副業は労働時間に入るの?〜労働基準法

本業の就業時間とは異なる時間に副業を行う場合、労働時間はどのように換算されるのでしょうか。それには労働基準法38条を参照する必要があります。

第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
引用:[労働基準法|e-Gov]
(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049&openerCode=1)

つまり、副業であっても本業と同様に労働時間として換算されます。
そのため、本業と副業合わせて1日8時間・1週間で40時間以上働いた場合、時間外労働となり、時間外手当が発生します。

では、本業と副業の事業所どちらが時間外手当を払わなくてはならないのでしょうか。
この時、どちらの業務により多く時間を割いているかは関係なく、1日8時間以上になったタイミングで働いていた事業所に支払いの義務が発生します。

ちなみにフリーランスなどで業務委託として業務を請け負っている場合は、業務委託契約書の取り決めによるので注意してください。

参考:
「本業+副業」でも「残業代」が発生…政府の「副業」推進、知っておきたいポイント | 税理士ドットコム

副業を始めたら社会保険料が上がる?〜国民年金法

社会保険制度の一部である厚生年金保険は、労働者が高齢で働けなくなったり、何らかの病気やけがによって身体に障害が残ったりした時に保険給付を行う制度です。

一定の業種であり常時5人以上を雇用する個人事業所の場合、強制適用となり、労働者は必ず加入者となります。

2社以上に勤務し、それぞれ保険の適用基準を満たしている場合、2社の報酬を合算した額で事業所に届けなくてはいけません。

参考:
[社会保険の二重加入は可能か|給与計算の基礎知識] (https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/dual-contract-social-insurance/)

副業と本業で雇用保険はどちらに加入すればいい?〜雇用保険法

雇用保険は労働者が失業した場合に、生活の安定と就職の促進のための失業等給付を行う保険制度です。

雇用保険が適用される事業所は1つだけなので、本業と副業のどちらの事業所で加入するか決める必要があります。
基本的には「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係」の事業所、つまり収入を多く得ている本業で加入する必要があります。

参考:
[副業で思わぬ損を強いられた人から学ぶ教訓 | ワークスタイル | 東洋経済オンライン ] (http://toyokeizai.net/articles/-/164423)
[人を雇うときのルール|厚生労働省] (http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/koyou_rule.html)

副業で発生した所得にかかる税は?〜所得税法

先物取引での収益や先物取引での収益などの副業で得た収入は、所得税法の「雑所得」として換算されます。

では、雑所得に対して所得税はかかるのでしょうか。

所得税法第121条の一では以下のように定められています。

一 一の給与等の支払者から給与等の支払を受け、かつ、当該給与等の全部について第百八十三条(給与所得に係る源泉徴収義務)又は第百九十条(年末調整)の規定による所得税の徴収をされた又はされるべき場合において、その年分の利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額、一時所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下この項において「給与所得及び退職所得以外の所得金額」という。)が二十万円以下であるとき。
引用:所得税法 | e-Gov

つまり、雑所得が年間20万円以下の場合、課税はされず、確定申告も不要です。
一方で、雑所得が20万円を超えると、確定申告が必要であり、所得に応じた納税が必要となります。

なお、雑所得には副業で得た収入だけでなく、不動産売却によって得た収入や株式の配当金も合算されるので注意してください。

参考:
[サラリーマンの確定申告|雑所得が20万以上と20万以下の違いを教えて] (https://keiei.freee.co.jp/2014/12/08/salaryman-kakuteishinkoku/)