分析のプロが教える!絶対に失敗しない分析レポートのポイント。色彩に気を配る編
株式会社ロックオンの松本です。
「人は見た目が9割」という本が今から10年ほど前に流行ったことを、覚えている人はいるでしょうか?
顔つきや仕草、見た目等の非言語コミュニケーションこそ重要と説くこの本を読んで、「人間は理屈じゃない」と考えさせられたことを私は鮮烈に覚えています。
人間は印象、雰囲気、感覚など論理的に説明できない理由で物事を決めることがあります。論理的に説明しても「何か違うよね」と拒否され、この服が似合うと選択しても「私の感覚とは違う」と否定されることは、よくあります。
それなのに、世間巷で溢れているプレゼン資料は数字やグラフを駆使して、これでもかというぐらいに見る相手を論理で説き伏せようとしているのが現状です。
私はマーケティングメトリックス研究所というビッグデータとマーケティングを研究する機関にて、今まで何百回という分析レポートを作成してきました。
そのレポートは、数字とグラフを用いて論理的に何かを証明するものばかりです。ですが、幾つかの「ポイント」を抑えることで、論理的な文章独特の尖り具合を排除し、「非言語」に訴えることに成功してきました。
そのポイントを何回に分けて紹介していきます。今回は「色彩」です。
色は「脳」が認識している
棒グラフをエクセルで作成すると、何とも言い難い色をしたアウトプットが表示されます。凝ろうとするほど、とんでもないものが誕生します。以下がその例です。
原色使いが激しいこれらのグラフは、まるで初めて舞踏会にやってきた垢抜けない田舎者そのものです。これでは、見る側も「ダサい資料だな」という印象だけ残すことになります。
そもそも色を認識するのは「脳」です。目ではありません。脳が色を認識し、その色が持つ印象によって、対象全体の印象を決めてかかります。
例えば、色に対して人間が持つ印象は以下のように分類されると言われています。
黒・・・力強さ、相手を威力する力の象徴。
白・・・純潔さ、純真さ。
黄・・・明るさ、希望の象徴。
赤・・・警戒心・注意力を喚起。人間の感情的興奮や刺激をもたらす。
緑・・・情緒の安定、リラックス。
紫・・・高貴さ、優雅さ。
青・・・鎮静作用があり、精神的に落ち着かせる。
すなわち、色彩とは様々な印象や感情を呼び起こす「魔法」なのです。
例えば、どれほど冷静であろうとするメッセージを伝えようとしても、デザインが赤で構成されるなら、全くの逆効果になります。
使うべき配色はたったこれだけ!
私がグラフを作成する時、使用している配色は次の10色のみに限定しています。
10色以内に抑える理由として、それ以上の項目を増やすと覚えられなくなる、そして印象が薄れることが挙げられるのですが、詳細は次回以降にお話します。
訴えたい内容によって複数色を使い分けることもありますが、だいたいは単色のみを使います。そのほうが統一感もあります。
さて、先ほどのダサいグラフに配色のみ変えてみました。結果は次の通りです。
さらに色を変えてみます。
どうぞ、見比べて下さい。印象が全く異なるはずです。
配色の変更方法は簡単です。
Excelの場合、対象のグラフを右クリックで選択して下さい。
次に「データ系列の書式設定」を選択して下さい。すると以下のような画面が表示されます。
次に、「塗りつぶし」項目を選択して下さい。ラジオボタンで何れかの項目を選択することになりますから、「塗りつぶし(単色)」を選択して下さい。
「塗りつぶしの色」を選択すると、色んな色のパレットが表示されますから、「その他の色」を選択して下さい。
あとは「ユーザー設定」で、さきほどの10色のRGBをそれぞれ入力すれば、選択したグラフの色が変わります。
配色を使ってメッセージを送る
さらに高度なテクニックとして、配色を用いてメッセージ性を強く訴えるという手法もご紹介します。
次の棒グラフは、ホームページに訪れたユーザーの訪問回数を表したものです。なるべく訪問回数を多くすることを目標としている場合、施すべき配色は次のようになります。
右から左に対して、徐々に配色を緑色から赤色になるように変更しています。
なぜなら、緑色が「安定・リラックス」を促すものであり、赤色が「警戒心・注意力を喚起する作用」があるからです。つまり、緊張と緩和を表しているわけです。
回数が増えるほど悪いということを表すのに使います。もし回数が少ないほど悪い場合は、配色を逆にします。
とはいえ、色は凝り過ぎると派手でしかないので、使い過ぎには要注意です。あくまで見せ方を良くするものであり、非言語に訴えるものであり、内容が無ければ見かけ倒れの評判は必至です。
まずは、今回紹介させて頂いた10色を使い倒してみてはいかがでしょう。
まとめ
論理的であろうとするほど、全体のバランスは欠けていきます。配色は、それを補ってあまりある存在です。
たかが見た目、されど見た目。良きバランスを保って、良い内容なのに「見辛いから」の理由で片付けられない工夫をしていきましょう。
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