ブランドリフト

続いては、動画広告の定性的な効果を可視化できる「ブランドリフト」についてご紹介します。
  

ブランドリフトとは

「認知度を上げたい」「ブランドをもっと好きになって欲しい」等、ブランディング目的の動画広告では、その本質的な成果を、上でご紹介した再生数や視聴維持率等の定量的なデータだけで判断することは難しいという面があります。そこで近年用いられるようになっているのが「ブランドリフト」という考え方です。

ブランドリフトとは、広告がどれだけ視聴者の「態度変容」を引き起こしたかを可視化できる効果計測手法で、その広告に接触した人と、接触していない人に同じアンケート調査を実施し、そのスコアの差を“ブランドリフト(ブランドがどれだけ向上したか)”として評価します。

ブランドリフトにおける主な指標とアンケート調査の質問例は下図のとおりです。

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読者の皆様も、YouTubeやFacebook、ニュースアプリ等の広告枠の中で、「次に挙げる企業の広告を見たことがありますか?」等のアンケートに遭遇したことが一度はあるのではないでしょうか?

かつては、テレビCMの広告効果を計測するためには、大きな予算をかけて調査会社に依頼する必要がありましたが、オンラインの世界ではブランドリフトも手軽に計測できるようになっているのです。
  

ブランドリフトを計測できるサービス

昨今は、ブランディングを目的としたWEB動画広告を配信する企業が増え、効果測定に対する意識も高まってきたという背景もあり、動画広告メニューとともにブランドリフト計測サービスを提供するメディアやアドネットワークも増えています。

以下はその一例です。

・Googleブランド効果測定
・Facebookブランドリフト調査
・LINE Ads Platformブランドリフトサーベイ
・動画アドネットワーク「LODEO」(株式会社サイバーエージェント)
・動画アドネットワーク「PolymorphicAds」(株式会社カームボールド)
・スマートフォン動画広告プラットフォーム「AppCM」(株式会社アップシーエム)
・アプリ内動画広告ネットワーク「Tapjoy」(タップジョイ・ジャパン株式会社)

また、インターネット調査会社等も、自社で抱える調査パネルを用いたブランドリフト調査サービスを提供している場合があります。

それぞれに機能的な特徴や実施条件、コスト等が異なりますので、動画広告を配信してブランドリフトも計測したいと考える場合には、各社のサービス内容をよく聞いて比較してみるとよいでしょう。
  

まとめ

今回ご紹介した効果指標はあくまで標準的な考え方であり、自社の施策内容や目的に応じて適切なKPIを設定することが大切です。KPIは必ずしも一つではなく、重要度に差をつけて複数設定するケースもよく見られます。

まずは動画広告の目的を明確にし、それにふさわしいKPIを設定するところから始めてみてください。