レストラン経営はプレゼンテーションに全て活かすことができる

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レストランを繁盛させるために行うべき事は全て、プレゼンに通じています。

美味しい料理はコンテンツの内容に、そして想定顧客層は、プレゼン相手のプロファイリングに相当します。店舗内やトイレをきれいにしたりすることは、プレゼン資料の構成や仕上げに通ずるものがあります。

どんな方に来てもらい、どう食べてもらったら成功なのか」を定義することが大事です。

ランチタイムにフォーカスして、とにかく効率よくコストパフォーマンスの高いおいしい料理を出すのも1つの選択ですね。気軽なディナーを楽しめるイタリアンで、幅広い世代に楽しんでもらうのも素敵です。とっておきの日に来てもらえるような特別な和食屋さんで、記念になる夜をプロデュースするのも最高です。
  

ビジョン:プレゼンを聞いた人の理想的な状態を考える

「誰がどうなると成功なのか」を定義しなくては、レストランを繁盛させることはできません。

これを私は「ビジョン」と呼んでいます。

ビジョン無くして、何事にも成功はないのではないか、と考えています。プレゼンもしかり。「自分のプレゼンテーションを聴くことで、誰がどのような状態になれば成功なのか」を定義しておかなければ、プレゼンで大きな成功を収めることはできません。

ビジョンがなくても、何となくそれっぽくはプレゼンできると思いますが、この連載は「もっとレベルの高いプレゼン」を目指す方に読んで欲しいと思っています。

今はそれほど得意でなくても、ビジョンを持ってプレゼンをすることを習慣づければ、大きな成功を手に入れることができます。逆に、目標設定を低くすれば、それ以上の結果が得られることは絶対にありません。ぜひ、大いなるビジョンを作ってからプレゼンをすることにしましょう。
  

核:プレゼン内容にインパクトを持たせる

また、レストランで出す料理そのものにおける、最大の魅力を定義することも忘れてはいけない重要なポイントです。

「あっさりとした塩味」や「サクッとした歯ごたえ」や「しっかりと残る後味」など、これらは意図的に作り出さなければ、出たとこ勝負の再現性のない料理になりかねません。

私はこの要素をプレゼンにおいては「」と呼んでいます。この「核」がないプレゼンは、味気のない料理のようになります。

「なんか、味がぼんやりしてるね」
「これ、塩の味しかしないね」
「甘いのか辛いのかわからない料理だなぁ」

致命的に不味いわけではないけれども、今1つ魅力のない料理というのも困りものです。

プレゼンも同様に、核がしっかりとできていなければ、聴衆にインパクトを与えることはできません。核がどのようなものなのかは、この連載の中でしっかりと深掘りしていきますので乞うご期待ください。
  

実装:聴衆を喜ばせるためのプラスアルファの要素としての「振る舞い」

そして、プレゼンテーションにおける「話し方」「姿勢」「身振り手振り」のような“振る舞い”は、レストランにおける配膳にあたります。

ホールの担当者の人たちが、注文を取ってからでき上がった料理を運んでテーブルに置いてくれる、あの一連の行動に当てはめることができます。もちろん、これはとても重要な要素です。

極端に愛想の悪いウェイトレスさんや、注文をいつも間違えるウェイターさんでは、お客さんはリピート来店してくることはないでしょう。ましてや、お盆の上の料理を3回に1回全部落としてしまうようでは、経営そのものが成り立ちません。

ウェイターさんの振る舞いは、非常に重要な要素であることは間違いありません。ただ、いくらホールスタッフの態度が良くても、肝心の料理が不味かったり店舗が極端に不潔だったりすれば、繁盛させるのはかなり難しいすよね。

まずは開店前の準備を徹底的に行いつつ、確実にお客さんが喜ぶ形で料理をサーブできるように配膳のフローを考えること。プレゼンもこのような考え方で進めるのが成功への第一歩です。

この要素を、この連載の中では「実装」と呼ぶことにします。