コピーを誰でも考えられる「コピーライティング・システム」

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アイデアが発想できたとして、人を惹きつけるようなコピーにしなくてはいけません。銭谷さんも、コピーを生み出す際には苦労したそうです。

銭谷:
もともと、私はクリエイティブ畑の出身ではありませんでした。自分にはセンスがないと考え、才能あるコピーライターと戦うために、何か武器が必要でした。

銭谷さんが武器として身につけたのは、既存のコピーを分析、ストックし、法則を整理していくこと。そこから、コピーの発想を仕組み化した「コピーライティングシステム」を開発します。

参考:
あなたの脳にも移植できる「コピーライティングシステム」公開!|圏外コピーライター

銭谷:
どうすれば、自分の頭からは浮かばない表現を発想できるのかを考え、徹底的に過去の名作コピーをみて自分では思い付けないコピーを探し、記録していきました。名作コピーを1つひとつパターンわけし、法則化していきました。

銭谷さんはEvernoteを活用して、膨大な量の名作コピーを記録していき、タグにコピーの法則を記録していきました。「商品の説明をふざけて行う」「考えさせる、疑問を投げる」「商品の存在意義を言い当てる」など、様々なタグで整理していったそうです。

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※2014年当時のEvernoteのタグ

銭谷さん曰く、コピーとは「what to say」か「how to say」のどちらかにアイデアがあるそうです。タグは、「what to say」と「how to say」の2つにわけ、蓄積していきました。

「チョコをいっぱいもらうイケメンに、チョコをあげたところで愛は伝わるでしょうか」

銭谷さんが分析の例として挙げたのが、御菓子司 亀屋という和菓子屋のバレンタインのキャンペーンで使われたコピーです。

銭谷:
バレンタインと言えばチョコを渡すことが定番ですが、このコピーではチョコを渡すだけではほかの女の子と変わらないので「じゃあ、和菓子を渡すのはどう?」と提案しています。このコピーでは、その商品やサービスの競合を設定し、その欠点を「what to say」しています。

このコピーはEvernoteに、「競合・代替手段の欠点」というタグで保存されていました。このように過去の様々なコピーを分析し、タグ付けしていくことで、コピーを考える際に参考になる事例をすぐに引き出しやすくしました。すでに世の中に存在するコピーを見ていくことで、発想しやすくなりそうですが、コピーはどう分析するといいのでしょうか。

銭谷:
コピーには、発見、共感、提案のどれかの要素が入っています。まずはこの視点から既存のコピーを分類したり、自分で発想を膨らませると良いのではないかと思っています。