響を大いに受けました。グループでの会食が制限され、黙食が奨励されるなど外食においてもスタイルが大きく変わりました。

コロナ前より伸びた?2大外食アプリ検索数

グルメサイトの食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメなどの検索ユーザー数を見てみると、1回目の緊急事態宣言が発令されたときは軒並み減少しましたが、その後のGOTOイート、第2回緊急事態宣言などコロナの流行と緩和策が交互に世にでるものの、着実に伸長していると見られるのが、食べログとぐるなびです。この2大外食アプリの検索ユーザーはコロナ前より伸びているという結果です。要因はさまざまですが、個食が増加している中、人気のある店、美味しい店を見つけて個人的に楽しみたいという意識があるのかも知れません。

3.映画館での映画鑑賞

アフターワクチンで行いたいことの最後が映画館での映画鑑賞です。映画自体は自宅でもさまざまなコンテンツから視聴することができますが、フルスクリーン、音響、雰囲気など映画館には多くの魅力があります。

待っていた!コロナ2年目すぐ伸びた映画館公式サイト

TOHOシネマやイオンシネマなどの映画館公式サイトの検索ユーザー数は、緊急事態宣言で外出や人が多く集まる場所への行動の制限があったときは大きく減少しましたが、宣言解除とともに、急激に検索ユーザー数が増え、アフターワクチンのいまでは、コロナ前の水準に戻っています。多くの人が、自宅ではなく大きなスクリーンでゆっくり鑑賞したい、そんな意識が如実に表れています。

「旅行」「外食」そして「映画館での映画鑑賞」の、各関心事案の詳細データはアンケート結果資料をご覧ください。コロナ禍の人流抑制の動きに対して、各キーワードがどのような検索変遷をたどっているのか一目で分かるようになっています。

▼詳しいアンケート調査結果はこちらから

コロナ2年目のいま調査【アフターワクチン展望編

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アンケート調査とWEBログで知る“コロナ2年目のいま”~アフターワクチン展望編~

生活者の意識調査はマーケティングに不可欠

いわゆる市場調査(マーケティング)は市場のニーズをキャッチ・分析し、活用していくことです。ターゲットが何を思い、何をしたいのかといったニーズや、状況に応じて変化する意識の動向をつかむためにも、意識調査はマーケティングには不可欠です。

アンケート調査の特徴と選び方

意識調査で多く用いられるのがアンケートです。アンケートには「定量調査」と「定性調査」の2種類があります。

「定量調査」は大人数を対象に調査を行う場合に用いられ、結果を解釈する場合の大まかな傾向を知る場合に有効です。

「定性調査」は、面談などで一人ひとりの意見を聴取する場合に用いられます。質が高く深い意見も汲み上げることができることがメリットです。アンケートを実施する目的によって、定量調査か定性調査かを選びましょう。

WEBログで調査結果をさらに深掘り

アンケートと共に利用するとより精度の高い調査ができるのがWEBログです。ネット上でのユーザーの行動はログにより集積され、ビッグデータとなります。キーワードの掛け合わせにより、情報が深掘りされ多くのユーザーの行動が可視化されます。アンケート調査とともに用いると、より利用価値の高いソースとなります。

アフターワクチンの消費者意識は多面的に調査を

アフターワクチンでは感染者数の増減はありつつも、経済活動の活性化を図るため、消費者の行動は多くを規制されない可能性があります。そのため、やりたかったことをスタートさせる消費者も状況に応じ段階的に増えています。こうした事実に基づくデータ分析は、ターゲティングのほか新規商品・サービスなどの開発にも有効です。

マーケティングでは市場調査は不可欠であり、従来のアンケート調査に加え、WEBログでアクセス解析を取り入れるなど多角的な調査方法を取り入れましょう。一方で、調査やデータ分析は、詳細に行えば行うほど、情報に埋もれ、機能不全に陥ることも少なくありません。専門的に行っているプロに依頼すると、的確な情報を得られるため効果的です。

▼アフターワクチンでの意識調査データはこちらから

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