成功する「ムードボード」作成のコツ

上にご紹介したツールは、ムードボード作成を加速させる、非常に便利なツールであることは間違いありません。

しかし、ムードボードは作成のしやすさ以上に、作成方針を明確にしたほうが、アイデアの齟齬が起きず、効率的にプロダクトデザインに取り掛かることができるようになります。

そこで最後に、ムードボード作成で気を付けておきたい「3つのコツ」をご紹介します。
  

1. テーマとなる「キーワード」を決める

ムードボードは、デザインチームだけで作成することもあれば、クライアントと一緒に作成することもあります。

もし、訴えたいブランドイメージがあるのであれば、そうしたイメージの「キーワード」となる言葉を複数あげて、キーワードにマッチする画像やテクスチャを集めてみるといいでしょう。

例えば、「シンプル」で「明るい」、「モダン」なムードボードであれば、以下のようになるでしょう。

modern.jpeg
画像引用元:Pinterest

一方、「シンプル」であっても、「パステルカラー」「自然」など、別の組み合わせを加えれば、次のようなムードボードになります。

pastel.jpg
画像引用元:Pinterest

キーワードは1つだけだとムードが曖昧になってしまうので、いくつかのキーワードを用意しましょう。キーワードが複数設定されていれば、より具体的なものになるでしょう。
  

2. ミスマッチを排除する

一旦作成したムードボードでも、持ち寄ってメンバー同士で話し合って、本当に求めているイメージだけがそこにあるのかを確認することが大切です。

一度作成したムードボードの中でも、「これは求めているものにそぐわない」というものがあれば、ミスマッチとして除外していきます。しかし、除外したものは、削除するのではなく、「除外リスト」に残しておきましょう。

こうすることで、「こういうイメージは求められていないんだ」ということが可視化されるので、除外リスト自体が今後のプロダクトデザインの参考になるからです。

ミスマッチを排除したら、集まったクリエイティブの共通点を探して、言語化してみるのもいいでしょう。「白い」「余白の十分ある」「クリーンな」デザイン、といったように、見えなかった共通点が見出せることがあるからです。
  

3. 1つのものに執着する

「キーワード」を決めてたくさんのクリエイティブを集めたとしても、全体としてなにかしっくりこないことがあります。

そんな時には、複数のクリエイティブの中でキーワードに一番しっくりくるものを選び出し、そのイメージに近いかどうかで判断を行うようにしてみましょう。

ある1つのクリエイティブを基準とするだけで、統一感が感じられなかったムードボードが、ある程度のまとまりを得ることができるでしょう。