2. 違いを一瞬で言葉にして伝える:プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、薬効成分のないものを薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かっていくような治療効果のことを言います。
マーケティングの世界でプラシーボに言及するときは、騙すという意味合いはなく、言葉によって目の前のお客さんを喜ばせる言葉がけのことを言います。

飲食店に関するマーケティングの文脈で言えば、*「和牛」というよりも「旨味をギュッと凝縮した、繊細で芳醇な味わいのA5ランク和牛」*と付加価値を加えていくほうが、よりリアルにイメージが伝わって効果的であるということです。
写真だけではわからないこともたくさんありますが、言葉があればよりイメージしやすくなります。

実例4:土肥農園

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スクリーンショット:2017年10月

飲食店ではないですが、土肥農園のホームページはケーススタディとして非常に参考になります。

*「土肥農園のすいかが『どすいか』なのは理由があります。」*というキャッチコピーは、食べてみた人にだけその理由が分かる、ということが暗示されています。

実例5:おやつのアトリエmoco

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スクリーンショット:2017年10月

岐阜県美濃加茂市にあるおやつのアトリエmocoのホームページを見てみましょう。

マフィンの形をしたデザインのロゴ、後ろに映えるデザートが印象的ですが、特に目がいくのが中央にあるキャッチコピー*「誰もが安心して食べられるスイーツを。」*です。

実はこのお店のデザートは、卵・乳製品・白砂糖を一切使わないお菓子を提供していて、アレルギーを持った方でも安心して食べられるのが特徴です。
詳細は「ABOUT」ページに入れ込み、トップページではその内容をキャッチコピーに凝縮させています。

実例6:チャンピオンカレー

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スクリーンショット:2017年10月

北陸三県を中心に展開している金沢カレーの専門店チャンピオンカレーの通販サイトでは、美味しそうな金沢カレー特有のルーを背景に*「LIKE NO OTHER,IT’S CHAMPION’S. ── 洋食カレーをルーツに持つ旨味と味わいが自慢です。」*というコピーを採用しています。

「他とは違う」という言葉をアピールしているだけでなく、赤い色を使ってお店の世界観も演出しています。
クロールすると、*「濃厚なルーに旨味が凝縮。一度食べたら忘れられない味。」*というコピーも登場し、ユーザーの感性を刺激します。

実例7:二十四節氣

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スクリーンショット:2017年10月

仙台市青葉区にある薬膳鍋の専門店二十四節氣は、固定観念を崩すようなキャッチコピーを採用しています。

通常、鍋と言えば「冬の食べ物」として想像してしまいますが、ここでのキャッチコピーは*「春も、夏も。秋も、冬も。」*。
年中、鍋を楽しんでもいいんだ、そんな思いを感じさせるコピーです。

薬膳鍋のお店らしく、さまざまな種類のスパイスの写真や、落ち着いたテイストの店内の写真も登場します。