現代は「グローバル化の時代」と言われ、様々な分野の企業が海外進出を行っています。

企業がグローバル化することで、国内外のマーケットが開拓できたり、海外に拠点を持つことによる生産の低コスト化を実現できたりなど、様々なメリットが出てきます。しかし、進出する国によって文化や宗教、法律、治安が異なるため海外進出をすれば成功するとは限りません。むしろ、安易な海外進出はリスクが大きいと言えます。

今回は、国内企業を海外に合わせて“現地化”する「ローカライゼーション戦略」について解説します。実際に実施している企業例も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
  

ローカライゼーション戦略とは

海外で現地企業のように経営する戦略

"ローカライゼーション戦略"とは、ローカライズ(現地化)することを指します。海外進出した際、経営を現地の文化や地域性ごとに対応させるのが特徴です。こうした戦略を用いる企業を、「グローバル」と「ローカル」を掛け合わせた「グローカル企業」と呼びます。

製造業などでは現地の人々を雇用し、現地企業のように運営を行われ、Webサービスの場合、言語やロゴ、写真などを現地の文化に合わせたものに差し替える対応が行われるのが特徴です。また、現地の文化や法律に則った運営が主体ですが、日本国内で培ったノウハウを現地に提供することも行われています。
  

ローカライゼーションのメリットとは

ローカライゼーションのメリットは、現地の市場に対応させることで企業とその地域に対する経済効果が見込めることです。また、海外での市場開拓ができます。単に輸出するだけでは受け入れられない商品も、海外の需要に合わせて生産できるというメリットがあるでしょう。

地域によって国内で商品開発と生産を行う場合と異なり、現地の雇用を生みつつ、コストを抑えられるというメリットも考えられます。
  

“ローカル”に合わせることで生じる課題

ローカライゼーション戦略を展開するにあたり、課題となるのが海外進出する前の事前準備です。海外の地域性や文化、法律や規制、商品やサービスへのニーズを理解した上で進出を行うことが重要になります。また、雇用において給与体系や昇進システムの最適化も重要です。日本国内の拠点の方針に合わせることで、現地の人々と思わぬ摩擦が生じる可能性があるためです。

しかし、必ずしも事前準備だけで事足りるわけではなく、経営を開始してから問題が発生することもあります。そのため、修正と改善を繰り返し行うこと必要です。

参考:
グローバル・ローカライゼーション経営|亜細亜大学 教授 徳永 善昭
  

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企業のローカライゼーション事例5選

1. 東洋水産(マルちゃん)

"マルちゃん"シリーズなど、国内の代表的な即席麺を手がける東洋水産は、1972年にアメリカに現地法人を設立しました。アメリカで生産を行い、主にメキシコに輸出されています。

メキシコで人気を集めたことから、メキシコ人の味覚に合わせた味付けとフォークで食べるように最適化したマルちゃんの生産をはじめました。現在では、日本の約4倍の生産を行っています。

参考:
マルちゃんのひみつ|東洋水産
  

2. スズキ株式会社

大手自動車メーカースズキ株式会社は、日本の自動車メーカーの中で初めて海外進出した企業です。1983年からインドでの生産を開始し、累計1,000万台の生産を達成しました。インド国内でのスズキのシェアは高く、乗用車の約47%を占めています。

現在では、インドだけでなく、ハンガリー、パキスタン、タイ、アメリカなど世界19ヵ国に生産拠点を持っています。また、日本で培ったノウハウを現地の人々に提供し育成することも試みているのが特徴です

参考:
グローバル展開 - 2018年度新卒者採用情報 | スズキ - スズキ株式会社
  

3. LINE株式会社

LINE株式会社は、メッセンジャーアプリ、LINEやLINE関連ゲームの現地化を行っています。現地の利用スタイルに合わせた機能を搭載しています。

LINEスタンプの現地語対応を行っており、同一キャラクターでも国ごとの嗜好に合わせてイラストに変化を付けています。LINE GAMEなどゲーム事業においても柔軟に現地化して、限定配信を行っているのが特徴です。

参考:
事業内容|LINE株式会社
LINEの強みはゲームでもコミュニケーション、重要なのはリアルグラフ|日経トレンディネット
  

4. Airbnb

Airbnbは、シェアリングエコノミーを代表するグローバル企業です。2017年7月時点では世界191ヵ国65,000以上の都市で利用されています。Airbnbはローカライゼーション戦略として、現地語の翻訳を徹底しています。独自システムを活用し翻訳家に効率的に現地語に訳して貰う試みをしています。

また、中国版のAirbnbは、ログイン認証に利用できるサービスの現地化が行われています。「WeChat」「Alipay」「Weibo」など中国の主要サービスを利用できるのが特徴です。

参考
Airbnb
Airbnb爱彼迎(中国語)
Airbnbから学ぶ!グローバル市場で圧倒的に成長するための4つの秘訣!
  

5. イケア

イケアはスウェーデン発祥の家具量販店です。現在では世界27ヵ国272店舗を持っているグローバル企業です。イケアは、1974年に日本国内へ初進出を果たしましたが、日本人の品質基準に合わず一度撤退しました。

しかし、日本の基準をもとに生産管理を改め、低コストかつ高品質な家具の展開を行い、再度日本へ進出し人気を集めました。また、大きな倉庫で空間ごと楽しめるエンターテイメント性の高い家具屋という独自性を活かし、根強いファンを獲得しています。

参考:
IKEA
イケアは、なぜ多くの人を惹きつけるのか|東洋経済オンライン
  

まとめ

海外進出は、異なる文化圏でビジネスを行うため、現地の文化や制度に合わせた展開が重要です。現地の人々に受け入れられやすいだけではなく、現地の人々を雇用することで日本と海外双方にメリットがあるでしょう。

一方で、現地の市場を考慮せず展開すると、ローカライゼーション戦略は意味をなさないこともあります。現地のニーズを調査した上で、1つの手段として検討してみましょう。

今回ご紹介した、成功事例を元に、海外進出の参考にしてみてはいかがでしょうか。