Forresterのアナリストであるジェームズ・マクイヴィー(James L. McQuivey)教授によれば、1分の動画は180万字に相当する価値を持っているといいます。キャッチーなコピーを書くのも時には大切ですが、動画マーケティングの重要性はますます高まっています。

Googleは、2013年以降毎年YouTubeで人気の動画広告を選出する「YouTube Ads Leaderboard」と題して、話題になった動画 広告を表彰しています。

前回は日本国内で話題になったYouTube広告トップ10を紹介しましたが、今回は「Leaderboard Global year-end 2017」より2017年下半期のYouTube広告トップ10【海外編】をお届けします。

参考:
マーケター必見!話題のYouTube広告 2017年下半期10選【国内編】|ferret
  

2017年下半期のYouTube 広告トップ10【海外編】

10. Mr. Clean「Cleaner of Your Dreams」

Mr. Cleanは米P&G(プロクター&ギャンブル)社が販売している商品で、1月にスーパーボウルのCM用に配信した動画広告がランキングのトップ10にランクインしました。

Mr. Cleanというキャラクターのロゴデザインが印象的な同商品ですが、CGを使って実際にいるかのような印象に仕上がっています。ある主婦の目の前に現れたMr. Cleanがセクシーに掃除をして主婦を誘惑していますが、それはなんとMr. Cleanを使って掃除していた夫だった、というオチまでを38秒という短い時間で見事に表現しています。

● 2017年下半期の視聴回数:約1760万回再生

ブランド:Mr. Clean
エージェンシー:Leo Burnett / Hearts & Science

  

9. Levi’s「Circles」

Levi’s(リーバイス)の名称で親しまれているアメリカのジーンズブランドリーバイストラウス(Levi Strauss & co.)が2017年8月に公開したプロモーション動画が2200万再生を超え、世界9位にランクインしました。

「輪になって、世界中の様々な人が踊っている」

たったそれだけの動画ですが、皆がリーバイスのジーンズを穿いて楽しそうに踊っています。最後には、

「男性も、女性も、若者も、老人も、ゲイも、ストレートも - 踊って暮らそう - リーバイスで暮らそう」

というメッセージで締めくくられます。国境を超えた世界平和的のようなものが暗示されており、多くの方に支持されました。

● 2017年下半期の視聴回数:約2260千回再生

ブランド:Levi’s
エージェンシー:非公開

  

8. Apple「iPhone 7 - The Rock x Siri Dominate the Day」

国内編でも5位にランクインしたAppleとドウェイン・ジョンソンのコラボレーション動画が7位にランクインしています。

WWEのレスラーやハリウッドスターとしている「The Rock」ことドウェイン・ジョンソンが、ふと見かけたテレビ番組で「多忙なのでこれ以上何もできない」と言われたのに触発され、リマインダーに入れていた「人生でやりたいことリスト」を、Siriの助けを借りて一気に片付けるという内容になっています。

この動画は、世界各国のAppleアカウントがYouTubeを通じて配信しましたが、結果的に再生回数を稼いだのはインドのAppleのアカウントでした。

● 2017年下半期の視聴回数:約2528万再生

ブランド:Apple India
エージェンシー:MEDIA ARTS LAB

  

7. adidas Originals「ORIGINAL is never finished」

adidasの人気ブランド「adidas Originals」が作成したクールなプロモーション動画も、世界中の人々を魅了しました。

約90秒ほどの短い時間の中に「独創性」というキーワードを詰め込み、映像作品としても非常にクオリティの高いものになっています。

● 2017年下半期の視聴回数:約2543万再生

ブランド:adidas Originals
エージェンシー:Johannes Leonardo / Carat Global

  

6. Kia Niro「Hero’s Journey」

大韓民国第2位の自動車メーカー「起亜自動車」のアメリカ支社が作成した動画が話題を呼んでいます。

捕鯨の保護活動で荒波に出た際にクジラに体当たりされたり、森林の保全活動で木に登っている最中に木が切り倒されたり、氷床の保護活動中に氷床が割れてしまったり、ツノを持ったサイには突進されたり……と踏んだり蹴ったりの女性が、KiaのハイブリッドカーであるNinoに乗って、安全な旅に出るという物語。

思わず突っ込みたくなる動画で視聴回数を稼ぎ、同シリーズは様々な続編が作られる結果となりました。

● 2017年下半期の視聴回数:約2605万再生

ブランド:Kia Motors America
エージェンシー:David & Goliath / Canvas Worldwide

  

5. Budweiser「Born The Hard Way」

アメリカのミズーリ州セントルイスに本社を置くAnheuser-Busch(アンハイザーブッシュ)のビールブランドBudweiser(バドワイザー)がスーパーボウルのCM用に作成したCMが世界ランキングの第5位にランクインしました。

ドイツ系アメリカ人であるジョージ・シュナイダー(のちのアンハイザーブッシュの創業者)が主人公で、ドイツを出てビールを作るまでの過程がドキュメンタリー形式で60秒でまとめられています。

最後にはアンハイザーブッシュの「何もあなたの夢を邪魔しないときには、あなたが飲んでいるのはビールだ」という格言で締めくくられています。本格的な映画のようなハイクオリティな映像で、2800万再生を超えてしまいました。

● 2017年下半期の視聴回数:約2859万再生

ブランド:Budweiser
エージェンシー:Anormally / MediaCom

  

4. Miss Dior「The new Eau de Parfum」

有名ブランドChristian Dior(クリスチャン・ディオール)が公開した動画は、5位と大きく差を付け、4697万再生を突破しました。

女性の美しさとライフスタイルに焦点を当てた動画広告は、世界中の女性はもちろん男性からも好評を博しています。パリのエッフェル塔、ピンクのスポーツカー、広いリビングなど、女性の夢がたくさん詰め込まれたイメージ作品に仕上がっています。

● 2017年下半期の視聴回数:約4697万再生

ブランド:Christian Dior
エージェンシー:非公開

  

3. Oreo「Ping Pong Trick Shots 3」

NHKで土曜日7時45分から放送されている「ピタゴラスイッチ」は、今でも子どもだけではなく大人にも愛されています。その世界観を見事に表現したのが世界中で愛されているナビスコの人気商品Oreo(オレオ)の「Ping Pong Trick Shots」シリーズです。

動画ではオレオを使ったり使わなかったりしてカップにピンポン球を入れるチャレンジが行われています。約7分の中で様々なチャレンジが行われていますが、どれも見事で思わず見入ってしまうはずです。

● 2017年下半期の視聴回数:約9945万再生

ブランド:Oreo
エージェンシー:Weber Shandwick / Carat USA

  

2. Clash Royale「The Last Second 」

ほかのプロモーション動画とは一線を画しているのが、App StoreのBest of App 2016にも輝いた超人気モバイルゲームClash Royale(クラッシュ・ロワイヤル)のオフィシャルCM動画です。まるで実写かと疑うほどの滑らかなCGを使ってゲームの世界観を見事に表現しています。

最後の最後で逆転する、試合結果は最後までわからないというメッセージで、思わずゲームをしたくなってしまいます。再生回数は1億回を超えるほどの人気ぶりです。

● 2017年下半期の視聴回数:約1億1159万再生

ブランド:Clash Royale
エージェンシー:Barton F. Graf

  

1. Samsung India「We’ll take care of you, wherever you are. 」

堂々の世界ランキング1位に輝いたのは、1億5千万再生を突破したSamsung(サムスン)インディアのイメージプロモーションCMです。

盲目の少女のもとにサムスンのサービススタッフがテレビを修理しに行くという内容ですが、全体をとおして心温まるストーリー仕立てになっています。

● 2017年下半期の視聴回数:約1億1159万再生

ブランド:Samsung India
エージェンシー:CHEIL India

  

まとめ

よく知られているブランドがラインナップに並びましたが、商品よりもイメージにフォーカスしている動画が多いようです。話題になっている動画を分析することで、自社の動画 広告作成にも役立てることができます。

目の前のユーザーにどんなメッセージを伝えたいか、動画を作成する際には考えてみるとよいでしょう。

注:「2017年下半期の視聴回数」は2017年の有料動画の視聴回数、オーガニック検索の視聴回数、視聴者維持率(動画再生に対して視聴された割合)など、様々な要素を加味してYouTubeが算出した回数であり、リアルタイムの数値と異なります