広告依存から抜け出すためのマネタイズにおける2つのポイント

pixivはシステム開発会社からスタートしており、サービス自体も社内のプログラマーが独自に開発したイラスト検索サイトがもととなっています。
現在では10以上のサービスを展開する大規模サイトとなったpxivですが、公開当初のマネタイズはサイトに掲載する広告収入に依存しており、赤字と黒字を繰り返している状態でした。

では、そのような広告依存のマネタイズから脱却する際に、どのような工夫があったのでしょうか。2つのポイントを紹介します。

参考:
コミケのような空間をネットでも――急成長「pixiv」が描く“第2章”の青写真 (1/2) |ITmedia NEWS
企業データ |ピクシブ株式会社 採用サイト
巨大イラストコミュニケーションサイト「pixiv」を運営するピクシブ株式会社に広告マネタイズについて聞いてきました | fluct magazine

1.広告主だけでなくユーザーから利用料金を得るビジネスモデルへ

pixivでは下記のように、「ユーザー第一主義」を社内の考え方として重視しています。

ピクシブでは常にユーザーの皆さまの視点に立った事業を展開したいと願っています。新機能のリリース案などで議論が行き詰まった時も、最後にはこの考えに立ち返って考え直します。Twitterやお問い合わせ等で柔軟にユーザーの声を取り入れているのもピクシブの大きな特徴の一つです。
キーワード |ピクシブ株式会社 採用サイト

この考え方に基づいて、広告掲載で収入を得るだけでなく、ユーザー向けの有料会員システム「pixivプレミアム」を展開することで、ユーザーを意識した経営へとビジネスモデルを切り替えています。
また、営業のリソースに依存する広告とは異なり、有料会員は月額のため安定した収益が望めるのもポイントでしょう。

参考:
巨大イラストコミュニケーションサイト「pixiv」を運営するピクシブ株式会社に広告マネタイズについて聞いてきました | fluct magazine

2.専門分野は積極的に他者と提携

pixivでは自社だけでなく、他社と提携しているサービスが数多くあります。

例えば「pixiv Sketch」では、着色サービスの「PaintsChainer」と連携することで、AIによる自動着色機能が利用できるようになっています。
他にも、転送コムの海外転送サービスと連携しているBOOTHや、フジテレビと提携した番組「いらこん」など積極的に他社との提携をはかっています。pixivでは、こういった提携を通して、自社のリソースを投資するよりも確実に優れたサービスを提供し続けてきました。

その結果、少ない投資でユーザーに対して新しい価値を提供することに成功しています。
こういった他社に頼る姿勢も、マネタイズには時として必要となるでしょう。

参考:
Pawoo、25万ユーザーに到達 pixivの10周年前日に| ITmedia NEWS
お絵描きコミュニケーションアプリ「pixiv Sketch」と線画自動着色サービス「PaintsChainer」が連携。イラストの自動着色機能を提供開始!| Preferred Networks