Facebook Award 2017

Facebookおよびインスタグラム上で展開されたキャンペーン施策の中から、優れたクリエイティブや高い成果を残したものを選出するFacebook Award。今年は「心を動かす広告」をテーマに、「Act」「Cry」「Lough」「Love」「Wow」の5部門が設けられました。

受賞作の中から、動画が中心となっているキャンペーンを4つご紹介します。
  

1. 「All that we share」TV2 Denmark(Love部門)

デンマークの放送局TV2によるこの実験動画で集められたのは、年代や立場、住んでいるエリアなどでグループわけされた人たち。普段の生活では交わることさえなさそうな彼らですが、進行役の男性の様々な問いかけに対し、該当する人たちが集まって新しいグループが形成されていきます。

「クラスのお調子者だった人」「死後の世界があると信じる人」
「ダンスが好きな人」「いじめられたことがある人」「熱愛中の人」……

一見、何のつながりもなさそうな他人たちが、実は様々な共通点があることが徐々に明らかになっていきます。そして、初めは表情の固かった人たちも、周囲と連帯感を感じることで徐々に顔つきが穏やかになっていきます。

「バイセクシャルな人は?」という質問で1人の男性が前に出ると、その勇気に対して拍手が起こりました。そして最後の「デンマークを愛している人は?」という質問に対しては、全員が1つのグループにおさまりました。

当初はデンマーク語版のみ公開されていましたが、世界的に反響が大きく、英語版も制作されることになった本作(英語版はYouTubeのみで公開)。実はこの英語版が公開されたのが、7ヵ国からの入国を制限する米大統領令が明らかになった日に重なり、込められたメッセージがなおさら際立つ形となりました。

●主な結果

・2億8,800万回再生
・600万シェア

  

2. 「Made in a Minute」Lowe’s(Wow部門)

役立つ情報が得られるとともに、見ていて楽しいことから最近人気のHowTo動画ですが、実際にその動画のとおりに作ろうとすると、動画だけ早送りでどんどん進んでいくため、置いてきぼりにされてしまった経験を持つ人も少なくないでしょう。

そんな課題を解決するために考案されたのが、DIY用品を扱うホームセンターLowe’sによる360度動画です。テントの組み立てを8つの工程にわけて撮影し、360度動画としてつなげたのです。このおかげで、ユーザーは自分のペースで任意の工程を視聴しながら作業を進めることができます。画期的なHowTo動画として注目を集めました。

●主な結果

・1,100万回生
・2万1,000リアクション(いいね!等)
・1万2,000シェア

  

3.「InstantDJ」Bacardi(Wow部門)

インスタグラムの“ストーリー”の機能特徴を活かしたユニークなクリエイティブを展開したのは、ラム酒ブランドのBacardiです。画面の左側をタップすると前の動画に、右側をタップすると次の動画に移動するというストーリーの仕組みを上手く使い、DJを体験できるという企画です。

インタラクティブな新体験を提供することで、新しいファンの獲得に成功しています。

●主な結果

・20万インタラクション
・フォロワー383%増加
・1,100万回のメディアインプレッション

  

4.「The Adventures of Little Brush Big Brush」Signal(Act部門)

オーラルケア用品ブランドのSignalは、子どもたちの夜の歯磨き習慣を推奨するための動画キャンペーンを展開しました。

子供たちは“夜の歯磨き=もう寝る時間”というイメージがあるために歯磨きを嫌がる、という調査結果を受け、同社は子どもが好きなアドベンチャーゲームのようなアニメーション動画を企画。主人公の親子が世界各地で出会う様々な動物と一緒に歯磨きすることで次の場所に進めるというシリーズ動画をFacebook Messenger経由で毎晩配信しました。

物事を習慣化するためには21日間続けることが必要というデータに基づき、21本制作された本シリーズ。新しいアプリをインストールする必要もなく、指定した時間に自動的にMessengerに動画が届くため、無理なく習慣を変えられる取り組みとして評価されています。
※上の動画は本施策の概要を説明するプレゼン用の動画です。実際の動画はこちらのサイト でご覧いただけます

●主な結果

・30万ユーザー登録
・8ヵ国に展開
・300万人の小学生が視聴