「ユーザー個人のチャネルやアイデンティティ、求める体験をプロファイリングする

知り合いのマーケターにこんな方がいました。高度なソーシャルリスニングを行ってインサイトを探り、丁寧なシナリオ設計をしたメールマーケティングを行ったそうです。しかし、良い成果が出せないというのです。

このマーケティング方法の問題が何かわかりますか?

答えは単純です。「ユーザーがそれを求めていない」からです。

ソーシャルリスニングで収集したインサイトを持ったユーザーは、あくまでソーシャルというチャネルに存在するユーザーです。そのため、メールマーケティングを実施しても成果が得られません。

マーケターとしてユーザーとのエンゲージメントを構築したいのであれば、彼ら(ユーザー)が存在するチャネル(顧客接点)にあわせて、顧客の求めている情報を適切なタイミングで提供することです。また、それを継続的に実施することが大切です。

まず行うべきなのが「データの収集」です。データというのは、ユーザーの属性だけでなく、どのチャネルを利用し、1人ひとりどういったアイデンティティを持っているのか、「個人」をプロファイリングしたデータを指します。

また、プロファイリングを行った個人が何を求めているのか、どういった体験を求めているのかを分析し、その人に合わせた気づきを提供するのです。

人々はパーソナルなエンゲージメントを求めています。個々人にとって適切な場所、タイミングで関連性の高いメッセージを伝えなければなりません。すると、エンゲージメントは一歩ずつ構築されていきます。

エンゲージメントエコノミーの潮流は今後加速していくでしょう。

また、個人のデータを効率的に分析できるツールもあります。そういったツールを活用することで、どんな企業でもパーソナライズされた体験をユーザーに提供できるでしょう。

まとめ

現代ではツールを活用することで誰でも簡単に膨大なデータを得られる時代になりました。このテクノロジーを用いたデータ活用を活かし、顧客1人ひとりに適した情報を良いタイミングで伝え、コミュニケーションを図る企業がビジネスを成長させられると言えるでしょう。

スティーブ・ルーカス氏が述べた、1人ひとり異なる個人の関心に応じたアプローチを行い、エンゲージメントを構築する「エンゲージメントエコノミー」という考え方が大きなヒントとなるでしょう。