ウェザーマーチャンダイジングに取り組むステップ

商品の特性を掴んだら、実際に自社でウェザーマーチャンダイジングを取り組む方法を考えてみましょう。女性向けのアパレル系ネットショップを想定して、3つのステップごとに紹介します。

1.気候と商品の売上の関係の仮説を立て、検証する

まず最初に気候と商品の売上がどのように関係しているか仮説を立てて検証します。
例えば「冷感素材で作ったストールは、気温の上昇に合わせて売れるが、真夏日になるとストールすら邪魔に感じて売れないのでは?」のような仮説を立てたとしましょう。

この仮説をもとに冷感素材で作ったストールの販売実績と、それに対応する過去の気温データを調べます。
気象庁では、場所と項目、期間を指定して過去の気象データを取得できるサービスを公開しています。CSVファイルとしてダウンロードもできるので、資料作成にも役立つでしょう。

▼過去の気象データ・ダウンロード|気象庁
http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/

2.影響を与える気候が発生する可能性を見積もる

気候に影響される商品がわかったら、次に、実際にどこまで売上に影響を及ぼすかを予測します。
例えば、冬用タイヤのような異常気象型商品の場合、大雪が降る確率が低ければ、そもそも売上に及ぼす影響も低いでしょう。

先ほどの例をあげると「冷感素材で作ったストールは気温が30°C以上の日が3日以上続くと販売数が増大する」という事実をもとに、気温が30°C以上の日が3日以上続く可能性を検証する必要があるでしょう。

参考
[漠然と認識した気候リスクをより"はっきり"と把握する|気象庁]
(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/riskhyoka.html)

3.過去の数値と気象予報を使って見通しを立てる

商品と気象の関係を認識し、なかでも売上に大きな影響を与える商品がわかったら、具体的に売上予測を立てていきます。

過去の一定期間から平均値を導き出し、今年の売上予測を立てましょう。

その際には、平均値だけでなく変動幅を認識しておくことも大切です。
「この期間は暑くなったり寒くなったりと大きく変動しているから、平均値では判断しないほうがいい」といったことがわかるでしょう。

また、より高度な予測を立てるには週間予報のような比較的短期的な気象予報だけでなく、長期的な予報を参考にします。
気象庁では、週間予報よりも先の予報を予測資料として提供しており、平年に比べ、どの程度気温の変化が現れる可能性があるか把握できます。
商品の発注に時間がかかる場合や予算の設定を行う際には、こういった長期予測も合わせて参考にするといいでしょう。

▼各種予測資料(異常天候早期警戒情報・1か月予報)|気象庁
http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/probability/index.html

参考:
統計値を使って見通しを立てる|気象庁
[予測値(数値予報モデルの計算結果)を使って見通しを立てる|気象庁]
(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/taio_yosoku.html)
[気象情報を活用して気候の影響を軽減してみませんか?|気象庁]
(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/)