近年、オンライン会議システムが徐々に普及し始めています。
訪問ばかりだと時間を取られてしまうため、オンライン会議システムを業務効率化に取り組んでいる方も多いのではないでしょうか。

現在のオンライン会議システムは、先方のアカウント登録が不要できるサービスも多く、移動時間を含めた商談時間の短縮に繋がるため、気軽に利用できるのが特徴です。
ただ、訪問アポと比べると成約率が思うように伸びないと感じることはないでしょうか。

今回は、オンライン会議のメリット・デメリットと、利用する際に気をつけておくべきポイントを解説します。

オンライン会議システムとは

オンライン会議システムとは、インターネット回線を利用してPCやスマートフォンでリアルタイムにテレビ通話ができるシステムです。訪問アポが難しい環境で先方とコミュニケーションを取る手段として、インサイドセールスを始め様々な現場で利用されています。

インターネット環境があれば通信でき、ブラウザから通話できるサービスもあるため気軽に利用できるのが特徴です。また、アカウント発行不要で利用できるサービスもあり、自社や先方の環境に左右されず商談を行うことができるでしょう。

参考:
[インサイドセールスを運用する上で準備すべきこととは?SFA・オンライン会議など効率化ツール12選|ferret [フェレット]] (https://ferret-plus.com/8058)

セールスがオンライン会議システムを利用するメリット・デメリット

次に、セールス担当者がオンライン会議システムを利用するメリットとデメリットについてご紹介します。

メリット

オンライン会議システムを利用する上で第一に挙げられるメリットが、遠隔地や緊急時などのコミュニケーション円滑化です。互いに連絡を取りたいタイミングで利用すれば、アポイント調整から移動を含めた商談時間の短縮に繋がるでしょう。

また、電話やメールと異なり、プレゼン資料を画面共有しながらリアルタイムで通話できるのもメリットです。離れた距離でも、限りなく対面に近い環境で商談ができます。

デメリット

セールス担当者にとってメリットが非常に大きいオンライン会議システムですが、デメリットも存在します。それは、対面での商談と比べ「相手の表情」や「場の空気」が読みにくくなることです。

関係値の浅いクライアントの場合、相手はどういった人柄なのか、癖があるのかといった要素もセールスの戦略を立てる上で重要です。しかし、あくまでオンライン会議システムの利用は「画面越し」の商談になるため、得られる情報が限られてしまうことが考えられるでしょう。

オンライン会議システムを商談で使う際に気をつけておきたいポイント

上記で紹介したオンライン会議システムのメリットとデメリットを踏まえた上で、商談で利用する際に気をつけておきたいポイントをまとめました。

商談相手の人数を事前に確認する

オンライン会議システムを利用する上で、まず最初に確認すべきなのが「商談相手の人数」です。サービスの多くは、複数人の通話に対応していますが、人数が増えるほどインターネット回線への負担が大きくなります。

また、サービスの種類によって「一方が喋っている時(音を発している時)、他方の音声が遮断される」ことがあります。喋っている途中の「相槌」や「キーボードのタイピング音」1つで重要な言葉を聞き逃す可能性も考えられます。

「喋っている間は音を出さない」など、声が飛び交いやすい複数人ほど注意してオンライン会議を実施しましょう。

画面共有すべき資料を事前に決めておく

オンライン会議システムは、電話やメールと「資料の画面共有」をリアルタイムで行える点がメリットです。とはいえ、画面共有が商談の中の大部分を占めてしまうのは避けたいところです。相手の表情が見えにくくなり、商談の確度や見込みが行いにくくなるためです。

画面共有は資料の説明を行う上で便利ですが、商談は、あくまで成約を取ることが目的であることを踏まえて利用するのが良いでしょう。その際、1度の商談で全ての資料を展開するのではなく「どの資料に重点を置くのか」を事前に決めた上で配分するのがオススメです。

また、利用する資料全文は事前に先方へメールで送付しておくことで資料の説明時間を削減することができます。

双方のインターネット回線は安定しているか

インターネット回線はオンライン会議システムの生命線です。回線が安定していれば、対面に近い環境で商談を行えますが、不安定な回線に於いては接続の途切れや遅延、映像や音声の乱れが発生する可能性があります。

コミュニケーションロスが発生するばかりか、先方に対して心理的なストレスを与えてしまうことにもなりえます。

オンライン会議システムは円滑な商談を行う手段でありながら、時として大きな損失になるかもしれません。事前に双方の環境下でインターネット回線は安定しているのかを確認してみましょう。

オンライン会議である必要があるのかどうか

遠隔地での会議に利用されることが一般的なオンライン会議システムですが、近年では、移動時間の短縮や、商談回数を増やせることから、訪問アポに代替する形で利用することがあります。

しかし、自社のセールス業務の効率化に着目するあまりに、そのメリットを活かせていないか確認してみましょう。例えば、商談の種類に合わせてオンライン会議を利用できているかどうかなどです。

初回ヒアリングや意思決定が発生する商談では、相手の表情や印象、場の空気が成約の決め手になる場合があります。「本当にオンライン会議である必要はあるのか」を考慮した上で利用することで、オンライン会議システムのメリットを活かすことができるでしょう。