「自社がどんなにマーケティングに力を入れても、地域自体に人がいないから成果が実感できない」という悩みを持ったことはありませんか?

日本国内の人口が減少しているなか、東京や大阪などの大都市圏へ人が移動してしまっていることでさらに地方の人口は減少しています。
そんななかで自社だけが効果的なマーケティングを行っていても、地域に人を呼び込めなければ施策も頭打ちになってしまうでしょう。
では、マーケティングから地域活性化につなげることはできないのでしょうか?

今回は、地域活性化につながったマーケティング事例を解説します。
地域住民や企業を巻き込んでいくことで地域のブランドとして定着し、自社だけでなく地域全体の価値が高まって行きます。結果として、取り組みの幅の広がり、より大きな利益を生み出していけるでしょう。

参考:
「選択する未来」委員会提出資料人口減少問題と地方の課題|総務省
[第3部 最近の地方財政をめぐる諸課題への対応|平成29年度地方財政白書 総務省]
(http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/hakusyo/chihou/29data/2017data/29czb03-01.html)

地域活性化×マーケティング 3つの事例

地域の商品やサービスをより多くの人に知ってもらい、市場を作り出していくマーケティングは地域活性化にもつながります。
魅力が伝わったことで観光として訪れる人が増えるだけでなく、定住する人が現れる場合もあるでしょう。

マーケティングが地域活性化につながった事例を3つ紹介します。
それぞれの地域の魅力をどのように引き出しているのか、注目してみてください。

1.箔一

金箔総合企業「箔一」HAKUICHI_金沢箔工芸、あぶらとり紙、化粧品、食用金箔、建築装飾.png
http://www.hakuichi.co.jp/

箔一は、1975年創業の金箔の製造・販売を行っている企業です、
石川県金沢市に本店を置き、アクセサリーや食用金箔、金箔を利用したコスメなどの金箔商品以外に金箔貼り体験という消費者参加型のサービスも提供しています。

日本国内で製造されている金箔のほとんどは石川県金沢市で製造されており、長年工芸材料として供給されてきました。
ですが、従来、金箔は工芸材料として生産地が明記されることもなく、金箔の生産地としての金沢はあまり知られていませんでした。

それに対して箔一は工芸品を自社で製造し、食用金箔やあぶらとり紙を開発、高級品ではない日用品として金箔を社会に広めます。
結果として、金沢で製造される「金沢箔」が多くの人に知られるようになり、名産品の1つとして広く認知されています。

参考:
岸田氏と大使ら 金沢で伝統体験 海外へ魅力発信狙う|中日新聞
[金沢市観光調査結果報告書|金沢市観光協会]
(http://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/com/img/useful/exchangecity/kankouchousa-2015.pdf)
金箔の魅力を金沢から世界に向けて|箔一

2.WISE・WISE

WISE・WISE 国産材_家具メーカー・製造_販売___宮城県_栗駒山のスギ、北海道のシラカバ、宮崎県_諸塚村のクヌギなど、地産地消の家具作り.png
http://wisewise.com/

秋田県の家具メーカーであるWISE・WISEは2009年にGREEN PROJECTを立ち上げ、国産材と、産地が明らかで木材資源再生が管理されている海外木材(フェアウッド)の仕入れを推進してきました。

プロジェクトとして、滋賀県「セトレマリーナびわ湖」や諸塚村診療所といった各施設で国産材及びフェアウッドを利用し、使用した木材の原産地などを公開しています。

地元の林業者と協力して地域ごとの木材の性質を生かした製品作りにも取り組んでおり、宮城県 栗駒山のスギを用いた椅子は2012年グッドデザイン賞を受賞しました。
こういった取り組みにより、各地域の木材を1つの地域ブランドとして社会に広め、地域の産業として定着するのを支えています。

参考:
[第8回地域活性化マーケティング研究報告会レポート「ワイス・ワイスの地域活性化とエシカルビジネスの取り組み」|日本マーケティング協会]
(http://www.j-mac.or.jp/past-researchproject/10259/)
[WISE・WISE GREEN PROJECT Catalog|WISE・WISE]
(http://wisewise.com/wp/wp-content/themes/pc/pdf/works.pdf)

3.URBAN RESEARCH

“JAPAN_MADE”_PROJECTをスタート___アーバンリサーチ_URBAN_RESEARCH.png
http://www.urban-research.com/news/10605/

URBAN RESEARCHでは「JAPAN MADE(ジャパンメイド)」プロジェクトとして地域の工芸品とコラボした製品を製造・販売するプロジェクトを立ち上げました。

このプロジェクトの最大の特徴は、地域の工芸品とコラボした商品をお土産品とした販売するのではなく、あくまでその地域に出店する店舗の1商品として取り扱っている点でしょう。これは一過性のコラボ商品としてではなく、長い期間をかけて地域のコミュニティに入り込み、地域と店舗の交流を活性化させたいという考えから行われているものです。

参考:
[第6回地域活性化マーケティング研究報告会レポート
「セレクトショップ「アーバンリサーチ」の地域活性化とコミュニティ形成について」|
日本マーケティング協会]
(http://www.j-mac.or.jp/past-researchproject/9186/)
URBAN RESEARCHが取り組む地域活性化活動|independ