労働生産性とは?自社や自分自身の労働生産性を把握しよう
日本の労働生産性
日本の労働生産性はGDPで算出する
ニュースなどで、「日本の労働生産性」が取り上げられることがあります。
国としての労働生産性を算出する場合は、付加価値労働生産性の算出方法を用い、付加価値には「GDP」を当てはめます。GDPとは、「Gross Domestic Product」の略で、国内総生産を意味します。1年間で国内生産されたモノやサービスの金額の合計を表しています。
日本の順位
日本生産性本部は、毎年GDPと労働生産性の国際比較を行っています。少高齢化で就業者の大幅な増加を期待できない日本では、国民1人当たりのGDPを豊かにしていくために、より効率のいい成果を生み出すことが求められています。その定量的な指標のひとつとして、労働生産性に焦点が当てられています。
引用:
労働生産性の国際比較2016年版|公益財団法人日本生産性本部
上図は、OECD加盟諸国の35ヶ国の労働生産性を比較したものです。なお、OECDとは、「経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development)」を指します。
参考:
OECDとは?|経済産業省
2015年の日本の労働生産性は、74,315ドル(783万円)でした。OECDに加盟している35ヶ国の中では22位です。
アメリカと比べると約6割の水準で、この割合は1980年からほぼ変わっていません。この格差について、アメリカコロンビア大学ビジネススクールのヒュー・パトリック教授は、日米の価格戦略の違いが影響していると指摘しています。
日本企業は1990年代から、デフレに対応して利益を削ってでも低価格化を実現し、競争力を強化してきた歴史があります。一方アメリカは、生産性を向上することで付加価値を拡大してきており、その差が労働生産性にも現れているのではないかと考察しています。
今後日本がより労働生産性の向上を目指すなら、業務の効率化と並行し、新しいサービスを生み出すことで付加価値を拡大していく戦略も重要になってくると言えそうです。
業種別
引用:
主要産業の労働生産性水準|公益財団法人日本生産性本部
上図は、日本企業を産業別・製造業業種別に見た労働生産性のグラフです。
産業別にみると、「不動産業」や「電気・ガス・水道」、「金融・保険業」、「情報通信業」など、労働力よりも設備や資本への依存度が高い産業で労働生産性が高くなっています。一方、「サービス業全般」や「農林水産業」など、労働力への依存度が高い産業では労働生産性は低くなっています。
自社の労働生産性を算出し、同産業の水準と比較することで、立ち位置を明確にすることができるでしょう。
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