Facebookに代表されるSNSは企業だけでなく学術機関においても研究の対象となっています。学術分野においては、Facebookでのユーザーの人気度予測やネットワーク効果の考察といったデータの解析が主に行われています。それだけでなく企業や自治体の活用事例を取り上げている論文もあり、メディアよりも正確なデータに基づく分析が行われているのが特徴でしょう。

今回はFacebookに関連した日本国内の研究論文を紹介します。
より深くFacebookを理解したい担当者にとって、学術機関の発表する論文は貴重な資料です。より深い知識を学ぶために論文を読み解いてみてはいかがでしょうか。

Facebookユーザー全体を対象とした研究論文

1.Facebookページを開設する前にどれだけ人気が得られるか予測できる?

[意味的関係を利用したSNS上のエンティティの人格度予測|J-STAGE]
(http://doi.org/10.1527/tjsai.29.469)

東京大学大学院工学系研究科 松尾豊氏らが2014年に公開した研究論文です。

Facebookアカウントの人気はその人の出生や所属する企業、地域などのデータによって左右されると定義し、それらのデータから特定の企業や個人がFacebookページを開設した際に得られる人気の予測を立てるという実験の結果をまとめています。
2014年時点で公開されたいたFacebookページのうち25.8%、いいね数60.5%のデータを独自のクローラー解析したデータをもとにしており、実験の結果高精度での予測が可能であることを明らかにしています。

2.Facebookで「いいね!」がつく単語とは

[SNSにおける統計情報による文章の嗜好推定|J-STAGE]
(http://doi.org/10.14864/fss.29.0_176)

慶應義塾大学大学院 理工学研究科 山根 宏彰氏らが2013年に発表した論文です。
Facebookの投稿文章をテキストデータとして抽出し、いいね数に影響する単語にはどういった特徴があるのかを導き出しています。

日本語及び英語文での実験を行った結果、一般的な単語への「いいね!」がつく割合が多い一方で造語などの普段あまり使わない単語に対しては「いいね!」がつきづらいという結果が明らかになりました。

3.Facebookと現実の人間関係はどのようにつながっている?

[SNSに集約する情報 : ネットワーキングからライフログへ|J-STAGE]
(http://doi.org/10.18919/jkg.61.2_70)

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 折田 明子氏が2011年に発表した論文です。SNSと現実の人間関係との関わりについて、「SNSにおける匿名と実名」「モバイルからの利用」「SNSにおける情報の集約のあり方」についての研究結果を取り上げています。
情報自体は古いものではありますが、Facebookにおけるユーザーの利用方法について体系立てて説明しているので、企業のSNS担当者にとって参考にしやすいでしょう。

4.Facebookにおいてネットワーク効果が果たしている役割とは

[プラットフォーム戦略における ネットワーク効果の先行研究と事例を通じた考察マルチフォーミングとスイッチングならびにドミナント化を中心として|J-STAGE]
(http://doi.org/10.11497/jasmin.2015s.0_145)

名古屋産業大学 加藤 和彦氏が2015年に発表した論文です。
SNSの1つMyspaceとFacebookのプラットフォームとしての違いを比較し、ネットワーク効果の果たした役割を考察しています。

ネットワーク効果とは「ある人がネットワークに加入することでその人の利便性だけでなく、ネットワークに所属する他の人の利便性も上がる効果」を指し、Facebookやクックパッドに代表されるようなプラットフォームの場合、ある人が参加して投稿を増やすほど他のユーザーにとって見たい情報が増えるというメリットがあり、ネットワーク効果が生まれています。

こういったネットワーク効果がFacebookではどのように働いているかを研究した論文です。