セールスエンゲージメントツールとは？MA・CRMとの違いや導入メリットを解説

セールスエンゲージメントツールとは、MAやCRM、SFAをさらに進化させた新しいツールで、第3のセールスプラットフォームとして海外ではすでに広く使われています。

企業がセールスエンゲージメントツールを活用することで、営業活動をさらに進化させ、顧客と強固な関係を築くことが可能になります。

この記事では、セールスエンゲージメントツールや他のツールとの違い、導入のメリット、主要ツールとその選び方について説明します。

目次

1. セールスエンゲージメントツールとは
2. セールスエンゲージメントツールと類語・他ツールとの違い
3. セールスエンゲージメントツールが注目されている背景
4. セールスエンゲージメントツールを導入するメリット
5. セールスエンゲージメントツールの主な機能
6. セールスエンゲージメントツールの選び方
7. 主要なセールスエンゲージメントツール6選
8. セールスエンゲージメントツールで営業活動を加速させよう

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セールスエンゲージメントツールとは

セールスエンゲージメントツールとは顧客情報の自動収集・分析、アプローチ方法などを一元管理し、顧客ごとのエンゲージメントが可視化できるツールのことです。

従来の商談化や受注につなげる取り組みは、営業アプローチ方法の選択からメール作成、CRMやSFAへの入力など、煩雑な作業が多く発生していました。

しかし、セールスエンゲージメントツールを使うことで、MAやCRM、SFAと連携してデータが活用でき、顧客とのコミュニケーションを最適化できます。

例えば展示会で名刺交換した見込み顧客に対して、1日目にフォローアップメールを送り、3日目に事例を入れたメールを送るなど、One to Oneのアプローチを自動化して効率化できます。

セールスエンゲージメントツールと類語・他ツールとの違い

セールスエンゲージメントツールの類語と他ツールとの違いについて解説します。

• セールスイネーブルメントの違い
• MA、SFA、CRMとの違い

セールスイネーブルメントの違い

セールスエンゲージメントとセールスイネーブルメントは、どちらも営業に関する用語ですが目的と対象者が異なります。

⚫︎ セールスエンゲージメント

・【意　味】顧客と深いつながりを構築する
・【目　的】顧客との関係構築
・【対象者】顧客と営業担当

⚫︎ セールスイネーブルメント

・【意　味】営業活動全体を改善し、組織が最も成果を出せるように最適化する
・【目　的】営業組織の強化・改善
・【対象者】営業組織

セールスエンゲージメントの主な目的は、営業が顧客との関係を構築し、商談化率や成約率を向上させることです。

一方、セールスイネーブルメントの主な対象は営業組織であり、メンバーの行動や商談の進捗状況を可視化し、営業の生産性向上や業務改善の実現を目指しています。

MA、SFA、CRMとの違い

営業プロセスを支援するツールには、MAやCRM、SFAなどがあります。これらのツールはサービスによって一部機能の重複が見られるケースもありますが、それぞれ以下のように異なる目的・役割を持ちます。

⚫︎ MA（マーケティングオートメーション）

・【概　　要】見込み顧客を発掘し、見適切なアプローチをかけて商談機会を創出する
・【主な機能】LP・フォーム作成、リード管理、スコアリング

⚫︎ セールスエンゲージメントツール

・【概　　要】One to Oneのアプローチを自動化して商談・受注率を上げる
・【主な機能】ワークフロー自動化、ネクストアクション提案、AI自動メール作成

⚫︎ SFA（営業支援システム）

・【概　　要】営業の生産性向上や業務改善を実現し、売上につなげる
・【主な機能】商談管理、顧客情報管理、営業プロセス管理

⚫︎ CRM（顧客管理システム）

・【概　　要】顧客の属性や接触履歴を管理し、顧客満足度の向上やアップセルを狙う
・【主な機能】顧客情報管理、メール配信、スコアリング

MAは見込み顧客の育成・選別、SFAは営業活動の円滑化、CRMは成約後の顧客との関係構築に特化しており、アクションへの転換は人が行います。

一方のエンゲージメントツールは顧客の行動や状況をリアルタイムに把握し、エンゲージメントの可視化やネクストアクションの提示など、心地よいコミュニケーションを実行する基盤として機能します。

関連記事：導入すべきツールはどれ？MA・SFA・CRMの違いを理解しよう

セールスエンゲージメントツールが注目されている背景

セールスエンゲージメントツールが注目されている背景として、以下の2つの要素が考えられます。

• 商談化・受注につなげる手法の多様化
• 密なコミュニケーションを求める顧客

商談化・受注につなげる手法の多様化

今日では電話やDM、メールだけでなく、SNSやチャット、オンライン会議システムなど、さまざまなチャネルを通じて顧客と接する機会が増えています。このようなアプローチ手法の多様化が、セールスエンゲージメントツールの注目を集める背景となっています。

Gartner社のTOPO SDR Benchmark Report_※3によれば、世界クラスのSDR（反響型）営業チームの80%が少なくとも3つのチャネルを使用し、1コンタクトあたり少なくとも15.5回のコミュニケーションを取っているそうです。

According to the TOPO SDR Benchmark Report, 80% of world-class SDR teams use at least three channels and deliver at least 15.5 touches per contact.

※3 引用：Gartner「Sales Engagement: The Definitive Guide for Platform Selection」

リードの問い合わせや資料請求からホットリードを抽出するSDR（反響型）のインサイドセールス部門は、リードのアクションやニーズに合わせて、タッチポイントを柔軟に変えるアプローチが求められます。

密なコミュニケーションを求める顧客

一方で、顧客側もまた、企業との密なコミュニケーションを求めています。

従来あった企業と顧客の間の情報格差は縮まりつつありますが、それでも顧客側がさまざまな情報を取捨選択するのは難しいものです。そのため顧客は自分に最適な選択をするために、企業からの情報提供に高い期待を寄せています。

Salesforceのスタッフブログ_※4によれば、企業購入者の78%は、商品を購入する際に、ニーズや業界の知識を備え、信頼できるアドバイザーとして機能する営業担当者を求めているそうです。

While they buy, 78% of business buyers seek salespeople that act as trusted advisors with knowledge of their needs and industry.

※4 引用：Salesforce Blog「5 Ways Businesses Can Meet Expectations Of The Connected Customer」

顧客は自分の望む方法で、企業やブランドが応対してくれることを期待しています。セールスエンゲージメントツールによって最適なアクションが自動で割り当てられることで、顧客のニーズに沿った質の高いセールスが実施しやすくなります。

セールスエンゲージメントツールを導入するメリット

セールスエンゲージメントツールを導入するメリットは以下の3つです。

• 商談化・受注獲得の自動化
• ピュアセールスタイムの創出
• リードタイム短縮による顧客獲得コスト削減

商談化・受注獲得の自動化

セールスエンゲージメントツールを使用すると、見込み顧客1人ひとりにパーソナライズされた営業活動ができる上に、商談化・受注獲得の自動化が実現できます。他にも休眠顧客の掘り起こしや、今まで手が回らなかったターゲット層へのアクションにも有効です。

ピュアセールスタイムの創出

セールスエンゲージメントツール導入により入力業務やデータ収集・分析作業から解放されることで、ピュアセールスタイムを創出できます。その結果顧客のニーズ、動機、興味を深く理解しやすくなり、エンゲージメントがより高められるでしょう。

リードタイム短縮による顧客獲得コスト削減

セールスエンゲージメントツールはリスト振り分けや調査・架電などの自動化も行えるため、リードタイムの短縮にもつながります。適切な担当者に商談を振り分けたり、温度感の高いうちに架電したりできるため、業務効率化により顧客獲得コストを削減できます。

セールスエンゲージメントツールの主な機能

セールスエンゲージメントツールの主な機能は以下の通りです。

・営業活動の全データを収集・蓄積
あらゆるチャネルのアプローチや反応を収集して蓄積する

・蓄積したデータの可視化・分析
営業やインサイドセールスのパフォーマンスを把握する

・蓄積したデータの可視化・分析
営業やインサイドセールスのパフォーマンスを把握する

・AI音声認識・文章生成
AI（人工知能）による音声認識や言語解析、データ分析

・ワークフローの作成・自動化
顧客ごとに、架電やメール送信などのアクションを設定する

・フォローアップアクションの自動
トラッキングでメール送信やタスクの作成などを自動化する

・外部システム連携
MAやCRM、SFAツールなどの外部ツールと連携する

・ホットリード抽出
リードのアクションをシグナルとして自動検知する

・ハイパフォーマーの行動分析
パフォーマンスの高い行動を分析して整理する

セールスエンゲージメントツールの選び方

セールスエンゲージメントツールを選ぶ際のポイントは次の3つです。

• 自社の営業活動に適しているか
• 必要な機能が搭載されているか
• 導入済みのツールと機能が重複していないか

自社の営業活動に適しているか

自社に適したツールは、導入目的や営業活動のタイプによって異なります。

例えばSDR（反響型）のインサイドセールスは、見込み顧客からの問い合わせや資料請求などの能動的なアクションがあるため、スピードが重視されます。そのため、リードタイム短縮や情報の一元管理が可能なツールが適しています。

対してBDR（新規開拓型）のインサイドセールスは、1人あたりの稼働率が商談化率や受注率を大きく左右するため、大量行動を可能とする仕組みを持つツールが適しています。

このように、自社の目的や営業活動のタイプに合わせてツールを選定しましょう。

必要な機能が搭載されているか

競争力を維持するためには、多角的な販売や流通チャネルが必要です。現状はチャネルが少ない場合でも、SNS、チャット、オンライン会議システムなど、幅広いチャネルに対応したツールを選びましょう。

また、既存のMAやCRM/SFAツールとの連携できるかどうかも確認が必要です。データ連携ができない場合、分析に必要なデータが収集できず、最適なワークフローやフォローアップアクションを実施できない可能性があります。

導入済みのツールと機能が重複していないか

セールスエンゲージメントツールに搭載されている機能が、すでに導入済みのMAやCRM/SFAの機能と重複していないか確認しましょう。

重複している機能が多いと、セールスエンゲージメントツールを十分に活用できない可能性があります。一部のツールは機能をカスタマイズすることができます。

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主要なセールスエンゲージメントツール6選

ここでは、主要なセールスエンゲージメントツールを6つ紹介します。

BALES CLOUD（ベイルズクラウド）

出典：BALES CLOUD

● インサイドセールスに特化！顧客ごとに最適なアプローチを実施

BALES CLOUDは、架電業務からメール配信まで、インサイドセールスに必要な機能を網羅しているセールスエンゲージメントツールです。簡単操作で営業チームの生産性向上とコラボレーション促進を実現します。

顧客の属性ごとにコミュニケーションを自動で生成し、電話やメールなどから最適な方法でアプローチを行います。API連携を用いたデータ一括取り込みが可能なため、導入後1ヶ月以内に運用開始可能です。

シナリオリード

出典：シナリオリード

● Salesforceとのシームレスな連携が可能！

シナリオリードはアプローチのABテストや営業アクションの可視化などにより、チーム全体でハイパフォーマンスな営業を実現するセールスエンゲージメントツールです。「どの顧客に対して、どのチャネルを使い、何を行うべきか」について、最適な営業アクションが提案されます。

また、Salesforceとのシームレスなデータ・UI連携により、Salesforceユーザーはこれまでのオペレーションを大きく変更せずに営業活動を加速できます。

LEADPAD（リードパッド）

出典：LEADPAD

● 購買シグナルを自動で検知！量と質を両立させた最適なアプローチが可能

LEADPADは、企業と人の購買シグナルを自動で検知し、ホットリードを抽出して効率的にアプローチできるセールスエンゲージメントツールです。

160万企業のデータベースを活用した成功事例の最適化とアプローチの自動化により、アプローチの量と質を実現。SalesforceやHubSpotとの完全同期も可能で、過去の商談での失注理由ごとに、タイミングやメッセージ内容を制御し商談数の最大化を図ります。

Magic Moment Playbook（マジックモーメントプレイブック）

出典：Magic Moment Playbook

● トップセールスの営業の型を組織に実装！最小の負荷で成果を創出

Magic Moment Playbookは、最適な営業オペレーションを誰もが実行できる型に落とし込み、組織全体で大量行動を行うのに適しているセールスエンゲージメントツールです。項目やトークの個別カスタマイズをサポートし、最小の負荷で早期の成果創出を可能にします。

顧客フォローやお礼メールの自動化、優先すべき案件の提示などにより、営業活動のサポートも受けられます。営業オペレーションの改善もコードなしですぐに編集できるため、継続的な改善が可能です。

Braze（ブレイズ）

出典：Braze

● 顧客中心の施策を組み立てて一貫性のある顧客体験を実現

Brazeは、直感的なカスタマージャーニーを構築して、最適なキャンペーンを適切なチャネルで提供できるセールスエンゲージメントツールです。

リアルタイムのデータを活用して、顧客の行動や嗜好を即座に把握。ドラッグ＆ドロップの直感的な操作で、メッセージやシナリオの作成、メッセージ配信までを一元化されたプラットフォーム上で行うことができます。

BtoBはもちろん、日々消費者と接点のあるBtoC企業にもおすすめのツールです。

Outreach（アウトリーチ）

出典：Outreach

● 海外での導入実績が豊富！インサイドセールスの生産性をアップ

Outreachは、インサイドセールスの活動量・品質を担保しながら、営業組織全体の成長を加速するセールスエンゲージメントツールです。世界で5,000社以上に導入されているツールで、特に海外での導入実績が豊富です。

Salesforceとの連携により、Outreachで登録した架電やメール送受信履歴が自動的にSalesforceに登録されます。これにより、Salesforceの入力作業を削減し、Salesforceにログインせずにリードの属性や行動履歴を把握できます。

さらに、ハイパフォーマーの行動特性をOutreachに実装することで、人的リソースを使わずに成功パターンの再現も可能です。

セールスエンゲージメントツールで営業活動を加速させよう

セールスエンゲージメントツールを導入するメリットは以下の3つです。

• 商談化・受注獲得の自動化
• ピュアセールスタイムの創出
• リードタイム短縮による顧客獲得コスト削減

また、セールスエンゲージメントツールを選ぶ際は、以下のポイントを意識しましょう。

• 自社の営業活動に適しているか
• 必要な機能が搭載されているか
• 導入済みのツールと機能が重複していないか

営業活動の主役は人であり、組織として安定的な成果を出し続けるためには優秀なセールスパーソンの能力を再現することが不可欠です。

ノウハウが個人に依存している、チーム全体の営業の質を底上げしたいといった課題がある場合は、自社に適しているセールスエンゲージメントツールの導入を検討してみましょう。

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