JPGやGIFといった画像フォーマットはインターネットが普及した当初から使われており、今でもその存在感は消えることはありません。
GIFは透過色を扱えたりアニメーションを表現することができ、JPGは256の3乗である16,777,216色を扱うことができるので、写真を表示するのに最適な画像フォーマットです。

2003年の国際標準化を境に、一気に知名度を広げたのが「PNG」と呼ばれる画像フォーマットです。可逆圧縮の画像フォーマットのために、何度圧縮しても圧縮による画像劣化がなく、約280兆色を指定することもできます。

そしてここにきて注目を集めているのが「SVG」と呼ばれる画像フォーマットです。一般的にSVGはベクターデータを扱っているフォーマットとして認識されていますが、なぜ今注目されているのでしょうか。

今回は、SVGを使いこなすために最低限知っておきたいSVGの概要を紹介します。

ビットマップ画像とベクター画像

コンピュータで画像を扱う方法にはいくつかありますが、大きく分けると「ビットマップ画像」と「ベクター画像」の2つに分けられます。

ビットマップ画像

ビットマップ画像

ビットマップ画像(Bitmap graphics)は、画像を格子状に細かい点(ピクセル, 画素)に分割し、それぞれの点に色や輝度などの情報を与えて表現する方法です。

ビットマップは性質上、画像を拡大してしまうと1ピクセルの大きさも大きくなってしまうため、どうしても画像がギザギザに粗くなってしまいます。
そのため、解像度が高くてもきれいに表示するには画素数を増やして画像ファイルを保存するのが一般的ですが、画素数を増やせば増やすほど容量も大きくなってしまうので、画素数の多い画像はインターネット環境で閲覧するのには不向きだと言われています。

これまでインターネットの世界で使われていた「GIF」「JPG」「PNG」はすべてビットマップ画像です。
これらのデータはインターネット環境で閲覧しやすいように、圧縮して保存するのが一般的です。

ベクター画像

ベクター画像

一方、ベクター画像(Vector graphics)と呼ばれる画像形式は、画像を点の集合で表現するのではなく、複雑な計算式によって色や曲線を表現しています。

ビットマップだと画像を拡大すると画像がギザギザに見えてしまいますが、ベクター画像は画像を計算式で表現しているので、画像を拡大縮小すると、その計算式の値を変えながらその都度描画しなおします。

ただし、ベクターデータは計算式によって画像を表現しているので、写真などたくさんの色を使う描写には不向きだと言われています。
なぜなら、風景などの複雑な画像をすべて計算式によって図形として扱うには膨大な計算が必要になるからです。

こうしたベクターデータは、これまでAdobe Illustratorをはじめとする専用の編集ソフトの形式によって保存されることがほとんどでした。
しかし、SVGフォーマットがサポートされたことで、インターネットブラウザでも気軽にベクターデータを扱うことができるようになりました。