副業をはじめる前に知っておくべき3つの事実
「収入をもっとアップさせたい」
「子供のため本業の業務を軽くして生活時間が自由になる副業を行いたい」
「自分のスキルアップのため本業以外の業務にも挑戦したい」
このような思いを抱いて副業に挑戦しようとしている方が抱えがちな悩みは何でしょうか。
副業としてどのようなビジネスを始めるべきか、安定した収入を得られるのかといった不安が大きいのではないでしょうか。
今回は、副業を始める前に知っておくべき情報をまとめて紹介します。
これから副業に挑戦しようという方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも副業に定義はあるのか
厚生労働省発表の『モデル就業規則』において、副業が「原則禁止」から「原則容認」に変更されるなど、政府は働き方改革の一環として副業の推進を政策に盛り込んでいます。
そのような社会の動きに合わせ、副業禁止を解除する企業も増え始めています。
そもそも、「副業」に定義はあるのでしょうか。
結論から言うと、実は副業に定義はありません。
日本語の本来の意味の通り、本業とは異なる副次的な仕事を指す言葉として使われてきました。
副業は法律上の取り決めはなく、あくまで企業の就業規則の中で定められている概念です。
そのため、副業に該当するものを知りたい場合は、自社の就業規則を参照するか、記載がない場合は人事部に問い合わせる必要があります。
参考:
[正社員の副業後押し 政府指針、働き方改革で容認に転換|日本経済新聞] (https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS25H1D_V21C16A2MM8000/)
法律相談所「副業の定義って?」|日経ウーマンオンライン【働き女子のための法律相談所】
副業に対して企業はどのように対応している?
副業に対する企業としてとる立場としてはおよそ3種類に分かれています。
1.原則禁止:家業などやむを得ない場合を除き副業は行ってはならない。
2.許可制:一定の基準を設け、副業を行う際には業務の内容を会社に届け出が必要。許可がおりた場合のみ副業を行うことができる。
3.届出制:業務の内容を会社に届け出ることで副業を行うことができる。
例えば、2017年10月に就業規則を変更したソフトバンクの場合、「本業に影響のない範囲かつ社員のスキルアップや成長につながる」副業に対して許可制を採用しています。
また、厚生労働省が事業所向けに公開している『モデル就業規則』では服務規律の一部として以下のように記載しています。
【遵守事項】
第11条 労働者は、以下の事項を守らなければならない。
⑥許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。
引用元:モデル就業規則|厚生労働省
従来は1の「原則禁止」をとる企業がほとんどでしたが、このように副業は許可制へと移行しつつあります。
参考:
[ソフトバンク、社員の副業OKに |ITmedia NEWS] (http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1710/12/news059.html)
[必ずチェック 副業するなら知っておきたい法律知識|NIKKEI STYLE] (https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2702T_X21C12A1000000?channel=DF280120166592&style=1)
副業を行う目的によって受け持つべき仕事の質や量は変わる
あなたが副業を行いたい理由は何ですか?
例えば、以下のような理由があげられるかもしれません。
・介護や育児に必要な生活時間の確保のため
・収入アップのため
・自身のスキルアップのため
社会調査の中では、以下のような結果が現れています。
引用:[第1回兼業・副業を通じた 創業・新事業創出に関する研究会|経済産業省] (http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/hukugyo/2016/161114hukugyo04.pdf)
上記は、総務省『平成24年就業構造基本調査』において、企業に勤めている人のうち副業を希望する人の占める割合をグラフにしたものです。
この調査では2012年時点で、副業を希望している人は男性女性の平均で5.7%、およそ368万人にのぼることがわかりました。
同調査からは低所得者層及び男性の中所得者に兼業・副業を志向する人が多い傾向にあり、収入を向上させたいというニーズと自身の技能を活かそうという2つのニーズが伺えます。
このように副業を行おうとする人の中には、それぞれの目的が存在します。
そのため、ただやみくもに副業を始めるのではなく*「なぜ副業を行いたいのか」「その目的にあった仕事の内容はなにか」*といった視点で考えるようにしましょう。
また、目的に合わせて目指すべき収入や仕事の量も変わります。例えば、スキルアップのためなら、自身の成長に繋がらない仕事は行うべきではないでしょう。
参考:
[600兆円経済の実現に向けて~好循環の強化・拡大に向けた分配面の強化~(有識者議員提出資料)|内閣府]
(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/0311/shiryo_02.pdf)
副業にリスクはつきもの
副業と行っても、仕事を行うことで金銭を得るという点では会社での仕事と変わりません。
むしろ個人で背負う業務を副業として取り組む場合、自分の背負う責任は重くなるでしょう。
では、副業を行うことにはどういったリスクがあるのでしょうか。主に2つの点を紹介します。
1.労働に見合った収入が得られないというリスク
例えば、アフィリエイトサイトの運営やネットビジネスなどの副業や投資などを副業にする場合、自分がかけた労力や費用に見合わない収入しか得られない場合があります。
また、チケットや書籍の転売やネットショップの運営の場合、仕入れた商品が販売できずに不良在庫を抱えてしまうリスクもあります。
こういったリスクを避けるためには、安定した収益が約束されているパートやアルバイト、業務委託などで業務にあたる方法があります。
参考:
副業はリスクを把握して臨もう!危うきを避けて副収入を得るためには【クラウドワークス】
2.長時間労働等によるリスク
企業が業務時間内での副業を禁止している場合、業務時間外でのみ副業の業務を行うこととなります。フルタイムで勤務している社員であれば、実際に平日に副業にあてられるのは1日あたり3〜4時間程度でしょう。
もしその時間すべてを副業にあてた場合、1日11〜12時間働くこととなり、長時間労働による体調不良を引き起こしたり、本業へ支障をきたしたりといった危険性があります。
労働基準法38条1項でも*「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」*としている通り、たとえ副業であっても労働時間には変わりません。
法律上も、自分の心身にとっても長時間労働によるリスクがあることは理解しておきましょう。
参考:
[従業員の副業をめぐる法的問題ビジネスガイド調査記事 |『日本の人事部』] (https://jinjibu.jp/article/detl/bizguide/431/)
[労働基準法|e-Gov]
(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049&openerCode=1)
まとめ
ここまで紹介してきた副業に関する基本知識をまとめると以下のようになります。
事実1.副業に定義はない。企業の職務規定を参照すること。
事実2.副業を行う目的によって受け持つべき仕事の内容は変わる。
事実3.副業にリスクはつきもの。リスクとメリットを秤にかけて考えること。
本業こと異なる業務を行うことで長時間労働につながるリスクや、そもそも収入が得られないといったリスクがあります。
副業を行う場合、こういったリスクを踏まえた上で、自分がなぜ副業を行いたいのか目的を明確にしておくようにしましょう。
いざ副業を始めてから「こんなはずじゃなかった」とならないように、ぜひ様々な情報を調べてみてください。
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