皆さんは、文具やファイルをはじめとした事務用品を販売する、株式会社キングジム(以下、キングジム)をご存知でしょうか。

キングジムは近年Twitterアカウントを運用し、ユニークな投稿内容が注目を集めています。

今回は、キングジムがTwitterアカウントを "どのように運用しているのか" 調査した内容をご紹介します。本記事では、Twitterで没ネタ企画を紹介したところから火が付き、結果的に商品化されて話題となった「円周率ノート」に着目してお届けします。

Twitterアカウントをとりあえず作ってみたけれども上手く運用できていないという担当者の方はもちろん、これからSNSの運用を考えている方にも必見です。ぜひ一緒に20万人を超えるフォロワーをもつキングジムの運用テクニックについて考えていきましょう。
  

企業概要「株式会社キングジムとは」

キングジムは、オフィスで使われる事務用品を販売しております。皆さんの中にも、キングジムが販売する文具やファイルなど事務用品を仕事で使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

1927年に創業したキングジムは90年にわたって商品を提供し、国内の同業界トップクラスの企業の1つです。その中でも、現在も販売する商品の1つ"キングファイル"の市場シェアは約70%にものぼります。

キングジムの行動指針は、ホームページ上で下記のように記載されています。

見つめよう市場 見なおそう慣行 見つけよう新発想

引用:
経営理念|キングジム

創業から長く続く老舗企業だとしても、より良い新商品を生み出すために常に改善し、新しいことに挑戦していく姿勢が伺える行動指針です。このような行動指針を体現している施策の1つとして、Twitterアカウントの運用があります。

キングジムのTwitterアカウントはユニークな投稿が多く、フォロワー数は2017年8月時点で23万人を超えています。

日本国内において、SNSのビジネス利用が当たり前になった現在の流れに合わせ、キングジムはTwitterを使った情報発信を積極的に続けていて、ほかの企業でも参考にできる点が多々あります。それでは、キングジムが実際にどんなTwitterアカウントの運用をしているのか、見ていきましょう。

参考:
ファイルとテプラのキングジム
(株)キングジム【東証一部上場】 | 新卒採用・会社概要 | マイナビ2018
  

キングジムのTwitterアカウント

フォロワー数:234,339

Twitterでは、新商品の紹介だけではなく、日常のちょっとしたツイートが投稿されています。安定して「いいね」が付いており、ユーザーから親しみをもたれているのがわかります。
  

キングジムのTwitterアカウントから学ぶ - 企業アカウント運用時のポイント -

キングジムのTwitterがファンから人気な理由はどこにあるのでしょうか。

自社で参考にできるポイントをご紹介します。
  

毎日定期的に発信する

kingjim_の2017年のツイートカレンダー__whotwi_グラフィカルTwitter分析.png
http://ja.whotwi.com/kingjim/tweets/archive/2017

上の画像は、株式会社AutoScaleが運営するTwitter分析ツール「whotwi」でキングジムのアカウントを分析したものです。色が付いている日にちはツイートがあったことを示しており、2017年3月から8月にわたって、土日や休日を除きほぼ毎日ツイートがあったことがわかります。色の濃さはツイート数によって変化し、多い日は一日で100ツイートを超えている日もあります。

うちは新商品はそんな定期的に販売しているわけじゃないし、毎日大量にツイートするネタなんてないよと感じている方がいらっしゃるかもしれませんが、必ずしも自社商品だけをツイートしなければいけないわけではありません。

上のツイートのように、日々のちょっとしたひとコマを切り取ってツイートすることで、ユーザーを楽しませています。また、企業アカウントが親しみのあるツイートをすることでギャップを生み出し、ユーザーの興味関心を引く結果となったのでしょう。1ツイートでも毎日投稿を継続することが、ファンを作り出す要因の1つと言えます。
  

他社やユーザーと積極的に交流する

ユーザーとの交流を積極的に行っているのも、キングジムの特徴です。上のツイートのように、ユーザーに質問を投げかけ、1つひとつ丁寧に回答することで、ユーザーとの交流を図っています。

もともと円周率ノートは、Twitterで没企画の商品として紹介されたのがきっかけでした。ただ、そこから火が付き、2017年6月にはユーザーとの交流から新製品「円周率ノート」が生まれ、実際に販売されて大きな話題となりました。

ツイートには1万件以上のいいねとリツイートがされ、多くのユーザーが商品化を希望していることがわかります。結果、没だったはずの円周率ノートは、株式会社ロフトとのコラボレーションによって商品化されることになりました。

このように日頃からユーザーと積極的に交流してファンを作り出した結果、もともとは没だった企画でさえも商品化につながりました。

まとめ

株式会社キングジムは、創業27年で90年以上続く老舗の会社です。長年愛され使われ続けてきた商品を、Twitterという時代に合わせた方法で情報発信やユーザーとの交流を続けてきたことが、多くのユーザーに親しまれるTwitterアカウントに発展した要因でしょう。

今後もどんな運営がされていくのか注目しておくと、さらに参考にできるポイントが発見できるかもしれません。