爆発的に普及し、話題沸騰となっている対話型AIのChatGPT。文章の要約や生成、対話形式での質問による答えの類推に優れており、様々な業務への活用が模索されています。

そんなChatGPTをSEO施策分析業務にどう活用できるのか、活用するうえで押さえておくことは何かを解説します。

分析に必要なデータ抽出や加工に時間を割いていた人にとっては、業務の質もスピードも加速してくれる助けになるのではないでしょうか。

四本松太郎-株式会社電通デジタル.jpg
                                

ChatGPTとは?

ChatGPTとは、OpenAIが公開した対話型AIです。2022年11月に公開されたあと、わずか2カ月で月間のアクティブユーザー数が1億人を超えたと報道されるなど、注目度が高まっています。

ChatGPTは、大規模な言語データを用いて訓練された深層学習モデルの一種であるGPT(Generative Pre-trained Transformer)を微調整したモデルをベースにしており(2023年5月18日時点での最新版はGPT-4)、文章の要約や生成、対話形式での質問者の意図に沿った回答の類推を得意としており、その精度の高さに大きな注目が集まっています。

ただし、現時点ではその特性から、正しくない情報をそれらしく回答してしまうケースや、オプトアウトを申請しない限り、入力内容が学習に利用される可能性があることなども言及されており、公開から日が浅いということもあり、利用方法が確立されていないという現状もあります。

ChatGPTをSEOに活用できるのか?

ChatGPTは文章の要約や生成が得意なため、コンテンツライティングへの活用の可能性を模索する流れがあります。

これらに対する私の見解としては、現時点ではコンテンツライティングの一部の工程においては活用の可能性はあるものの、コンテンツライティングのほぼ全てをChatGPTに委ねるのは難しいと考えています。

大前提として、コンテンツの制作は、読者に届けたい情報がしっかりとあり、そのコンテンツを通じて読者がどういう状態になって欲しいかという、コンテンツを制作する目的が必ずあるべきだと考えています。したがって、特定の検索キーワードでの流入獲得のみを目的に、労力をかけずにコンテンツを量産するためだけにChatGPTを活用するのは推奨できません

そして、SEOの観点から見ても、そのようなコンテンツ読者にとっては価値があるモノになるとは考えづらく検索エンジンにも結果的に評価されないものになるので注意が必要です。

上記を踏まえたうえで、コンテンツライティングにChatGPTを活かせることはあるか、ご紹介します。

コンテンツ案の壁打ち相手としてのChatGPT活用

コンテンツライティングにおける活用の可能性の一例として、コンテンツ案の壁打ち相手としての活用があげられます。

コンテンツのテーマについてのリサーチでは、Webやソーシャルメディアでの情報閲覧や、キーワードのニーズ分析、書籍、詳しい人へのインタビューなどを行うと思います。そして、それらのリサーチで足りない情報や、新たな気づきを得るためにChatGPTを活用する方法です。

例として、「バーベキュー」を成功させる「ポイント」についてコンテンツを作成しようとしているとします。

以下のようなプロンプトを投げてみたところ、17のポイントを列挙してくれました。

●「バーベキュー」を成功させるポイントを確認した例

▼利用したプロンプト

私は編集者です。バーベキューをこれから楽しもうとしている人に向けて記事を書き、成功させるためのポイント・秘訣を抜け漏れなく押さえておきたいです。
大事なポイントや秘訣をあげてください。

▼ChatGPTの回答

バーベキュー」を成功させるポイントを確認した例修正版.jpg

回答された17のポイントは一般的な内容があげられており、概ね自身のリサーチで取得可能な情報でありました。しかし、天候への配慮(天候の変化に備えた雨具や火への注意等)という、「バーベキュー」の「楽しむポイント」を軸にリサーチをしていると、思わず見落としがちな点も列挙してくれました。

このように、自身のリサーチだけでは思わず見落としてしまう要素がないかを確認するために、ChatGPTを補助的にいわば壁打ち相手として使えるシーンはあります。

ただし、列挙されたポイントを全て記事に落とし込むと、読書にとってはやや冗長な情報も含まれている場合もあり、そのまま記事に流用するのは本来の目的から逸れてしまう可能性があるため注意が必要です。

また、より専門性が求められるテーマに関する回答は信頼性の観点で情報が正しいか注意が必要になります。このように、現状ではコンテンツライティングの補助的に活用することが推奨になります。

SEO分析へのChatGPTの活用

現時点でChatGPTをSEOに活用する場合、分析業務に活かしていくのが最も効果を発揮する可能性があると考えています。それはChatGPTがプログラミング言語の生成に長けているためです。

私は、SEO分析をする際には、その分析に特化した専用のコードを作成して分析を行っています。その際、これまでは自身で1からコードを書いて分析を行っていました。しかし、最近では、新規で何か処理を書く際は、ChatGPTを活用してコードを書くケースが増え、業務効率化が進んでいることを実感していますので、是非多くの人に試していただきたいです。

SEOの分析業務への活用方法

SEO分析業務は多岐にわたりますが、その一つとしてGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクス、その他SEO関連ツールから取得した大量のデータを用いた分析業務があります。

それらのデータ

キーワード毎の平均順位別にグループを振り分けする処理の例-2.png

特定ページの特定のテキストだけを抽出する場合の例.jpg

スクレイピング.jpg