チーム設計の5段階

心理学者のブルース・タックマンは、CFTなどのプロジェクトチームを設計する際、以下の5段階(タックマンモデル)を提唱しています。

【1】形成期
【2】混乱期
【3】統一期
【4】機能期
【5】散会期

参考:
[タックマンモデルとチームビルディング|株式会社ハートクエイク](http://heart-quake.com/article.php?p=396)

【1】形成期

メンバーが決まったばかりの段階で、メンバー同士もお互いのことを知らない時期です。リーダーはプロジェクトの目的を説明し、指示を出します。

【2】混乱期

メンバー間の交流や業務が進んでいくにつれて、意見の食い違いが起こるようになります。慣れない環境の中、面識のなかったメンバーとチームワークを発揮することは容易ではありません。

リーダーはメンバー同士が業務や役割を理解し合う後押しをします。チームでのコミュニケーションを活発化させることで、関係性を深めていきます。

【3】統一期

チームの中に統一感が生まれてくる時期です。自分の業務にも慣れ、メンバー間の理解も進むと、お互いに認め合う関係を築くようになります。ここでチームワークが生まれます。

リーダーは、更にメンバー間の関係強化に努めます。問題点も指摘し合えるチームになれば、早い段階で問題に気付けるなど、リスク回避にもつながります。

【4】機能期

統一期にできたチームワークの上に、それぞれのメンバーが強みを活かし合い成果を出せるチームが仕上がります。与えられた役割以外にも、メンバーは自主的に活動を行います。

リーダーはできるだけ細かい指示はせず、メンバーの活動を見守るようにします。

【5】散会期

プロジェクトが終了し、チームが解散します。

クロス・ファンクショナル・チームのメリット

事業部や役職を超えた協働できる

通常業務では関わらないメンバーも含めたチームができるため、それぞれの強みを活かしながら協働できます。工数が削減できる分、コミュニケーションに時間をかけながらプロジェクトを進められます。

社外からの新しい知見を得ることができる

前述したとおり、CFTには経験豊富な社外の人材を集めることもあります。自社にはない知見やノウハウを得ることができます。

複数の視点によって新しい解決策が生まれる

自社の課題を様々な角度から見ている社内メンバー、他社の知見を持ち合わせている外部メンバーが集まって意見を交わすことで、これまでになかった視点や解決策が生まれます。

クロス・ファンクショナル・チームのデメリット

チーム構成によっては効果が出ないこともある

チーム構成がある事業部や役職に偏ってしまうと、新しい視点が減ってしまい、効果が減少してしまうことがあります。選出する際は、経験年数・役職・年齢などできるだけ幅を効かせるようにしましょう。

モチベーションの維持が難しい

CFTは本業など、他の業務と兼務していることがほとんどです。メンバーの中での優先順位を高めておかないと、多忙になったり意見が割れて停滞したりしたときに、モチベーションが低下してしまうことがあります。

チーム内のコミュニケーションを増やし、参加に際してインセンティブ(意欲向上や目標達成のための施策)を付与するといった工夫が必要です。

リーダーの介入の過不足

リーダーの介入のバランスは、CFTの成果に大きく影響します。介入が強すぎるとメンバーは保守的な意見しか出さなくなったり、反抗して協調性を失ったりします。逆に介入が弱すぎると、メンバーの意見がまとまらず、これも協調性を失う原因になります。

他にも事業部間の利害関係の調整など、全く違う環境のメンバーをまとめていくために、リーダーには高いスキルが求められるといえるでしょう。