人や建物などをスキャンして3Dデータ化する3Dモデリング技術は、工業デザインや医療、ゲーム、映画など、様々な分野で長らく利用されてきました。近年では、3DプリンティングやAR(拡張現実)、VR(仮想現実)、ECサイトでの商品紹介などでも活用され、一般消費者にとっても身近になりつつあります。企業のマーケティングや広報活動においても、3Dモデリング技術の活用は有効な手段と言えるでしょう。この記事では、進化し続ける3Dモデリング技術と、新しい活用分野について紹介します。

目次

  1. 注目の最新技術「ボリュメトリックビデオ」とは?
  2. 「可搬型ボリュメトリックシステム」がもたらす新たなバーチャル体験
  3. デジタルアーカイブ化で文化財を保存・活用

注目の最新技術「ボリュメトリックビデオ」とは?

近年注目を集めている最新の3Dモデリング技術が、「ボリュメトリックビデオ」です。この技術は、数台から数百台のカメラで被写体を囲んで様々な角度から2D映像を撮影し、撮影データを処理して高精度な3Dデータを生成するというもの。

ボリュメトリックビデオの画期的な点は、一度作成した3Dデータを様々な形で活用できることです。従来の2D映像では、カメラの位置や角度に依存して平面的に情報を記録しますが、ボリュメトリックビデオでは、被写体を体積(ボリューム)としてキャプチャするため、被写体を三次元の空間に再現した上で、後から自由に編集が可能。好きなカメラワークで映像を作成したり、被写体を360度どの角度からでも見られる利点を活かしてVRやARコンテンツに活用したりと、幅広い用途で使えます。

また映像を元に3Dデータを作ることで、従来のCGを使用する場合と比べて、時間と労力を大幅に削減できるのも重要なポイントです。

「可搬型ボリュメトリックシステム」がもたらす新たなバーチャル体験

利点の多いボリュメトリックビデオですが、大規模な撮影機材と大容量のデータを処理するコンピュータが必要なため、これまでは専用のスタジオでしか撮影できませんでした。しかし、ソニーが2023年に発表した「

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